梅谷百のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
先に読んだ本の巻末の広告を見て買った本、二冊目。
熱海のミニシアターで働いていた雪が、倉庫で見つけた懐中時計に触れて気を失い、目覚めた先は1945年。そこには戦禍を逃れて東京から実家に疎開していた推しの大スター三峰恭介がいて…、というところから始まる物語。
『彼の実家が営む映画館で働くことになった雪は、恭介の優しさと誠実さに惹かれていく。しかし、雪は知っていた。彼が近いうちに爆撃で亡くなる運命であることを—』という紹介文を読んだ時は、戦時下での悲劇的メロドラマかなと思っていたのだが、良いほうに裏切られた。
タイムスリップしてきたとは言えず記憶喪失を装う雪に、疎開してきたものの何やら鬱屈を抱え -
Posted by ブクログ
ネタバレ結末が気になって気になって一気読みしてしまった。
タイムスリップして1945年の熱海に、そして推しである映画俳優の目の前に辿り着いてしまった雪。
まさか未来から来たとは言えないから、彼から完全に不審者扱いされてしまった彼女は記憶喪失として振る舞って何とか彼の元に置いてもらえることになったが……
熱海に直接の空襲はないとはいえ戦時中。
平和とは言い切れない中、何とか暮らしていこうとしても、当時の台所ひとつ取っても現代と勝手が違うからなかなか戦力になれない雪。
しかも、あるトラウマも持っていたから、余計にややこしいことに。
本職である映画館のスタッフの経験を活かして、タイムスリップ先でも映画館を手 -
購入済み
面白い!
明里が、装束を通して春日家の三兄弟と打ち解けていったり、志摩姫とも仲良くなったり、さらに謎解きもありで、面白かったです。
昔の色の使い方もでてきて楽しかったです。 -
ネタバレ 購入済み
勉強にもなります
実際の時代背景を取り入れたフィクションなので歴史が好きな方は凄く惹かれるのでは無いかと思います。私はそんなに歴史に詳しくないのですがそれでも読みやすく魅力的な作品でした。
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ネタバレ
侮るなかれ
ケータイ小説ですが、侮ってはいけません。
ケータイ小説全盛期の頃、暇つぶしに検索していて辿り着きました。
暇つぶしのつもりが夜も眠れず読み続け、毎日携帯とにらめっこしてしまいました。
中高生にとってはマイナーかもしれないこの時代を、よく調べ、よく研究し、うまくオリジナルを混ぜています。
歴史に興味のない十代も、この作品なら読みやすいのではないでしょうか。
はじめはありがちな展開ですが、物語が進むにつれてその壮大さに目が離せなくなります。
元が太平記だから?
いえいえ、きちんと少女小説してます。
ラストも大風呂敷を綺麗にたたみきってくれました。
涙無しでは読めま