大川慎太郎のレビュー一覧
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「世代」というと野球で言えば、「まーくん世代」や「ハンカチ世代」、サッカーなら「中田世代」等だろうか。
しかし「羽生世代」はそのどの世代くくりと比べても頭一つ抜きん出ていると思う。
そんな「羽生世代」という質量ともに類まれなる世代を先達・同輩・後進のインタビューを元に構成して解き明かそうという本書。
実に面白かった。
「世代」という言葉で括られる人達は誇らしく思ったり、忸怩たる思いをする人もいるだろう。
ただ、「羽生世代」そしてその前後の世代、誰のインタビューを読んでも相手をリスペクトし、将棋という文化に敬虔を払っていることが分かる。
読んでいて清々しい。
羽生世代は今のコンピューターやA -
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318P
AI将棋とプロ棋士達の本ってこれからのAI社会をどう生きるかみたいなことが詰まっててほんと面白いなと思う。プロ棋士11人のインタビュー本なんだけど、推しの棋士が出来た。
◆羽生善治 : 何の将棋ソフトを使っているかは言いません
◆渡辺 明 : コンピュータと指すためにプロになったのではない
◆勝又清和 : 羽生さんがいきなり負けるのは見たくない
◆西尾 明 : チェス界の現状から読み解く将棋の近未来
◆千田翔太 : 試行錯誤の末に見出した「棋力向上」の道
◆山崎隆之 : 勝負の平等性が薄れた将棋界に感じる寂しさ
◆村山慈明 : 効率を優先させた先にあるものへの不安
◆森 -
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大川 慎太郎
(おおかわ しんたろう)1976年静岡県生まれ。日本大学法学部新聞学科卒業後、出版社勤務を経てフリーに。2006年より将棋界で観戦記者として活動する。著書に、将棋ソフトとの関わりや将棋観について羽生善治や渡辺明ら棋士11人へのロングインタビューを収録した『不屈の棋士』(講談社現代新書)のほか、『将棋・名局の記録』(マイナビ出版)、共著に『一点突破 岩手高校将棋部の勝負哲学』(ポプラ社)がある。
証言 羽生世代 (講談社現代新書)
by 大川慎太郎
棋士は、勝負師と研究者と芸術家の三つの顔が必要です。普段は将棋の真理を追究する研究者で、対局の序・中盤はファンを魅了する -
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野球で非常に高い実績を残した選手が特に多い「松坂世代」という1980年生まれの世代があるように、棋界にも異常に強い棋士が集中している年代があり、それが1970年生まれの「羽生世代」です。羽生善治氏をはじめ、佐藤康光氏、森内俊之氏、と言った実力棋士が集中しています。その際立ったデータとしては、羽生世代がタイトル戦に初出場以来、2020年までの約30年間の200回を超えるタイトル戦のうち、約8割のタイトル戦には羽生世代の誰かが出場し、そのうちの8割のタイトルは羽生世代が保持していた程です。また名人位を通算5期保持すれば得られる永世名人の称号を持つ棋士はやはり世代交代もあって年齢が20歳程度離れるケ
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将棋のことを知らない人でも、羽生善治の名前は知っているのではないか。トップを長くはり続けている超一流の棋士だ。その実績は将棋界の歴史の中でも、突出している。
羽生は1970年生まれであるが、羽生と同世代には強い棋士が集中している。佐藤、森内、郷田、藤井猛、等だ。これだけの強い棋士を生み出した世代は、たしかに他にはない。どうして、羽生世代はこんなに強かったのか、というのが、筆者の疑問であり、この疑問を解くために、筆者は16名の棋士にインタビューを行う。本書は、そのインタビュー集である。
一般的に棋士のインタビューは面白い。彼らは、深く考えることが仕事なので、何かを問われたときに、通り一遍の無難な -
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ネタバレ羽生さん世代の棋士がなぜこれほど強かったのかを各棋士へのインタビューで語ってもらう形式となっている。読み手としてこの本に何を期待したのか、を考えてみた。羽生世代にとってタイトルをとることがだんだん難しくなった今、昔はもっと強かった、そんなことを知りたいわけではなかった。
将棋が好きでAbemaやNHK将棋をみたり、将棋ウォーズで1日3回無料でオンライン対局している素人の身からすると、AI全盛でAIを使いこなす若手が台頭しているなかでどのようなことを考えているのか、そして状況が厳しい中で将棋を続けるモチベーションはどういうところにあるのかそういったことを知りたいと思って読み始めた。
羽 -
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’’人工知能はもはや人間を超えたのか’’’’棋士(棋士のつくる棋譜)という職業の存在価値はそのときどこにあるのか’’’’人工知能とどう向き合うか(戦うのか戦わないのか)’’
2016年6月という非常に絶妙の時期に、現役最強棋士・人工知能に特に詳しい棋士・実際に人工知能と公開対局して敗れた棋士・人工知能と闘う気はないと公表する棋士、同じ質問を11名の棋士にぶつけることで、いろんな考え方をあぶりだしてくれた、名著と呼べるインタビュー集です。
タイトルがその切り口を彷彿させないだけに勿体ない。登場してる棋士が豪華絢爛。将棋指しでない人でも、人工知能に凌駕されつつある時点での人類最高頭脳集団の苦悩