マーティン・ウルフのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ノーム・チョムスキー、レイ・カーツワイル、マーティン・ウルフ、ビャルケ・インゲルス、フリーマン・ダイソンといった政治学教授、発明家、経済ジャーナリスト、建築家、数学者といった知の先端をいく人たちへのインタビュー集。
AIが指数間的に成長していく未来を描くレイ・カーツワイルの話が一番面白かったし再読したい。
どの人たちも専門分野以外にも深い知識を持っているのが参考になる。
インタビュアーの吉成さんの質問が全部的確で勉強量も含めて頭の良さがにじみ出ていると思う。あとがきの見解の「不確実社会では感情に訴えるようなシンプルストーリーはプロパガンダだと思ってファクトチェックを重ねて熱狂を避ける」というところに同意。
各著者におすすめの本を聞いているのがありがたい。 -
Posted by ブクログ
この本は近年台頭してきているポピュリストが何故大きな影響力を持ち始めたのか民主主義と資本主義が危機に見舞われていることについて書かれている。近年トランプなどのポピュリストが指示を伸ばしているが、それは経済の不安定化により、貧富の差が広がり低・中所得者が既存の政党、政治体制、政治を行なうエリート層に対して懐疑的な目を向けているからだ。貧困に陥っている、陥ろうとしているそれは近年増加している移民や女性などの少数弱者のせいであるとする論調が広まり、右寄りで地主などのお金持ちや保守的な政治指導者とこの主張は受け入れやすく、これらの人々は右寄りは資本家などに有利な政策をとることが多いのに、低・中所得者も支持している。しかし、特にアメリカなどでは企業は安い労働費で働いてくれる移民を重宝し共和党は積極的には移民を追い出すという政策は取らなかった。さらに移民の安い労働力で成り立っているアメリカ社会が移民を排斥することが正解かは疑問が残る。そしてなぜ、このように貧富の差が拡大したのか、これは一部の資本家などに利益が集中しているからだ。近年のテクノロジーの発達によりGoogleやAppleなどのGAFAが市場を独占しその株式を持つ投資家や役員に多大な利益が流れていく。企業というものは、競争ではコストがかかるため、合併や吸収を行ったり、企業間で合意形成を行ったりすることで競争を行なくなり市場が独占・寡占化してしまう。そして金融業界において政府は景気回復などのために積極的に手助けをするためである❓そして、テクノロジーの発達、産業の空洞化により製造業は衰退し中道左派などの支持基盤である労働組合の力が弱まったため、左派はマイノリティーへの支持や男女平等などの少数弱者への指示を求め画策した。 -
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その道を究め、そして広く世界的な問題についても発言をしている著名人に「人類の未来」についてインタビューをしたもの。インタビュワー・編者はNHKの吉成さん。
インタビューを行ったのは次の五人。
・ノーム・チョムスキー「トランプ政権と民主主義のゆくえ」
・レイ・カーツワイル「シンギュラリティは本当に近いのか?」
・マーティン・ウルフ「グローバリゼーションと世界経済のゆくえ」
・ビャルケ・インゲルス「都市とライフスタイルのゆくえ」
・フリーマン・ダイソン「気候変動モデル懐疑論」
面白いのは、各人が結論が出ていない大きな論点に対して明確な意見を持っていることだ。
特にシンギュラリティや気候変動については、それぞれ違う意見を持っている。チョムスキーはシンギュラリティに対して懐疑的だし、当然レイ・カーツワイルはその到来を信じている。
チョムスキーは日本の平和憲法を高く評価する。カーツワイルは情報技術だけでなく、長寿を実現するナノテクを含む医療技術やエネルギー技術、食糧生産のバイオ技術などの指数関数的な進歩が世界を変えることを信じている。マーティン・ウルフはユーロの通貨統合を失敗と断じる。フリーマン・ダイソンは温暖化を宗教と断じる。原子力には賛成だ。
面白いのは最初のチョムスキー以外の人に、それぞれ推薦図書を聞いている。特徴が出てよい。『心の社会』...読まないとな。
カーツワイルは、マービン・ミンスキー『心の社会』とガルシア=マルケス『コレラの時代の愛』
