青木俊のレビュー一覧

  • 潔白

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    父親は無実。
    だが、すでに死刑は執行されている。
    この世にいない父親の冤罪を晴らすため、
    たったひとりの娘が、
    国や権力に立ち向かう…
    検察と弁護士の攻防に、裁判官まで…

    読んでいて苦しくて、
    もうやめて誰か助けて、
    真実を教えてって思ってました。

    読後に表紙を見て、何とも言えない気持ちになります。
    たったひとり、歩いている後ろ姿。

    真っ白の無罪と、灰色の無罪。

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    2024年08月16日
  • 潔白

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    社会派の小説だが、ホラーよりこわい

    気の遠くなるような年月を無実の罪をきせられ刑務所で過ごしたひとたちのことは
    時折ニュースで見聞きし、そんなことがあるのだろうか、と、何よりも、それなら真犯人はどこにいるのか、どうして平然と暮らしていられるのか、被害者家族はどんな気持ちでいるだろうか、と考えだすと胸がつぶれそうになる。

    この小説の三村は無実の罪で死刑判決からたった2年で絞首刑となる

    なおも娘は父の無実を晴らそうと奔走する。

    最後に真犯人にたどりつきそうになるが結局思い違いでがっかりするが、
    さらにそのあと、本当の真犯人が。

    うそでしょ。の展開。

    これが自分の身にふりかかったことだと

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    2024年07月09日
  • 潔白

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    足利事件、飯塚事件、袴田事件と、現在も再審が行なわれている冤罪事件について、恐らくは飯塚事件を参照した内容で描かれた小説。とくにMCT118型と呼ばれるDNA鑑定について、その正確性が問われるものとなっている。

    冤罪を晴らすことは難しい。警察や検察、裁判所といった各司法機関の判断を根底から覆す事態であり、それぞれの組織の論理やメンツ、人間関係が絡むために無謬性に支配されている。

    一方で冤罪を晴らすのには決定的な方法がある。それは、「真犯人を見つけること」だ。そのためには、証拠となるネタを司法から取り戻して第三者機関に鑑定してもらう必要がある。

    このロールプレイング的な流れと、真犯人は誰か

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    2024年02月18日
  • 潔白

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    強大な国家権力に対して猛然と戦い続ける個人の力に圧倒された。冤罪事件を紐解いていくストーリーも、権力との攻防も目を離すことが出来なかった。とても骨太な作品で面白かった。

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    2024年02月10日
  • 潔白

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    国家権力と市民の対決。
    これほどまでに卑劣な手を使ってでも、組織は自分たちを守ろうとするのか。
    殺人を犯した者よりも自らのために事実を捻じ曲げて、保身に走る国家権力の体制が一番恐ろしい。
    小説、エンターテイメントではあるが本当にこんなことが起きているのではないかと、疑いを持ってしまう。
    二転三転し、読者を引き込むストーリーで面白かったです。

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    2024年02月04日
  • 潔白

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     FB友だちから紹介していただき、2日で読んでしまいました。
    母子殺人の罪に問われ死刑となった父親。その娘はある理由から父親の無罪を確信し、再審請求を求める。
    刑を執行してしまったあとで冤罪などあってはならない検察は、なりふりかまわず再審つぶしに躍起となる。果たしてどうなるか…。死刑の是非、検察捜査の実態、請求審の進め方など、興味深い内容。ところどころに挟まれる現実の実際の事件が、小説をより現実味のあるものにしている。
    読んでいるとノンフィクション、ルポに思えてきて、実際こういう事はあったのでは?と思わせる怖い。取り返しのつかない司法だけはあってはならないと思う。
    唯一意外な犯人の人物像に違和

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    2023年06月10日
  • 潔白

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    ミステリーとして読むか、冤罪を考えるで読むかで印象が少し変わる作品。冤罪を描くのであれば、この倍の文量でもっと緻密に描いて欲しかったのが率直な感想。ミステリーとしては最初から真犯人がミエミエではあるが、展開の妙味はある。面白かったが重厚さが足らない印象もあった。

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    2023年02月17日
  • 潔白

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    どこかのサイトでおすすめの小説と紹介されてたので買った一冊。

    冤罪の話だった、

    権力と個人の闘い
    国家の間違いを隠そうとする検察
    無実を証明しようとする娘と弁護団

    すごい攻防だった。

    検察のやり方がきたないね
    権力でなんでもやる。
    プライドなのか?エリート意識なのか?

