高田かやのレビュー一覧
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どんな理念や宗教もそうだろうが、最初の志は高くとも人が集まればルールが増え、世間とは常識がずれていってしまう。それがカルトというものだ。
所有のない社会を目指し自給自足の共同体で生まれ育った著者。
子供は明るく素直で元気でいなければならない社会において、そうなるつもりもない頑固さと意思の強さはご両親譲りだった模様。
きっと著者はどんな育ち方をしても自分をきちんと持った人物になったのではないだろうか。
子供は育った世界が基準になる。幼少期は楽しいこともたくさんあった、というのは良かった。
それにしても、ご両親共に大学生時代に退学して村へ入ることを決めたそうだ。
その親御さんたちからしてみればたまったものではないだろうな。
この年になってみると、あの年代の世間知らずさと純粋さが危なっかしいことがよくわかる。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ本書は「カルト村」のシリーズ最終巻として刊行されたものです。
この著者独特の、物腰柔らかなのにこの上なく自我と意志の強さが漂い、淡々としているのに子細で赤裸々な語り口は本書でも健在です。
今回は、カルト村は著者の幼少期は村外の一般社会の文化も自然に共存していたものの、ある時期から子供たちを厳しく管理するタイプの世話役が送り込まれ、外の文化の遮断も急速に進んだという話が語られていました。
ただ、あくまで子供の目線での記憶(詳細な記憶力に驚かされます)に基づいて語られているので、「なぜそうなったのか?」の追究には至っていないのが残念です。
せっかくご両親の入村のきっかけや結婚の経緯なども語られていたので、あの村の運営で、実際にその時期何が起きていたのか? という大人の視点での歴史解説があればもっと良かったのに、という隔靴掻痒な感が否めません。
ただ、そうすると本当に「告発」になってしまい、それは著者の意図する所ではないため、そういう構成にはしていないのだろう、と推測しています。
また、声高に語られていないからこそ、特に関係に問題のない親子を強制的に隔離し、兄弟同士でも共に過ごせず距離を埋められない状況にすることの怖さがひしひしと感じられ、ぞっとしたのも確かです。著者の実父はかろうじて肉親との交流を保ち続けていますが、親族や故郷との関係を破壊し尽くした上で入村した実母はそうではなく、子供世代である著者も未だに正式には親族に受け入れられないというエピソードも然りです。
読後に心にずしりと重いものが残される一冊でした。 -
購入済み
面白かったです
カルト村シリーズは全部読ませていただきました。私はこのカルト村には怖いイメージしか持っていなかったのですが、作者の漫画でカルト村の一面を知れました。やっぱりカルト村には関わりたくはないけど、かやさんの様な才能が開花したのはカルト村のおかげなんでしょうか。
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育った環境によって著者が形成されていったと考えると、著者が育った環境は、自然豊かで今はやりのSDGs的で悪くない環境だったのではないかと思う。
著者は「ここは私がいる場所じゃない」と判断したわけですが、別の場所に行くのではなく、場所の中身を変えていくという選択肢もあった。
どうやら、世話係の人の裁量による落差が激しいようにも思われたが、世話係も組織の上層部から何がしかの束縛があるのだろう。
ただ、日本のみならず海外にも支部があり、自給自足に近い暮らし、お金の心配をしない暮らしがあるわけで、著者が違和感を持った部分、住んでいる人がおかしいと思った部分を少しずつ変えていくことで、住みよい村になっていく可能性があるのかな、と思った。
最後に、「カルト村」という名前はどうかと思う。商業的すぎる。
払ってもいい金額:800円 -
Posted by ブクログ
原始共産主義的な社会を目指すカルト団体、ヤマギシ会で育った女性の自伝的エッセイ漫画。子供時代から村を出るまでの事が描かれている。
この漫画に共感する人がたくさんいるのは、村の批判をするでもなく、悲惨さを訴えるでもなく、著者が子供目線で村での思い出を素朴に描いているからだと思う。子供らしさ満開で面白いんだけど、心にチクチク刺さる場面がたくさんある。
教育は中学校までで、本は村セレクトのもの以外禁止、子供も朝から労働でちゃんとしたお休みは無し、お給料も無し、結婚は村で決められた10歳くらい離れた人とする。
こんな状況でも、外部の人間が想像するのと村で住んでいる人の気持ちは結構違うみたいで、村の批判がされ始めたとき、「世間が言うほどうちら悲惨じゃないよね」とう感想や「批判をネタにして遊んでいた」という話は、内部の人の証言として貴重な気がする。
同じヤマギシ会を扱ったルポの『洗脳の楽園―ヤマギシ会という悲劇』を随分前に読んでいて、その中で精神科医の斎藤環氏が言っていた、「痛みの欠如」という話がとても印象に残っている。
宗教やら思想やらを熱心に信じて、それを実践している人が、痛みを分からなくなってしまっているという話(だったような気がする)
多分これはそういう話で、理想とか正しさとか色々あるんだろうけど、人間ってそれだけじゃ無くて、色んなもんから出来てるんだよという事だと思う。 -
Posted by ブクログ
著者と夫のふさおさんが、車であちこち旅行しておいしいものを食べ歩くコミックエッセイ。
どこまでも車で行ってしまうのにびっくり。
東京から青森、佐賀までも。それも運転するのはふさおさんお一人。すごい。
家庭内免停(!)のかやさんは、計画を立ててお弁当作って、分担制になってるもよう。
倹約家と言いつつ、旅先でおいしいものを食べ歩き、メリハリのついた旅は好感度高い。
佐賀の嬉野温泉の湯豆腐を食べてみたい!
あとがきによると、本当に一番描きたかったのはこういう旅のコミックエッセイだけど、世の中に溢れているので、まず、自分の出自から描いた・とのこと。その戦略は当たってる。
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Posted by ブクログ
12ヶ月それぞれの旬の美味しいものが盛りだくさんの旅はどれも本当に美味しそうだった。
車だからこその自由度や荷物の工夫、現地の美味しいものを購入しての素泊まりやお弁当持参のお花見。
節約しつつ、美味しいもの・いいものにはお金を惜しまないメリハリがまた良かった。
前作のお金のエッセイ漫画から面白そうな旅をしていそうだと思っていので、旅がテーマの本をが出ることを楽しみにしていた。
著者自身もカルト村の生い立ちではなくこちらが本来やりたい題材だったらしい。でもあの育ちがあったからこその価値観なども現れていたので、一連の作品を読めてよかったと思う。
お互いの好みや得意分野が違い、それぞれの楽しみ方やふたりならではの楽しみ方がとても良い。
まだまだ美味しいものリストを持っていそうなので、ぜひシリーズ化して欲しい。 -
購入済み
旅に出かけたくなります
高田さんの作品は、いつも丁寧に描かれていて読みやすいです。季節ごとに色んな所に出かけていて、参考になります。食べ物が美味しそうです。白黒なのが残念です。カラーなら☆5つです!