大川慎太郎のレビュー一覧

  • 不屈の棋士

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    将棋関連の本は数多く読んでいるが、一、二位を争うほどの面白さだった。
    著者が観戦記者であるため将棋への造詣が深く、独自の人間関係を築いており、だからこそ誤解を恐れずに繊細な部分もインタビューできている。大川氏以外の誰にも真似できない非常に価値ある一冊。

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    2017年04月22日
  • 不屈の棋士

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    最近読んだ本でもベストの一つ。

    コンピューター将棋にどう向き合うかという課題に対して、複数の棋士にインタビューをした本なんだけど、読んでいくとそれぞれの価値観がはっきりわかる。例えば、『自尊心』『公平性』『鍛錬』『将棋への愛』など。ほとんどおなじ問いかけに対して、個々の価値観で答えていく。

    同じ問題に対して様々な見方があるといういい例。
    棋士は論理てきであるし、その価値観が非常に強固なので、さらに考えがはっきり伝わる分、その彩りが鮮やか。

    どの考えにも納得させられるし、どの考えが一番かを決めるのも難しい。

    いやはや、将棋連盟の会長となる人は、こんな人たちをまとめないといけないのかと思う

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    2017年04月08日
  • 不屈の棋士

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    話題のコンピューター対将棋のテーマであるが、著者の将棋への長年の関わりがなくては生まれない好著だと思う。棋士にインタビューを取り付け、深く切り込む。昨今著しく増える門外漢の感想の域を出ないネットサイト論壇とは次元が違う。

    トップ2大棋士、コンピューターと実際に戦った棋士、ネットを積極的に活用する棋士、コンピューター将棋に積極的な棋士、否定的な棋士、と章立てされており、まずは羽生渡辺の2棋士のものが面白い。羽生はコンピューター同士の棋譜を見て、人間の感覚とあまりにかけ離れているし、特に序盤のめちゃくちゃ(あたかも、駒も動かし方だけを知っている超初心者にも私には見える)さにはついては、見ても「面

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    2017年02月03日
  • 不屈の棋士

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    将棋ソフトに対し,この本に登場する棋士たちのほとんどが口を揃えて言うのは,「自分で考えなくなる」ことへの危惧であった。

    *****
     盲点というか死角はないでしょうし,詰みを発見する能力は本当にすごい。それこそ瞬間的に見つけてしまうので,やっぱり便利ですよね。デメリットは,あまり自分で考えなくなってしまうことでしょうか。実践では自分ひとりで考えなきゃいけませんからね。普段から一人で考える訓練を積むことはとても大事なので,あまりソフトに頼りすぎるのはよくない気がします。(p.52 羽生善治)

     以前から指摘されていることですが,自分の頭で考えなくなることでしょう。本当に難解な局面を自力で研究

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    2016年12月27日
  • 不屈の棋士

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    竜王戦挑戦者決定戦で勝利した三浦弘行九段に将棋ソフト使用の疑いがあり、敗者の丸山忠久九段が渡辺明竜王に挑戦してる竜王戦、3勝3敗の佳境に入っています。A級棋士三浦九段がソフトに敗れたのは2013年でした。観戦記者大川慎太郎氏の「不屈の棋士」(2016.7)は、ソフトに対する棋士の思いをまとめたものです。めちゃめちゃな序盤・正確無比な終盤、形も手順もおかまいなし、読みの深さはお手の物、そんなソフトに静観する人、対決する人、背を向ける人。羽生、渡辺、森内、糸谷、佐藤(康)、行方などの棋士が思いを語っています。

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    2016年12月09日
  • 不屈の棋士

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    AIを用いた将棋ソフトに対する考え方について現役11人の棋士にインタビューした内容をまとめた本。インタビューの対象はソフト利用に肯定的な棋士、ソフト利用に否定的な棋士、実際にソフトと対戦した棋士、そして現時点で棋士の最高峰と目される羽生氏、渡辺氏の2人という多岐にわたります。
    著者がインタビューで投げかける質問が非常に鋭く、対象となっている棋士の考え方をうまく引き出している印象です。
    どの棋士の考え方にも納得させられるものがあり、まず感じるのは棋士というのは自分の考えを非常に分かりやすく表現されるなあ、という点です。これは棋士という職業が論理的な思考を常に求められているからかもしれません。

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    2016年11月25日
  • 不屈の棋士

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    将棋は弱いけど、将棋指しは大好きな自分が、ここ数年ずっと気になっていた、「ソフト対棋士」について、一流の棋士たちにインタビューした本。
    それこそ、羽生と渡辺という二大巨頭から若手のホープ、古豪、中堅の棋士たちが、ソフトへの思いを好悪それぞれの立場で語っている。
    ソフトを肯定し、活用するどころか、強くなるためには人間同士の将棋は必要ないとまで言い切る者もいれば、ソフトを使用したうえで、それに頼らずに自らの力を高めようとする者、愛憎半ばの者など、一般人が見ても非常に興味深かった。
    今後、棋士がどのような存在になっていくのか、ということについても考えさせられた。
    自分としては、人間同士の将棋に興味が

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    2016年08月22日
  • 藤井聡太ライバル列伝 読む棋士名鑑

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    藤井聡太のライバルということで、多くの強豪棋士が登場するが実際にライバルと呼べる棋士は2、3人しかいないと思うくらい藤井は強い

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    2025年10月12日
  • 証言 羽生世代

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    羽生、佐藤康光、森内らの羽生世代と、それを取り巻く棋士のインタビュー集。

    羽生世代の棋士のみならず、彼らが将棋界に与えた影響について知ることができた。

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    2024年11月25日
  • 藤井聡太ライバル列伝 読む棋士名鑑

