梅谷百のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
付喪神たちとその鍵守見習いの少女の物語。
こういう”あやかしもの”は好みなのでそれなりに楽しく読んだ。
……のだけど、えっと、なんだろう、何かがちょっと足らないなあ。
”愉しさ”だろうか。
主人公の少女がいじめられた過去を持つ気の弱い性格なのもあって、全体的にシリアス基調で弾けるところが少なかった。
3つの話が入ってるけど、エピソード的にもシリアスだしね。
それが悪いとは言わないけれど、もう少し息抜きが欲しい。
それと全体的になんかスッキリしないんだよね。
それは主人公の感情の推移だったり行動だったり。
この性格でそんなことするかなあというような違和感が最後まで残った。
あと宏光君のおばあ -
Posted by ブクログ
生徒に薦められ、引くに引けなくて入手し、読んでみました。
悪くない、と思うのです。毛嫌いしていたケータイ小説のなかから、よくこれだけの作品が生まれたなぁとも思います。
しかも「太平記」のこの上なく厄介な時代背景を著者はよく知っているし、調べているなと思いました。
それでもやはり、読んでいて苦しい。なぜ。
1330年代に飛ばされてしまった主人公千鶴子が、現代とその時代の言葉の感覚に戸惑っているところとか、風俗習俗に目を白黒させているところとか、いいなぁと思うのです。等身大だなぁって。
もしかしたら、14世紀の登場人物たちが、セリフに気を使っている割にキャラクター設定が現代っぽいのかも知れません