渡辺守章のレビュー一覧

  • シラノ・ド・ベルジュラック

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    全5幕で構成される戯曲。
    舞台エドモンを観劇するための課題図書として読んだけど、4幕の戦いの臨場感ったら!恋に生きるロクサーヌの行動力に憧れる。おもしろかった。解説を読んだら再読しよう。

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    2025年05月22日
  • シラノ・ド・ベルジュラック

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    舞台も映画も見た事があったけど、スクリプトを本で読んだのは初めて。まったく違う経験。
    そして、文字だとより深く染み入る。素晴らしい。
    1897年の作品なのに、その台詞の息吹はいまもなお瑞々しい。後の全ての舞台、映画脚本のモデルになっているのだろう。特に思い起こすのは寅さんで、映画の中の筋書きは完全にシラノだ。

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    2019年01月17日
  • 性の歴史I 知への意志

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    フーコーは、死の直前に「性の歴史」の第2巻と3巻を発表し、最終巻の「肉の告白」の完成を目前にしてそれを果たせずになくなってしまった。その原稿は、「開けてはならない」箱に保存されたのだが、フーコーの死後十分な時間がたったということか、今年、ついに発表された。

    ということは、近いうちにその翻訳版がでるに違いないので、そこに向けて、1巻を再読し、長年読もうと思いつつ、読んでなかった「性の歴史」の2〜3巻を読むことにした。

    さて、その第1巻「知への意思」は、1976年に発表されていたのだが、翻訳版は1986年とかなり遅れている。

    当時、待望の翻訳みたいな感じで、わたしも読んだ。

    そのときの印象

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    2018年12月21日
  • アガタ/声

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    ネタバレ

    〝アガタ〟という名の少女と、その兄との関係性の遍歴。あの夏の日。繰り返し離れようと、けして離れられなかった二人のお話し。

    自分を捨てて新しい女ともうすぐ結婚する男に、最後の電話を掛ける。一人芝居。そして電話の切れた後。

    戯曲を読むのは初めてだと思う。イメージの奔走を追いかけるような、感覚の背びれに捕まってすごい速度で読み切った本。
    これを下敷きにお話しを書くのも楽しそう。

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    2016年10月25日
  • 性の歴史I 知への意志

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    生権力の概念をコンパクトに展開した章が白眉。史料考証は抑えてあるものの、フーコーの統治性論のエッセンスが示されてある。同氏の70年代後半のコレージュドフランスと合わせて読むことで、綿密な考証と概念枠組みの素描が一体となり、非常に重要な著作群であることが認知されてくる。

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    2015年12月26日
  • シラノ・ド・ベルジュラック

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    シラノは詩人で軍人、敵をわんさか作ってしまうけど、心優しい剣士。
    しかし、彼の鼻は大きく醜い。それを気にして、秘かな想い人・ロクサーヌにも想いを告げられずにいた。そこに、ロクサーヌに恋した美青年・クリスチャンが現れ、彼の恋が成就するよう尽くすのだが…

    台本のような本で、読んでて楽しい。舞台を観ている感覚!
    内容もかなり好き。シラノが決闘しながら、バラードを作るとこ、後は何と言っても最後のシーン‼︎
    空元気でロクサーヌを訪れるシラノ。そこで、最後の手紙を読む。
    「そのお声は…」
    「そのお声は!」

    洒落てる。
    1世紀前の人にも人気があった『シラノ』。今でも通じる面白さって、凄い。

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    2014年05月12日
  • シラノ・ド・ベルジュラック

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    意訳が多くあれこれ弄りすぎているので、他の版で読んだ方には違和感が、注釈で平気な顔してネタバレをしているので初めての方には興ざめの可能性があります。何かと訳者の方ががんばりすぎている翻訳です。ただしそのかいがあって詳しくなくても楽しめ、何より台詞回しが粋。内容も「男はつらいよ」的な感覚で、あれをフランス人が作るとこうなるのかな? と思わせるグルーヴ感があります。容姿のコンプレックスが原因で自ら忍ぶ恋を強いるシラノの姿は共感や好感を呼ぶでしょう。舞台は外国ですがとっても日本人向きの泣けるお話だと思います。

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    2013年03月25日
  • シラノ・ド・ベルジュラック

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    才気に満ちあふれたシラノ(主人公)がバッドエンドを迎えるのが不思議。

    舞台をそのまま小説にしているからか歯の浮くような台詞が目立つけど、僕はそこが好きです。きれいな言葉を普段から使っていきたいなー。

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    2013年03月05日
  • 性の歴史I 知への意志

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    一つの社会における、権力と快楽と知は、いかにして関係するか――。


    性とはそもそも、秘すべきものとしてはじめからあったのではなく、たとえばカトリック教会における告白の要請など、「制度」が性について語ることを煽動したことによって、語る=暴くために隠すようになった。
    いわば、制度の必要に伴う変化だったのである。

    「18世紀以来、性は絶えず全般的な言説的異常興奮とでも呼ぶべきものを惹き起こしてきた。しかも性についてのこれらの言説が増大したのは、権力の外で、あるいは権力に逆らってではなかった。それはまさに権力が行使されている場所で、その行使の手段として、なのであった。」(P.43)


    我々の、性

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    2012年03月18日
  • シラノ・ド・ベルジュラック

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    映画『愛しのロクサーヌ』を見て気に入り、この作品が元ネタということで購入。

    頭が良く、勇敢なシラノ。しかし、その大鼻のために、愛するロクサーヌに愛を伝えることが出来ない。
    そのうち、美男子クリスチャンとロクサーヌは惹かれあって、シラノはクリスチャンを応援するために彼の代わりに愛を語り、戦火の中手紙まで代筆する。