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    一人当たり約4ページで棋士を紹介してくれるもので、気軽に読める。ただ棋界に興味があることが前提なので、皆におすすめというものでもない。自分にとってはさくさく読めてちょうどよかったが。

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    2024年02月10日
  • 藤井聡太ライバル列伝 読む棋士名鑑

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    藤井聡太さんを始めとする当代の棋士のインタビューをまとめた一冊。自分はいわゆる観る将だが、普段対局を観ている棋士の先生の人となりや考え方、歴史に触れることができてとても良かった。
    個人的には同郷ということもあり、糸谷先生に強く惹かれた。根源的欲求を問われたときの答えが、「人のために生きたいんです。」この一言に糸谷先生の人生観が詰まっているのだなと思った。自分の人生観を言葉にしようとした時、到底出てこない言葉なので、とても衝撃的だった。
    あとは個人的に好きな里見先生について、自分が思っている先生の魅力を文章にしてくれていて、膝を打つ思いだった。
    こんな感じで、その他の棋士についても、この著者は人

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    2023年11月29日
  • 藤井聡太ライバル列伝 読む棋士名鑑

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    先日八冠になった藤井聡太と、トップ棋士の列伝。

    元々ナンバーに連載してる棋士のものものなので、必ずしも藤井聡太の話が出てくるわけではないが、現代将棋において藤井聡太が必須の存在で、かつ他の棋士は彼を意識してることがよくわかった。

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    2023年11月21日
  • 藤井聡太ライバル列伝 読む棋士名鑑

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    沢山の棋士の方々の紹介。わざわざインタビューの後に自分から連絡してくる先生もいたり、記者との関係性も見えて面白かった。

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    2023年10月04日
  • 証言 羽生世代

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    羽生世代を検証するにあたり、上の世代、同世代、下の世代、当事者へのインタビューを行なっている
    全体を通して相互のリスペクトがあり、自分を卑下することはあっても他者を貶める発言が見られず、気持ちよく読めた
    将棋ソフトを駆使する現代将棋については皆思うところがあるみたい

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    2022年07月21日
  • 証言 羽生世代

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    谷川浩司がいて、羽生善治がいて、藤井聡太が出てきて、時代時代にスターがいて、だから今でも将棋が好きで、この本を手に取って読んだんだろうなあと、読み終えて今あらためて思う。
    将棋界のいろんな方の
    羽生への思い、若かりし頃のエピソード
    が満載で知ることができ面白かった。
    全盛期の羽生と藤井が戦っていたらどっちが強いんだろう。
    羽生が藤井と同世代で、AIをバンバン取り入れて戦っていたらどうなっていたんだろう。
    藤井が羽生世代で、AIも無い中で戦っていたらどうなっていたんだろう。
    羽生の100期目をかけた藤井とのタイトル戦が観たい。実現してほしい。その時は羽生を応援するだろう。
    このまま羽生9段じゃ寂

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    2022年06月02日
  • 証言 羽生世代

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    羽生善治さんと同時代に活躍したり上下10歳差くらいの棋士が自身の半生での羽生さんとのエピソードを語りながら、羽生世代の強さの秘密を深掘る。
    いわゆる羽生ブームの時には全く将棋には関わることなく過ごしてきたので、私はここ数年の彼らのイメージしか持っていない。だけれど全ての棋士が若いころから血の滲むような努力をし、ライバルと争いながら腕を磨いたり、時には寄り道したりしたなどの過去がわかって観る目が変わる。羽生善治さんにも表に見えない苦労はあったんだろうけど、意図せずとも将棋界を照らして引っ張ってきたんだなと思う。それに負けじと食らいつきながら互いを認めあう棋士全てが尊いと思った。
    そして現在進行形

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    2021年08月20日
  • 証言 羽生世代

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    羽生善浩という不世出の天才の存在も奇跡だが、同じ世代にこれだけの俊才が揃うことも奇跡だ。

    本書に書かれた16人のインタビューを読むと、棋士も普通の人間だという印象を強く持つ。

    プロ棋士とは天才中の天才たちであり、本書で語られたことを本当に理解できる人は1%もいないだろう。

    本書に出てくる棋士たちが一様に謙虚であるのは、将棋に対し真摯だからだという著者の考察には頷ける。

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    2021年04月04日
  • 証言 羽生世代

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    将棋の世界は完全なる実力主義。
    あの藤井聡太二冠は高校生なのに獲得賞金4500万円だとか。
    でも羽生さんを含めたトップ棋士の話を聞いてると、皆さんとても謙虚。人間性も素晴らしい人が多い。どこかの政治家も見習ってほしい。

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    2021年02月09日
  • 証言 羽生世代

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    自分も世代的には羽生世代。同じ時代のヒーロー達が語られているのは非常に興味深かった。渡辺さんのインタビューが一番興味深かった。

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    2021年01月31日
  • 不屈の棋士

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    「人工知能に追い詰められた「将棋指し」たちの覚悟と矜持」。帯に書かれているコピーがまさに本書の内容です。トップ棋士が相対しても、すでに人工知能には簡単に勝てなくなっているのが現状。その中で、棋士たちは自らの存在意義をどう考えているのか、人口知能との付き合い方をどうしようとしているのか、そして、将棋界はこれからどうなっていくのか。トップ棋士11人へのインタビューで構成されています。

    どんなに人工知能が強くなっても、人間と人間の対局の魅力は失われない。人間はミスをする生き物で、そのミスで勝負が決まるのが将棋。それでも人間が知恵を振り絞って対局する姿の魅力は失われない。

    人工知能がある限り、自ら

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    2020年04月09日