三上修のレビュー一覧
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スズメの生態が詳しく書いてあっていろいろな知識が得られるという本ではない。研究するということがどういうことか著者の実体験に基づいて述べられているのだ。小学校高学年ぐらいから読める内容だと思う。生き物を相手にする研究をしていきたいという子どもには、とても意義のある本だろう。スズメを研究した人はほとんどいないらしく、著者は自分自身で調査の方法を模索している。その点が中心の本だ。スズメは日本に何羽ぐらいいるのか、スズメの数は減っているのか。著者は、いろいろ試してみた末にスズメの巣を数えていくことを採用する。日本の3県を選び、さらに住宅地、商業地、農地、森林の4地域に分けている。住宅に巣をつくることが多いので、住宅地に最もスズメは多い。数えた結果を統計的に処理すると、全国に約1800万羽だそうだ。また、年々スズメの数は減っていて、環境の変化や、巣を作りにくい住宅が増えたことによって、スズメの少子化が進んでいるようなのだ。森雅之の挿絵がなんだかなつかしい思いを誘う。
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街に住む鳥についての本。内容は電柱:鳥=1:1ぐらい。電柱、電線に対する鳥の営みとそれが引き起こす問題、人間の対応、過干渉への問題視について書かれている。
期待していたよりも内容が薄く(後書きを読む限りわざと薄くしている?)、物足りなさを感じる。
著者の電柱と鳥の関係が気になるという視点が独特かつ奇異であり、まだ明らかになってないことが多いのかもとも思ったが、鳥目線からしたら単に3次元的な移動が可能な生き物として都合が良い構造物を利用しているだけで、電柱や電線だからといって特に特別な事はしていないのでは。著者もどちらかと言えば、鳥の行動よりも人工物に鳥が細工することで人間側が対応せざるを得なくなっている点やその対応の地域差などの方に興味があるように感じる。そのせいで本書のメインが人間側の営みにあるように感じ、タイトルの「鳥類学」との齟齬が生じ、内容が薄く感じたのかも。 -
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電線にとまっている鳥の写真(あー可愛い)、電線の鳥の巣が撤去される様子(あーかわいそう)、電線を絶縁する部品である可愛い玉碍子の写真(??)、まえがき、とつづき本文は「1 電柱と電線の基礎知識」で電柱についての解説から読むことになり、あ、そこからなんだ…という衝撃が心地よい一冊。
私は鳥に関する本を読むのが好きなので、タイトルに惹かれて手にとってみた。
電柱と鳥類の関係を明らかにする学問、それが電柱鳥類学という学問だけど、じつはそんな学問はこの世にないらしい。この本によって勝手につくられた言葉だ。どうしてそんなことを研究するのか書かれたまえがきがとても良いのでそこだけでもいろんな人に知ってほしい、ポピュラーサイエンス系の本を読むひとにはそこだけでも共感できると思う。それを読むと、「なんでそんな役に立たない研究をするんだ」とか言われて肩身の狭い思いをしていた研究者たちや、「役に立たなければ研究してはいけないのか」とか言って世界の秘密を追い求めてきた人たちに思いを馳せることができておおいなる気持ちになれるのだ。
「鳥類が電線と出会ったのは19世紀の中ごろ、そして電線はいずれ地中に埋まって消えてしまうかもしれないことを考えると、我々は電柱・電線と鳥が一緒にいるという貴重な時間を生きていることになるので、そんなものはぜひ見ておかなければならない。」とのことなのである。偉大な発明も世紀の大発見も、日常に潜む小さな不思議を見逃さなかった人たちによってなされたのだ、と思わずにはいられない。まえがきでこんなに感動してるのは私だけなのではないかとも思わずにはいられない。
全体的な内容はちょっとあっさりめだなと思う部分もあるけど、なにぶん新しい研究分野なのでそんなもんかとも思う。論文が引用されてる硬い文章が苦手な人にはむしろ読みやすいはず。合間にあるコラムがけっこうたのしくて、なかでも著者が「難しいものを何かに例えて噛み砕いて説明する」ことの危うさを書いているところは何回も読み直した。