    どこまでも、まっすぐにロクサーヌを愛するシラノ。
    最後まで愛する彼女の唇に口づけすることのできない彼は、哀しく美しい。

    ロクサーヌが、手紙の送り主はシラノだと気づくやりとりは素晴らしく、思わずため息が出ました。

    ただ、ロクサーヌに強い個性がなく、ただ美しい言葉、容姿に惑わされる

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    2011年09月29日
  • シラノ・ド・ベルジュラック

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    慣れない形式、慣れない時代設定だったけどとても読みやすく、長台詞も読んでて気持ちいい。構成も隙がなく、第五幕が圧巻だった。

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    2010年08月17日
  • 性の歴史I 知への意志

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    めも)

    p96 一般的に認められている抑圧という事態や、また、我々が知っていると想定するものを基準に計られた無知から出発するのではなく、知を産出し、言説を増加させ、快楽を誘導し、権力を発生させるこれらの積極的なメカニズムから出発し、これらのメカニズムがどのような条件において出現し、機能するのかを追い、これらのメカニズムとの関係で、それと不可分の禁止や隠蔽の事実が如何に分配させるのかを探求しなければならぬ。一言で言えば、このような知への意志に本来的に内在する権力の戦略というものを定義すること。…

    p119  権力という語によってまず理解すべきだと思われるのは、無数の力関係であり、それらが行使

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    2010年07月14日
  • シラノ・ド・ベルジュラック

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    男はハートだ!

    外見は醜いかもしれないけれど、なんと高貴な心を
    お持ちなのでしょう。無償の愛というテーマには弱いので
    心にズキュンと響きました。

    シラノやロクサーヌのことを想うと特に最後は涙なしでは
    読めません。読後は感動のあまりしばし呆然とした程。

    初めて読みましたがリズムがあって巧く訳されていると
    思いました。この作品はいつか生で観て耳と目で愉しみたい。

    光文社古典新訳文庫には心くすぐられるタイトルがちらほらあるので今後も要チェックです。

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    2009年10月07日
  • シラノ・ド・ベルジュラック

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    台詞の表記の仕方が独特ではじめは慣れませんでしたが、50ページほど読むと慣れてきて、リズム感が心地よくなってきました。
    内容は笑えるところあり、切ないところあり、とテンポがいいです。ラストは感動的。
    ぜひ読んでほしいです。特に自分に自信の持てない才能ある男性の方に。

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    2009年10月04日
  • 性の歴史I 知への意志

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     フーコー。最高。性の歴史第一巻。感動した。こんな天才になりたい。また、邦訳が最高。できればフーコー全部この人に翻訳してもらいたいと思った。でも二巻から違うんだよね。。こんなに美しい本を初めて読んだような気がする。2008.4.30-3(4d).

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    2009年10月07日
  • 性の歴史I 知への意志

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    凄かったなぁ。
    私達は性にまつわる言説が抑圧されているとばかり思ってきたけど、実際はむしろその逆で、人間を生きながらえさせ自らを増殖させる「生権力」により言説が煽動されているらしい。抑圧言説は性的欲望装置の域を出ないという指摘にギクリ。
    知と権力と欲望は、リゾーム状に複雑に絡み合い、現実世界で機能しているのであり、支配-被支配という単純な二項対立で世界が成立しているわけではないのである。その他人口の概念なども興味深い。5章の血と性的欲望の話は、サドやバタイユへのクリティカルな批判となっており、すごい。

    ここまで読んでフーコーがどういう生き方を目指しているのか気になった。

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    2024年06月17日
  • 性の歴史I 知への意志

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    性の歴史Ⅳの『肉の告白』が出版されたこともあり、性の歴史を改めて読むことにした。先日亡くなった渡辺守章先生の訳書でもあり、その点でも感慨深い。
    渡辺守章先生も訳者あとがきで言及されているように、フーコーが明らかにしようとしている性をめぐる言説が、ドゥルーズ=ガタリの『アンチ・オイディプス』を意識していることが伺えるし、リゾームのような形態をとっているのだということも理解できる。
    このフーコーの言説をどのように現代社会に活かすのか、アクチュアリティを持たせるのかは現代を生きる我々の課題なのだと思う。

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    2022年01月02日
  • シラノ・ド・ベルジュラック

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    ネタバレ

     前から気になっていた本。
     初めてのフランス劇。シェイクスピアに慣れているので、最初の群衆劇に「一体どう始まるのか??」と不安になりながらも、言葉の選び方・翻訳の仕方はシェイクスピアに負けず劣らず。
     若干のネタバレをしていたので、シラノの態度(あるいはツンデレにも見えるような?!)に悲しみを持ってしまった。報われないのにそばにいるって言わないけど素敵だな。
     

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    2020年12月13日
  • シラノ・ド・ベルジュラック

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    舞台観劇後改めて戯曲読む。シラノがタイトルロールだが、クリスチャンの苦悩も実はしっかり描かれている。現代アレンジでも見てみたい名作。

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    2020年12月13日
  • アガタ/声

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    『アガタ』はお互いに性愛を抱いている兄と妹が過去の思い出を互いに語り合う話し。
    打ちのめされたような優しさをもって語り合うという序文が印象的。
    『声』は女性が殺人のあったような部屋の中で電話向こうの男性と別れ話をする独白。女優は絶えず血を流し次第に血を失っていく、足を引きずる獣のように、最後は血の充満した部屋の中で芝居が終わると、鮮烈なイメージが的確。評価されるだけあるという印象。実際に芝居を見ればより素晴らしい感動が得られるだろう。

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    2020年11月19日