感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2019年01月17日
舞台も映画も見た事があったけど、スクリプトを本で読んだのは初めて。まったく違う経験。
そして、文字だとより深く染み入る。素晴らしい。
1897年の作品なのに、その台詞の息吹はいまもなお瑞々しい。後の全ての舞台、映画脚本のモデルになっているのだろう。特に思い起こすのは寅さんで、映画の中の筋書きは完全に...続きを読むシラノだ。
Posted by ブクログ 2014年05月12日
シラノは詩人で軍人、敵をわんさか作ってしまうけど、心優しい剣士。
しかし、彼の鼻は大きく醜い。それを気にして、秘かな想い人・ロクサーヌにも想いを告げられずにいた。そこに、ロクサーヌに恋した美青年・クリスチャンが現れ、彼の恋が成就するよう尽くすのだが…
台本のような本で、読んでて楽しい。舞台を観てい...続きを読むる感覚!
内容もかなり好き。シラノが決闘しながら、バラードを作るとこ、後は何と言っても最後のシーン‼︎
空元気でロクサーヌを訪れるシラノ。そこで、最後の手紙を読む。
「そのお声は…」
「そのお声は!」
洒落てる。
1世紀前の人にも人気があった『シラノ』。今でも通じる面白さって、凄い。
Posted by ブクログ 2013年03月25日
意訳が多くあれこれ弄りすぎているので、他の版で読んだ方には違和感が、注釈で平気な顔してネタバレをしているので初めての方には興ざめの可能性があります。何かと訳者の方ががんばりすぎている翻訳です。ただしそのかいがあって詳しくなくても楽しめ、何より台詞回しが粋。内容も「男はつらいよ」的な感覚で、あれをフラ...続きを読むンス人が作るとこうなるのかな? と思わせるグルーヴ感があります。容姿のコンプレックスが原因で自ら忍ぶ恋を強いるシラノの姿は共感や好感を呼ぶでしょう。舞台は外国ですがとっても日本人向きの泣けるお話だと思います。
Posted by ブクログ 2013年03月05日
才気に満ちあふれたシラノ(主人公)がバッドエンドを迎えるのが不思議。
舞台をそのまま小説にしているからか歯の浮くような台詞が目立つけど、僕はそこが好きです。きれいな言葉を普段から使っていきたいなー。
Posted by ブクログ 2011年09月29日
映画『愛しのロクサーヌ』を見て気に入り、この作品が元ネタということで購入。
頭が良く、勇敢なシラノ。しかし、その大鼻のために、愛するロクサーヌに愛を伝えることが出来ない。
そのうち、美男子クリスチャンとロクサーヌは惹かれあって、シラノはクリスチャンを応援するために彼の代わりに愛を語り、戦火の中手紙...続きを読むまで代筆する。
どこまでも、まっすぐにロクサーヌを愛するシラノ。
最後まで愛する彼女の唇に口づけすることのできない彼は、哀しく美しい。
ロクサーヌが、手紙の送り主はシラノだと気づくやりとりは素晴らしく、思わずため息が出ました。
ただ、ロクサーヌに強い個性がなく、ただ美しい言葉、容姿に惑わされる「かわいい女」にしか思えませんでした…
Posted by ブクログ 2009年10月07日
男はハートだ!
外見は醜いかもしれないけれど、なんと高貴な心を
お持ちなのでしょう。無償の愛というテーマには弱いので
心にズキュンと響きました。
シラノやロクサーヌのことを想うと特に最後は涙なしでは
読めません。読後は感動のあまりしばし呆然とした程。
初めて読みましたがリズムがあって巧く訳され...続きを読むていると
思いました。この作品はいつか生で観て耳と目で愉しみたい。
光文社古典新訳文庫には心くすぐられるタイトルがちらほらあるので今後も要チェックです。
Posted by ブクログ 2009年10月04日
台詞の表記の仕方が独特ではじめは慣れませんでしたが、50ページほど読むと慣れてきて、リズム感が心地よくなってきました。
内容は笑えるところあり、切ないところあり、とテンポがいいです。ラストは感動的。
ぜひ読んでほしいです。特に自分に自信の持てない才能ある男性の方に。
Posted by ブクログ 2020年12月13日
前から気になっていた本。
初めてのフランス劇。シェイクスピアに慣れているので、最初の群衆劇に「一体どう始まるのか??」と不安になりながらも、言葉の選び方・翻訳の仕方はシェイクスピアに負けず劣らず。
若干のネタバレをしていたので、シラノの態度(あるいはツンデレにも見えるような?!)に悲しみを持っ...続きを読むてしまった。報われないのにそばにいるって言わないけど素敵だな。
Posted by ブクログ 2018年02月20日
即興で素晴らしい詩を詠み、音楽家として美しい歌を披露、熱血漢な剣客でもある知的で多才なシラノ・ド・ベルジュラック。しかし唯一特徴的な鼻が災いして恋には後ろ向きな男性でもある。シラノは従妹ロクサーヌに想いを寄せているが、ロクサーヌが容姿端麗なクリスチャンに心奪われていることを知り、ロクサーヌとクリスチ...続きを読むャンの恋がうまくいくようとことん脇役に徹する――。