    こうゆう司法関係の小説は難しい単語など出てきてなんか難しいと感じてしまうが、この小説はなぜかスラスラ読めてしまった。
    それだけ次の展開が気になったんだと思う。

    無実を勝ち取り、犯人までわかり最後スッキリと読み終えた小説でした。

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    2022年12月04日
  • 消された文書

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    お姉ちゃんの死の真相を突き止めて…凄い事実が!ぐらいに思ったけど、凄すぎる事実やった…(あっ!フィクションですので^^;)
    改題前の「尖閣ゲーム」の方がイメージし易いかも?
    死の真相は、ある文書を巡る日中の攻防やねんな。
    こんなの出て来ても、相変わらず、中国さんは、尖閣の主張を止めるとは思えん…そもそも、その辺に資源が眠ってるのが分かってから、主張し始めたんやし。はなから、そんなの想定してそうな気がする。
    その文書、過去からの念いもあり、沖縄独立へと…

    ※沖縄と本土の意識の違いは、いっぱいありそうやな…私なんか、一方の当事者(本土側)やけど、あんまり自覚なさ過ぎて恥ずかしい(>人<;)

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    2022年05月07日
  • 潔白

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    容疑者は死刑判決を受け、その執行から小説は始まった。無罪を確信する娘と権力の検察の攻防は手に汗握るが、ちょっと上手く話が進みすぎか。いや、ありえない展開は最後でまた裏切ってくるというミステリ小説の面白さを堪能させてくれた。再読も楽しいと解説にある。また読む機会があるとは思わないけど。

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    2021年11月22日
  • 潔白

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    無実の罪で、死刑判決、死刑執行までされてしまった父親の無実を証明しようと奔走した娘さんのお話。娘さんの人生が、それだけで全て終わってしまうのが現実かなぁと思うが、暗闇の中に一筋の光が見える事が救いであり小説である所以。でも巨大な権力に立ち向かう勇気と根性に感動した。

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    2021年06月13日
  • 消された文書

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    沖縄に住んで約10年。
    身近な地名などの固有名詞が多数登場し、珍しい沖縄を舞台にしたサスペンスドラマに親近感を覚えました。
    沖縄が抱える様々な問題を絡め、歴史を紐解く。

    いつの日か琉球国の独立が現実となる日がやってくるかもしれない…

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    2021年02月28日
  • 消された文書

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    青木俊『消された文書』幻冬舎文庫。

    沖縄、尖閣諸島を巡る国際情報小説。世界に於ける日本の今、沖縄の今を描いた舞台設定にはリアリティを感じる作品だった。

    各所に粗さは感じるが、まあまあの面白さ。

    鍵になるのは尖閣諸島が大昔から日本固有の領土であることを示す古書『冊封使録・羅漢』である。確かに舞台設定にはリアリティを感じたのだが、読み進むと余りにも強大な力を持つ『羅漢』に作品が荒唐無稽に思えて来た。単なる古書を巡り、日本と中国が戦争に発展するような争奪戦を繰り広げるかねぇ。まるでインディ・ジョーンズの聖杯ではないか。

    警察官の姉を失った新聞記者の山本秋奈は姉の死の真相を調査するうちに背後に

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    2018年12月10日
  • 逃げる女

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    ストーリーは面白いと思うけど、私の頭がついていかず途中で登場人物たちの関係性がわからなくなりました。

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    2025年06月04日
  • 逃げる女

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    内容の8割は逃走劇なのはシンプルかつ独創的で良い。女がなぜ逃げていて、目的が何なのかが最後の数ページで明かされる構造になっているが、ストーリーラインや事件の真相も少し地味な印象、読みやすくはあった。

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    2025年05月24日
  • 潔白

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    ネタバレ

    冤罪で死刑だなんて。。
    あっという間に読み終わったけど余韻でぼーっとする。
    真実が明らかになったところで死刑は執行されてしまっているから父親は戻らない。
    でも父親の尊厳のため闘い続ける娘が痛々しかった。

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    2025年03月02日
  • 潔白

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    ジャケ買い。
    冒頭、死刑執行のシーンがすごかった。文章の勢いが凄まじくて、一気に引き込まれた。死刑囚の叫び声と、その後に滴る水の音のコントラストにゾワっと鳥肌が立った。
    映像化に向いてそうな作品だなーと思った!!!

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    2024年04月06日
  • 潔白

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    ネタバレ

    検察や裁判官、権力の闇を垣間見ることができた。

    ただ、小説としてのストーリー性は展開も読めてしまったし、真実を追う記者や弁護士たちの努力の部分は表面的な部分しか描かれてなかったから、あまり深く伝わらなかった。

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    2022年12月11日
  • 潔白

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    ネタバレ

    冤罪で死刑になった父の無念を晴らすため、娘のひかりは死刑執行後に再審を起こす。検察、警察側は一丸となって間違って無罪の人間を裁いたことを認めようとしない
    あらゆる証拠を集め徹底的に戦うひかりと弁護士と新聞記者たち
    やっと勝ち取った灰色の無罪
    そして真犯人が現れる
    2度驚く話2020/02/15 18:57

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    2021年09月20日
  • 潔白

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    冤罪を巡り、検察/司法vs.遺族が死命を掛けた攻防を繰り広げる。フィクションとノンフィクションの狭間にある、ギリギリのラインでの展開が面白い。
    真犯人は意図的に分かりやすくしているのか、全体の筋は分かりやすい、というか想定通りに運ぶので、するすると読める。
    娯楽小説としては★4でも良いと思うけれど、登場人物がすべて型通りというか、テーマの重さに対して軽く、深みが感じられず、感情移入できずに終わった点が残念。
    特に、ひかりのキャラがコロコロ変わり過ぎて、雑な描写が目立った。
    冤罪事件、DNA鑑定の瑕疵を読むなら、清水潔『殺人犯はそこにいる』の併読を強くおすすめする。非常に優れたノンフィクションで

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    2021年08月20日