青木俊のレビュー一覧

  • 逃げる女

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    ネタバレ

    ジャーナリスト名倉高史殺人事件の被疑者とされた久野麻美が、その運の良さと度胸と頭の回転の早さでひたすら警察の追跡を逃れ続けるのが前半のお話です。前半は久野麻美がただ逃げるシーンが続くので、そこまで物語に夢中にはなれませんでしたが、面白くなるのは第4章あたりからです。新米刑事の溝口直子がいい着眼点を持っているのと、生方刑事の指示のもと地道に捜査を続けていき、徐々に冒頭の轢殺事件と名倉、久野麻美、後に出てくる元刑事の桐山茂との関係が明らかになっていくので、頁を捲る手が止まらなくなります。

    最後の方で轢殺事件や殺人事件の全体像が見えてくると同時に、久野麻美も言っていた「人間は醜い。誰だって自分が一

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    2025年11月03日
  • 潔白

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    ネタバレ

    父親が絞首刑になったシーンの後、娘がネズミを水没させるシーンが重なり、重い気持ちからのスタート。
    組織の一員として真実の追求ではなく、保身に走る検察官も生々しくてリアル。
    裁判官、検察官、警察は国民の味方ではなく国家権力にすぎないという切り口。

    ラストには畳み掛けるように次々と新事実が発覚して、どんどん惹き込まれた。
    真犯人の伏線回収も見事だった。

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    2025年10月21日
  • 潔白

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    ネタバレ

    読み応えのある大変良い本だった。
    全く身に覚えのないことで死刑とかゾッとする。

    ひかりと葦沢のやりとりを微笑ましく読んでいたので、ひかりにはこれから幸せに生きてほしい。

    読みながら、それなら真犯人は江藤の優秀な兄弟の方か?と思ったけど全然違った笑
    あの人であってほしくなかったな…きついな。

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    2025年08月30日
  • 潔白

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    ネタバレ

    冒頭から結末まで引き込まれっぱなしでとても面白かったです。とにかく先が気になって仕方がありませんでした。先程読み終わりましたが、余韻がすごいです。

    自己の保身と組織を守る為に、人はここまで非情になれるものなのでしょうか。他の方もレビューに書いていらっしゃいましたが、ホラーより怖いお話だと思います。冤罪によって無辜の人間の命や人生が、その家族の平穏な生活が無残にも砕け散ってしまうのですから。

    それにしても、途中で何度も挫けそうになりながらも最後まで戦い続けた三村ひかりさんと、それを支援し続けた森田弁護士、葦沢さん、江藤さんがとても魅力的でした。とても読み応えのある作品でした。青木さんの他の作

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    2025年06月06日
  • 潔白

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    青木俊さんの小説3冊コンプ。裁判で国家権力による四面楚歌は絶対あってはならない!!毎回勉強になるのと主役の女性が良い女。次回作が楽しみ。

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    2025年04月14日
  • 潔白

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    読み始めたら止まらない。タイトル通り潔白で冤罪なんだけど、そうと結審するまでがとにかく長くて。ひかりや家族の気持ちを考えたらどんな苦しい時間を過ごしてきたか、、辛すぎる。
    社会のためから組織のための検事に変わってしまっていた高瀬がこれからどう動くのかや、心情の変化も感じて、いつどんでん返し来る?とうずうずした。
    最後の真実にはあぁやっぱりかとは感じたけど、騙し騙され私もまんまと騙されてたなと思った。
    見ていないことを証明するって本当に難しいと思う。それを身を持って実感したから言えるけど、犯人が分かってても証拠が絶対で、証拠をつかむって本当に難しい。
    ひかりのお父さんが無罪で死刑になってしまった

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    2025年04月09日
  • 消された文書

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    ノンフィクションの部分で勉強させてもらい豊富なネタのフィクションで壮大な物語を楽しませていただきました。二作目だけど〆が良き。解説も良かった。

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    2025年04月07日
  • 逃げる女

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    非常に良かった!女が逃亡するだけの話かと思いきや。逃亡の事情や登場人物が魅力的で夢中になって一気読み。ワッパをかけた場面と猫ちゃんの場面は泣いた。

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    2025年03月29日
  • 逃げる女

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    ん〜、一般人にはわからない深い闇があるんだな…と思いました。絶対開けてはいけないパンドラの箱、というか、絶対踏んではいけない虎の尻尾みたいな話で、夢中に読んでました。

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    2024年08月09日
  • 潔白

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    既に死刑執行済みの事件の再審請求を巡るお話
    冤罪で死刑にされた可能性が合った場合、検察、裁判所、警察はどういう方針で動くのか?を描いた作品

    実際の事件(飯塚事件)を元にしており、その事件をテーマにしたノンフィクション「殺人犯はそこにいる―隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件―」は、とある書店が表紙を隠して「文庫X」として売り出したのも有名

    以下、公式のあらすじ
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    真実は、ただひとつ。

    偽造、隠蔽、証拠の廃棄……
    こんな非道が国家のやり口か!?
    司法権力に、個人は抗えるかーー骨太ミステリ小説。

    札幌地検に激震が走った。
    30年前に小樽で発生

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    2024年02月27日
  • 潔白

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    面白すぎて1日で読んでしまった。前半をメインに占める主人公的存在が、正義感みなぎる人間ではなく、むしろ葛藤しながら動く検察側というのも面白い。最後まで犯人が想像できなかった。

