今井恭子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
地球の危機を救うために彗星に挑む女の子と竜の冒険物語。
主人公は竜の子ども。どのくらいになったら大人になるのか、それとも実はもう大人の竜になっているのかはわからないけれど、おそらく竜の最後の生き残り。母親の竜が死んでから一匹で、時々棲んでいる沼のナマズのじいさんと話すくらいがせいぜいだった竜だったけれど、ある時現れた人間の女の子との出会いで変わっていく。今まで話に聞かせてもらうばかりで空を飛んだことなどなかった竜だけれど、その女の子は星を飲んだ竜の伝説のように、地球に迫る彗星に向かって飛んでほしいと言い出す。その彗星が地球にぶつかると、みんな死んでいなくなってしまうらしいけれど、彗星をや -
Posted by ブクログ
淡々とした文体だけど、内容は重い。妹思いの様子が強く書かれていると思ったらまさかの展開。
父親を憎むようになった主人公だけど、心が真っ直ぐなのは、幼い頃父親と過ごした楽しい思い出のおかげのような気もする。
「不幸だなんて思いたくない。
ただ、ちょっと運が悪いだけだ。」
「一日も早く大人になりたい。
早く大人になって、妹のためにも稼ぎたい。仕事がしたい。母さんを少しでも助けられるように。」
小学校6年生にしてこんなふうに考えた主人公だったけれど、おそらく父親から贈られたと言えるだろう「ギフト」と周りの人のおかげで、最後は自分自身の夢を見つけられたようでホッとした。