渡辺守章のレビュー一覧

  • シラノ・ド・ベルジュラック

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    即興で素晴らしい詩を詠み、音楽家として美しい歌を披露、熱血漢な剣客でもある知的で多才なシラノ・ド・ベルジュラック。しかし唯一特徴的な鼻が災いして恋には後ろ向きな男性でもある。シラノは従妹ロクサーヌに想いを寄せているが、ロクサーヌが容姿端麗なクリスチャンに心奪われていることを知り、ロクサーヌとクリスチャンの恋がうまくいくようとことん脇役に徹する――。

    シラノというキャラクターに惹かれる理由は、日本の古き良き武士道のような気風を感じるせいかもしれません。表向きは豪気に振舞いながらも、心のなかでは不器用なほど素直でまっすぐな想いを抱えている。自分の心を偽り、男女の恋の成就に尽力する。彼女の喜ぶ顔が

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    2018年02月20日
  • シラノ・ド・ベルジュラック

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    内容は現代の感覚に通じるモノが多く文句なしに面白い。訳文も十分に実演に耐えられるものだ。光文社の「新訳」の中でも成功例に入ると思う。ただ注が不必要なぐらいに饒舌で「これは~への複線」とネタばらしまでするのはどうか?という疑問だけが残る。

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    2016年11月04日
  • アガタ/声

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    男女2人しかいない、しかもあまり動きのない劇の「アガタ」と女優が独りで電話をしている「声」の2篇。「アガタ」を朝読み、「声」を夜読んだ。どちらも実際の舞台で観ないとよくわからない。けれども教会の鐘や寺の鐘が鳴り止んでもいつまでも耳の中で鳴っている気がするように読み終わってからも電話で話す「声」が聞こえてくる気がするし、寄せては返す波のように「アガタ」の男女の呼びかけがリフレインする。昔、国語の教科書にあった、上田敏の訳詩「私の耳は貝の耳/海の響きを懐かしむ」という詩を思い出した。コクトーの詩だったかな?

    共通するのは濃密な時と過ぎ去った過去。悲劇の予感。

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    2014年04月17日
  • アガタ/声

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    戯曲は登場人物のモノローグがないからセリフと間で行間を読むことができて想像力が掻き立てられる。デュラス『アガタ』は、白い水着に付着した血液のエロティシズムがなんかいいと思った。結局これが二人が思い描いたフィクションなのか、事実なのかふわふわしてるのでぜひ舞台で見てみたい。コクトー『声』は電話を掛けている相手の会話は何も分からず、・・・・・で片方の会話だけから展開を読んでいく非常に面白い作品。・・・・・の向こうを想像して読むとまた楽しい。女が破滅していくのが女の会話だけでわかるのが凄い。2012/223

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    2013年11月17日
  • 性の歴史I 知への意志

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    そういえばフーコーを読んでいなかったということに(今更)気づき、慌てて読んでみた次第。

    権力というのは最近の関心ごとの一つなのだけど、それを描写する際に性に着目したのはかなり慧眼だったのではないのかという印象を読んでいてもった。性と現代の宗教を権力という観点から比較してみたい。

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    2013年01月07日
  • 性の歴史I 知への意志

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    【2011年_11冊目】

    生きることって,性に関することなのか.よりよく生きたい=よりよく性活動をしたい.自由じゃない性活動とともによりよく生きることは本当に不可能なのか.児童買春を人権侵害だと言ってるのも,作られた見方?当たり前だと思ってたけど,そういうこと?フーコーさん.もう頭ボヤボヤ.

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    2011年11月17日
  • シラノ・ド・ベルジュラック

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    臆病な自尊心と尊大な羞恥心という言葉を思い出した
    読後感は結構さっぱりしていると思うが、とにかく言い回しがすごいとしかいいようがないので、物語には引き込まれる

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    2011年08月09日
  • シラノ・ド・ベルジュラック

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    『素晴らしき日々』から来てしまいスミマセン(挨拶)。
     上記の通り、ゲームにインスパイア(とか言ってみる)されて読み始めました。初めて読む形式で、最初は面食らいましたが慣れてきた頃には物語にすっかり引き込まれていました。台詞回しがいちいち粋で、なるほどこれは惚れる。
     当時の戯曲などのパロディが多いらしく、しかも注釈読んでも分からんという('A`)