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    2024年02月24日
  • 潔白

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    30年間も無実の罪で死刑にされた父親の潔白をはらそうと奮闘する娘の強さに心打たれた。
    フィクションながら日本の法曹界はここまで正義が死んでいるのかと絶望感。
    正義よりみんな自分の保身ばかり。
    刑事や検事や裁判官になりたての頃は正義のためにと思っていたはずなのに、組織がそうさせるのか。
    裁判官によって判決が全然違ってくるなんて信じられないが、裁判官だって人間だからまぁあり得る話だろうな。
    最後の方は真実はどうなのか、結末が知りたくて寝るのを忘れて読み切った!
    読み応えあった!

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    2022年09月29日
  • 潔白

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    ネタバレ

    私水谷豊のドラマ見てから(大昔の)無罪で死刑になるのが怖かった。日々の行いさえよければ誰か助けてくれると思って生きてきたけどこの主人公のお父さん、悪いことしていないのに死刑になっちゃった。最後の真犯人はなくても良かったな。フランス行きなさいは安易だなって思ってた。

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    2022年09月25日
  • 潔白

    ネタバレ 購入済み

    スカッとした

    執行されてしまった死刑囚の娘が父の潔白を証明するための戦い。法治国家の威信をかけた検察、警察、裁判所という司法の手による偽造、隠蔽、証拠の廃棄・・・国家のもつ強大な司法権にはたして個人は抗することができるのか。
    大丈夫、スカッとできました。

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    2022年04月29日
  • 潔白

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    冤罪死刑と、その後を描いたストーリー。
    終始飽きることなく読破できた。最後の意外性もあって非常に読み応えがあった。

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    2022年02月17日
  • 潔白

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    死刑に追いやられた父の免罪を晴らしたい娘
    vs
    絶対に自分達の判決を覆したくない国家権力
    まず冒頭の処刑シーンが鬼気迫る迫力で、一気に惹き込まれる
    絶望的な力の前に孤独に立ち向かう心強き者
    そこに集っていく仲間達
    一丸となって判決の矛盾点、真犯人の可能性を探り出していく
    それに対して余りにも卑怯な手口でやり込めようとする司法
    明確な正義と悪の構図が、その形勢が二転三転としていく展開がまるでドラマを観ているようで熱い
    頑張れ負けるなとひかりを応援したくなる
    免罪死刑 自分の身にも絶対に降りかからないとは言い切れないのが恐ろしい

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    2021年07月05日
  • 潔白

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    恐ろしい。
    『犯罪』や『事件』とは無縁の感覚があるが、突然巻き込まれてしまうこともあるのだと恐ろしいさを感じました。『冤罪』をテーマにした作品は、いつも胸が苦しくなります。

    今は、自分の思いや考えを手軽に全世界に発信出来やすくなりました。素敵な事や良い事は沢山ありますが、苦しみや辛さを生み出す事も沢山あると思います。
    そのなかで、本当に伝えたい事や知って欲しい事がある人の声は届いているのでしょうか。
    私は『言った者勝ち』の面が強くなってるように感じます。

    この小説の登場人物の一人、ひかりの言葉が「届け!!届け!!」と思いながら、ラストまで読み進めました。

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    2025年04月22日
  • 潔白

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    「ーこの国は、父を2度殺したわ」

    何の罪もない父親を殺された娘が放ったこの言葉が頭から離れない。

    1度目は強引な死刑判決に。
    2度目は最後まで不正を認めようとしないその姿勢に。

    話は生々しい死刑執行の瞬間から始まる。
     
    衝撃的なお話だった。

    途中、何度も、「本当にフィクション?」と思いながら読んだ。

    著者が報道関係の仕事に長い間務めていた事やジャーナリスト、弁護士などの取材をもとに作成されている事からもある程度事実に基づいているのだと思う。

    実際の冤罪事件でもこういう事が起こってきたのだと思うととてもやるせない。

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    2024年12月20日
  • 潔白

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    冤罪死刑の話

    執行されるのが早すぎたのはただただ運が悪かっただけ。だからこその真犯人の苦悩も感じられた。
    現在もある冤罪の再審請求、今までより関心をもてた。
    ドラマ化してほしいな。

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    2024年08月25日
  • 逃げる女

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    青木俊『逃げる女』小学館文庫。

    殺人事件の容疑者となった女性の逃走劇とその女性に翻弄されながら追跡を続ける北海道警察の執念の捜査を描いたサスペンス小説。

    プロローグに描かれた19年前に起きた母子轢逃げ死亡事件と殺人事件の容疑者となって逃走を続ける女性の関係は……

    想像を絶する事件の真相には驚いたが、どうにも納得出来ない。確かにこの日本にはこの真相と同じような事件はあるだろうが、そこに辿り着くまでの過程が役不足というか陳腐に感じるのだ。ストレートにこの真相だけをクローズアップした小説に仕立ててくれた方が腹落ちしたように思うのだが。

    2023年の秋、北海道警察捜査一課の生方吾郎は札幌市の葬

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    2024年08月20日