三上修のレビュー一覧
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街に住む鳥についての本。内容は電柱:鳥=1:1ぐらい。電柱、電線に対する鳥の営みとそれが引き起こす問題、人間の対応、過干渉への問題視について書かれている。
期待していたよりも内容が薄く(後書きを読む限りわざと薄くしている?)、物足りなさを感じる。
著者の電柱と鳥の関係が気になるという視点が独特かつ奇異であり、まだ明らかになってないことが多いのかもとも思ったが、鳥目線からしたら単に3次元的な移動が可能な生き物として都合が良い構造物を利用しているだけで、電柱や電線だからといって特に特別な事はしていないのでは。著者もどちらかと言えば、鳥の行動よりも人工物に鳥が細工することで人間側が対応せざるを -
Posted by ブクログ
電線にとまっている鳥の写真(あー可愛い)、電線の鳥の巣が撤去される様子(あーかわいそう)、電線を絶縁する部品である可愛い玉碍子の写真(??)、まえがき、とつづき本文は「1 電柱と電線の基礎知識」で電柱についての解説から読むことになり、あ、そこからなんだ…という衝撃が心地よい一冊。
私は鳥に関する本を読むのが好きなので、タイトルに惹かれて手にとってみた。
電柱と鳥類の関係を明らかにする学問、それが電柱鳥類学という学問だけど、じつはそんな学問はこの世にないらしい。この本によって勝手につくられた言葉だ。どうしてそんなことを研究するのか書かれたまえがきがとても良いのでそこだけでもいろんな人に知ってほ -
Posted by ブクログ
6年かけて読み終えたことになります。いろいろな本を読む合間に一章ずつ、少しずつ読んできて、ついに読み終えました。
難しい本ではないので、そんなに長期間で読まずに一気に読んだ方が良いようにも思います。スズメ、カラス、ハト、ツバメ、ハクセキレイ、コゲラについて書かれてます。
この本の嬉しいところは、緩い感じ。都会に暮らす鳥を語ると文明についても語ることになっていきますが、そうすると~べきだという論調になりがちだと思います。しかし、その押しつけがましさが微塵もない。世の中には多様な事情があるのだから、その事情を考えないといけない、ということがあるのでしょうか。鳥と人、自然と人、文明と人との適切な距離 -
Posted by ブクログ
詳しく書かれているのは、スズメとハトとカラス。特にカラスの生態を興味深く読んだ。カラスってガァガァうるさいし、悪さばっかりするし、迷惑千万!と思ってきたけれど、ちょっと気をつけて観察してみようかな。そういう気持ちにさせる優しい書き方だ。
「第6章については、書くのに覚悟がいりました」とあとがきにあるが、ここが一番おもしろかった。人間の身近にいる鳥については、軋轢が生じやすい。その解決策を考える際の基本方針が三つあげられていているのだが、なるほどなあと納得できるものだ。
「都市では人間本位で考える」「良く言えば寛容、悪く言えば曖昧な線引きをする」「控えめに鳥と接する」
それぞれの詳しい説明は省 -
Posted by ブクログ
昔は雀の声で目覚めるほど、身近だったすずめ。
最近、ヒヨが減ったかなって感じた時、あれ?雀も?と気づきました。
そして、見つけた本。
すずめの研究をしている方は少なく、何羽生息しているかという難しいところからスタートさせた筆者。
すずめの減少への生態系などへの影響など、まだまだわからない事がたくさんあるけれど、こういう所から研究ってスタートするんですね。
1度崩れてしまったらもとには戻せない生態系。
トキのようになってしまうことも充分あり得ること。
冬にまあるく膨らんでいる姿や、愛くるしい目、ちゅんちゅんという声、全てが可愛いすずめ。
いつまでも、その姿を目にすることが出来ますように。