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    2011年11月10日
  • シラノ・ド・ベルジュラック

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    キャラメルボックスの次回作。
    読み始めはとても読み辛かった。
    途中、気付いたら、シラノを阿部丈二さん、クリスチャンを多田直人さんに置き換えて読んでた。
    面白い所も有るけど、シラノの気持ちがとても切なくて最後は泣いてしまった。
    シラノ役はとても難しそうなので、丈二さんがどのような演技を見せてくれるかとても楽しみです。

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    2010年07月25日
  • シラノ・ド・ベルジュラック

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    顔が醜い?それが何だってんだ!男は魂で決まるんだ!!

    かっこいいなーシラノは。貴方の心意気に惚れてしまうぜ

    テンポ良く読めるし是非お勧めしたい。

    モン・パナッシュ!!

    光文社古典新訳文庫シリーズ今後も色々読みたくなった

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    2010年04月17日
  • 性の歴史I 知への意志

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    いや知恵熱しか出なかった。
    最後の一文でさらに「う〜ん」となってしまった。
    フーコーの入門書読んで再読します。

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    2022年02月10日
  • シラノ・ド・ベルジュラック

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    ネタバレ

    少し文体が独特なため
    初めて戯曲を読む人には
    お勧めはできないかな、という感じです。
    中身は面白いですよ。

    たといシラノのように
    腕が立ち、立派な人間にすら
    弱さがあるのです。
    それは「醜いほどの鼻」だったのです。

    シラノは従妹のロクサーヌに恋心を
    抱いていたのです。
    ですがそのコンプレックスゆえに…

    それは、彼の言葉を借りた青年によって
    見事成就はするものの
    その青年も死んでしまうのです。

    なんと言うか、悲しいです。
    少しの本当の勇気がシラノにあれば
    よかったのに…

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    2015年11月11日
  • シラノ・ド・ベルジュラック

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    分厚さと注釈の多さにめげそうになった。テンポが良いのでなんとか読めた。舞台で見たら楽しいんだろうなぁ。“鼻”って文学における重要なファクターになってることが多い感じ。2012/229

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    2013年11月17日
  • シラノ・ド・ベルジュラック

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    ネタバレ

    戯曲・脚本形式はあまり慣れなくて最初はとても読みづらかったのだけど、読み進める内に詩の形を取った言葉の応酬が小気味良く感じられる。

    シラノはもちろんのことクリスチャンも高潔な魂の持ち主であることは疑いようがなく、彼らの三角関係は悲劇となるのだけれども、その最後は粋な男の生き様を示すもので胸がスカっとするのだった。

    シラノがべらんめぇな江戸っ子口調であるのは訳の結果そうなったのだろうが、実に上手くハマっていたように感じた。

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    2013年08月11日
  • シラノ・ド・ベルジュラック

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    衒いの無い清純で典型的な筋書きの物語であること、そして読む側にアイロニーの構えを要求しないこと。これが古典の要件ではないだろうか。或いは、古典という金看板が無ければ、もはやアイロニー抜きで純粋に物語を愉しむことができなくなっている、そういう状況なのかもしれない。

    "俺たちはな、ただ名前ばかりがシャボン玉のように
    膨らんだ、夢幻の恋人に恋い焦がれている。"

    片想いの巧みな表現。

    "恋する時は、才気など、わたしはいらぬ。
    そんな才気の遣り取りに現を抜かす、許せない罪だ!
    それにいつかは必ず、その時が来る、
    ――それを知らずに終わる奴は、哀れとしか言

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    2011年03月27日
  • シラノ・ド・ベルジュラック

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    ケロQの『素晴らしき日々〜不連続存在〜』の影響で衝動買い。
    劇の台本のような体裁。ページ数の割に文字数はそれほど多くない。
    詩のおもしろさがわかるようになればさらに楽しめる気がする。

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    2011年02月22日
  • 性の歴史I 知への意志

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    大学の授業テキスト。今後フーコー以上の思想家が出てくることはない、という点で読むべきだと思うけど、難しいです。

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    2009年10月04日