長谷川夕のレビュー一覧
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表題作よりも、「Aさん」「春の遺書」の方が好みだった。
「僕は君を殺せない」参加したミステリーツアーで殺人事件に巻き込まれるも生き残った男の子と、可愛い彼女がいてその奔放な彼女に振り回される男の子の二人の視点で語られる。二人にどのような接点があるのか。事件の真相は。「僕」が殺せないのは誰なのか。良くも悪くもない、予想通りの結末だった。
「Aさん」はホラーじみていて、海の近くの団地が舞台のお話。終始不気味な雰囲気でオチも好き。
「春の遺書」は一番好きな話。祖父が亡くなり、形見分けした物の近くに毎晩現れる幽霊。その幽霊は祖父の死後一ヶ月も経たないうちに自死した祖父の弟だった。彼は何を探しているのか。真相がとても切なくて、「誰も悪くない」の一言が沁みるお話。 -
Posted by ブクログ
ネタバレシーズナル・マーダー夏の章 妻の計画
シーズナル・マーダー秋の章 娘の計画
シーズナル・マーダー冬の章 愛人の計画
シーズナル・マーダー春の章 母親の計画
トゥルー・ラブ
祖母の心得を一生懸命聞いていた姉の行動と、力の存在に半信半疑だったが、途中から姉と同じ力を持った妹の行動。力はなくとも、祖母の言葉はずっと耳に残っていた。
ラストタイム
アポロンと、家族の関係。
ひとりぼっちだけど、ひとりじゃない
恋のかたち
フェイクパーティ
登録した覚えのない業者のダイレクトメールに申し込む彼女、そこで出会う男性。連絡手段の危うさ。
同窓会での女性同士の結婚、幸せ度合いのマウンティング。嫉妬、憎悪。
オーダーメイド
メモリーのリセット
ダイヤモンドとガラス
見た目は大事か。本物が本物たる証拠と答え。
レイニーデイ
利用されて得た裕福さ。誰とも密になろうとはしない彼女の理由。自分の居場所はないと諦めていた彼女の少しだけ変化した行動。依頼する会社と嫉妬。
アンノウン
彼氏の考えと彼女の考え。
二人が利用したものの使い方の違い。
インザクローゼット
自分が一番居心地がいい居場所。
端役が主役。老婆のどんなかたちでもいいから、「主人公でいたい」という願い。
ムーンライト・エンドロール
彼女に唯一訪れた幸せと選択。
切ってもきれない、母親の存在。
優しい思いと、強い嫉妬、羨望、憎悪。
いろんな感情が読める。 -
Posted by ブクログ
表題作「僕は君を殺せない」
二人の語り手で物語が展開します。
友人の代理で参加したミステリーツアーで猟奇連続殺人に巻き込まれて逃げてきた人物と、
女子高生と半同棲する男子高校生と。
この二人がつながっていきます。
猟奇連続殺人のスリルは勢いがあって、ひきつけられました。
一方で、女子高生に尻に敷かれている男子高校生の屁理屈めいた語り口もおもしろく、どんどん読み進めました。
ただ、物語の種明かしがされるにつれ複雑な話になっていって(途中で読む期間があいてしまったからかもしれないけど)設定がややわかりにくかった…というのと、後になるほど勢いが削がれてしまったのが残念。なんだか最後はいい話になっちゃったし。でもラストの雪の場面は泣けました。せつない。
主人公の行動の変化の動機が弱かったかな。出だしがおもしろかっただけに、伏線回収が尻すぼみな印象。
併録されていた「Aさん」
こちらはホラーじみたお話で、Aさんと主人公はどんなふうにつながっていくの…?とドキドキハラハラするような展開で、ついページを繰る手がとまりませんでした。が、こちらも尻すぼみだったかな。冒頭とラストのつながり方はおもしろかったけど、主人公はいったいどうしちゃったんだい?というのがわからずスッキリしない終わり方。私の読みが足りていないんでしょうか。
併録「春の遺書」
三作の中で一番こちらが好きです。話の内容自体はさほど斬新ではないものの、情景が美しく、せつない世界観に浸れました。
余談。
表題作から、勝手にボーイズラブだと思いこんで読みましたが、違った(笑)僕と君っていうから、てっきり…(笑)でも、まぁまぁおもしろく読めました。