「ミクロな物理現象を、目に見えるものや形あるものに置き換えて理解するくせをつけると、いつか理解の限界がきます。(略)わからなくてもそのまま飲み込ませる教育も必要だと最近強く感じるようになってきました。そういうものだと無理矢理飲み込んで思考を重ねていると、ある時、ふっと理解できる瞬間が来るからです。」
外山滋比古さんの「乱読のセレンディピティ」で知ったことだけど、昔の日本の国語教育は、まだひらがなの読み書きができないうちから「天網恢恢疎にして漏らさず」なんてものを暗唱させていたらしい。最初はもちろん意味なんて分からずただ覚えるだけだけど、時間がたつにつれて理解が深まっていったという。読んだときにはほんまかいなと思っていたけれど、いまは思い出したらすんなり受け入れることができてしまった。おお、ふっと理解できる瞬間とはまさに今この瞬間のことなのか。 -
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6年かけて読み終えたことになります。いろいろな本を読む合間に一章ずつ、少しずつ読んできて、ついに読み終えました。
難しい本ではないので、そんなに長期間で読まずに一気に読んだ方が良いようにも思います。スズメ、カラス、ハト、ツバメ、ハクセキレイ、コゲラについて書かれてます。
この本の嬉しいところは、緩い感じ。都会に暮らす鳥を語ると文明についても語ることになっていきますが、そうすると~べきだという論調になりがちだと思います。しかし、その押しつけがましさが微塵もない。世の中には多様な事情があるのだから、その事情を考えないといけない、ということがあるのでしょうか。鳥と人、自然と人、文明と人との適切な距離の取り方、ということをそれとなく教えてくれているように思います。
6年前、この本を読み始めてすぐ買った双眼鏡でずっと窓外を飛び、木に憩う鳥を見てきました。世界が広がる本です。
都会や市街、庭について語った言葉ではありませんが、「ゆったりと、ほこほこと、がちゃがちゃ、が同居した空間です」という言葉が印象に残ります。素敵な空間だと思います。 -
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詳しく書かれているのは、スズメとハトとカラス。特にカラスの生態を興味深く読んだ。カラスってガァガァうるさいし、悪さばっかりするし、迷惑千万!と思ってきたけれど、ちょっと気をつけて観察してみようかな。そういう気持ちにさせる優しい書き方だ。
「第6章については、書くのに覚悟がいりました」とあとがきにあるが、ここが一番おもしろかった。人間の身近にいる鳥については、軋轢が生じやすい。その解決策を考える際の基本方針が三つあげられていているのだが、なるほどなあと納得できるものだ。
「都市では人間本位で考える」「良く言えば寛容、悪く言えば曖昧な線引きをする」「控えめに鳥と接する」
それぞれの詳しい説明は省くが、「初めから、ほどほどのところでやめておけば、ルールなど作らなくてすむことが多い」という考え方に共感する。これって鳥に限らず、いろいろな場面で言えるのではないかなあ。 -
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昔は雀の声で目覚めるほど、身近だったすずめ。
最近、ヒヨが減ったかなって感じた時、あれ?雀も?と気づきました。
そして、見つけた本。
すずめの研究をしている方は少なく、何羽生息しているかという難しいところからスタートさせた筆者。
すずめの減少への生態系などへの影響など、まだまだわからない事がたくさんあるけれど、こういう所から研究ってスタートするんですね。
1度崩れてしまったらもとには戻せない生態系。
トキのようになってしまうことも充分あり得ること。
冬にまあるく膨らんでいる姿や、愛くるしい目、ちゅんちゅんという声、全てが可愛いすずめ。
いつまでも、その姿を目にすることが出来ますように。