シラノというキャラクターに惹かれる理由は、日本の古き良き武士道のような気風を感じるせいかもしれません。表向きは豪気に振舞いながらも、心のなかでは不器用なほど素直でまっすぐな想いを抱えている。自分の心を偽り、男女の恋の成就に尽力する。彼女の喜ぶ顔が見たいから。彼女に幸せを掴んでほしいから。すべては愛するロクサーヌのために。
個人的に「かっこいい男」の代名詞と言えば映画『紅の豚』のポルコ(マルコ)がぶっちぎりの首位なのですが、シラノもまた、ポルコに迫るほどの良い男ぶりを発揮しています。よくよく考えると飛行機を乗り回しパイロットとして他を寄せ付けない腕を持ちながらも、親友への遠慮からジーナとの関係に踏み込めずにいるポルコと本作主人公のシラノは、どこからしら近い気質を感じるのは私だけでしょうか。
戯曲ならではの印象的なフレーズも多く飛び交います。冒頭は注の多さのとっつきにくさも感じましたが、次第に一つの舞台で、客席から出演陣の熱のこもった演技を追っているかのようにストーリーに没頭できました。
今回は光文社版を読みましたが、いつか岩波版も読んで訳の違いを楽しんでみたいです。
Posted by ブクログ 2016年11月04日
内容は現代の感覚に通じるモノが多く文句なしに面白い。訳文も十分に実演に耐えられるものだ。光文社の「新訳」の中でも成功例に入ると思う。ただ注が不必要なぐらいに饒舌で「これは~への複線」とネタばらしまでするのはどうか?という疑問だけが残る。
Posted by ブクログ 2011年08月09日
臆病な自尊心と尊大な羞恥心という言葉を思い出した
読後感は結構さっぱりしていると思うが、とにかく言い回しがすごいとしかいいようがないので、物語には引き込まれる
Posted by ブクログ 2011年11月10日
『素晴らしき日々』から来てしまいスミマセン(挨拶)。
上記の通り、ゲームにインスパイア(とか言ってみる)されて読み始めました。初めて読む形式で、最初は面食らいましたが慣れてきた頃には物語にすっかり引き込まれていました。台詞回しがいちいち粋で、なるほどこれは惚れる。
当時の戯曲などのパロディが多い...続きを読むらしく、しかも注釈読んでも分からんという('A`)
Posted by ブクログ 2010年07月25日
キャラメルボックスの次回作。
読み始めはとても読み辛かった。
途中、気付いたら、シラノを阿部丈二さん、クリスチャンを多田直人さんに置き換えて読んでた。
面白い所も有るけど、シラノの気持ちがとても切なくて最後は泣いてしまった。
シラノ役はとても難しそうなので、丈二さんがどのような演技を見せてくれるかと...続きを読むても楽しみです。
Posted by ブクログ 2010年04月17日
顔が醜い?それが何だってんだ!男は魂で決まるんだ!!
かっこいいなーシラノは。貴方の心意気に惚れてしまうぜ
テンポ良く読めるし是非お勧めしたい。
モン・パナッシュ!!
光文社古典新訳文庫シリーズ今後も色々読みたくなった
Posted by ブクログ 2015年11月11日
少し文体が独特なため
初めて戯曲を読む人には
お勧めはできないかな、という感じです。
中身は面白いですよ。
たといシラノのように
腕が立ち、立派な人間にすら
弱さがあるのです。
それは「醜いほどの鼻」だったのです。
シラノは従妹のロクサーヌに恋心を
抱いていたのです。
ですがそのコンプレックスゆ...続きを読むえに…
それは、彼の言葉を借りた青年によって
見事成就はするものの
その青年も死んでしまうのです。
なんと言うか、悲しいです。
少しの本当の勇気がシラノにあれば
よかったのに…
Posted by ブクログ 2013年08月11日
戯曲・脚本形式はあまり慣れなくて最初はとても読みづらかったのだけど、読み進める内に詩の形を取った言葉の応酬が小気味良く感じられる。
シラノはもちろんのことクリスチャンも高潔な魂の持ち主であることは疑いようがなく、彼らの三角関係は悲劇となるのだけれども、その最後は粋な男の生き様を示すもので胸がスカっ...続きを読むとするのだった。
シラノがべらんめぇな江戸っ子口調であるのは訳の結果そうなったのだろうが、実に上手くハマっていたように感じた。
Posted by ブクログ 2011年03月27日
衒いの無い清純で典型的な筋書きの物語であること、そして読む側にアイロニーの構えを要求しないこと。これが古典の要件ではないだろうか。或いは、古典という金看板が無ければ、もはやアイロニー抜きで純粋に物語を愉しむことができなくなっている、そういう状況なのかもしれない。
"俺たちはな、ただ名前...続きを読むばかりがシャボン玉のように
膨らんだ、夢幻の恋人に恋い焦がれている。"
片想いの巧みな表現。
"恋する時は、才気など、わたしはいらぬ。
そんな才気の遣り取りに現を抜かす、許せない罪だ!
それにいつかは必ず、その時が来る、
――それを知らずに終わる奴は、哀れとしか言いようがないが――
二人のなかに存在する高貴な恋をひしと感じて、
交わす言葉の綾などは、虚しいものだと思い知る時が!"
恋は手練手管でする暇潰しではない。