ウルフは、バートランド・ラッセル『西洋哲学史』、ジャレド・ダイアモンド『銃・病原菌・鉄』『文明崩壊』、ユヴァル・ノア・ハラリ『サピエンス全史』、マキャヴェリ『君主論』、エドワード・ギボン『ローマ帝国衰亡史』
インゲルスは、キム・スタンリー・ロビンスンの火星三部作『レッド・マーズ』『グリーン・マーズ』『ブルー・マーズ』
ダイソンは、E.T.ベル『数学を作った人びと』 -
Posted by ブクログ
インパク知6・4
かかった時間140分
それぞれの分野で先端を行く5人の知識人に、人類の未来について問うたインタビュー集。いくつかの、踏み込みきれなかった質問や、相手に躱された質問があるようだが、各分野の現状を整理して質問を重ねる吉成真由美と、インタビュイーたちのやりとりはエキサイティングで、(ときどきわからないところはあったものの)面白かった。
チョムスキー
トランプと民主主義についての話。「正義」は王者が独占する、ということと、シンギュラリティへの楽観的な姿勢(人間の優越性は変わらない)。
レイ・カーツワイル
シンギュラリティの話。ポストヒューマン、人間のバックアップ。サイエンスフィクションがいまやサイエンスである。
マーティン・ウルフ
グローバリゼーションと世界経済のゆくえ。
ユーロという貨幣は、政治システムが伴っていないことが失敗。世界市場にアクセスできて安全保障の力がある小国は成功する。国家が強くないとダメ、人生の意味は社会関係と献身の感覚。
ビャルケ・インゲルス
都市とライフスタイル。インタビューが電話だったようで、あんまり突っ込めていない感じ。建築はアートと工学と物理。Yes is more。建築でコミュニティづくり。
フリーマン・ダイソン
気象も(経済と同じで)説明できるが予測はできない。学校いらない、博物館ですべてオッケー。
姉妹編があるらしいので、そちらも読みたい。また、インタビュアーの方のまとめ方や問い方が的確で、何者かと思ったが、経歴を見たらMITからのハーバードで納得。
それにしても、ポストヒューマンかあ。
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Posted by ブクログ
(途中memo・雑考、整理前)
シンギュラリティ、ニューエイジ、サイバーパンクの夢:
シンギュラリティの論をすすめると、やたらとバカ扱いのニューエイジの夢がちらつく。
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物理的に足りなくなった大脳新皮質が外側へ拡大していくときに、スマートフォンやインターネットを通じ、点データをつないだネットワーキングやクラスタリングは爆発的に線形を飛び出し、指数関数的に拡張してゆく。
そして、バラバラの個というよりは、さざ波のようにおしてはかえす、人間、動物、生物の行動パターンや自然を観るとき、これら現象は、先人たちが追い求めた真理(神)の方程式のようなもの、本書にも断片的に述べられたωポイントへ向かう過程における、エネルギーの移り変わりやエントロピー変化の連続が繰り広げられているだけのことなのだろーか。 もしくは、すでに空間に含まれる全てが記された巻物の最後に記されているはずのオチを知るための解析、解読作業なのだろーか、とか。
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ポパーの「開かれた社会と…」は、傲慢なエリート主義で、結果のコストを負わなくていい立場での言説…というのは、そーなのかも、と思った。 -
Posted by ブクログ
ノーム・チョムスキー、レイ・カーツワイル、マーティン・ウルフ、ビャルケ・インゲルス、フリーマン・ダイソンの世界を牽引する5人の偉人たちへのインタビュー記事だった。
近い将来シンギュラリティーに到達してポストヒューマンの時代がやってくると言っているカーツワイルが、AIが囲碁のプロ棋士を破る時期を的確に当てたと、羽生さんの著書「人工知能の核心」で読んだ記憶がある程度で、ほとんど知らない人ばかりだった。
しかし、世界的に有名な人たちであるだけに、しっかりとした芯を持っており、学ぶことが多かった。
慣れない分野の知識であるだけに自分で言語化できるレベルにはなっていないが、普段はあまり触れることのない政治や経済、教育などさまざまな分野のことを知ることができた。
5人の中で、建築家の「ビャルケ・インゲルス」のことばが心に残っており、でき限り全ての要求にイエスと答えるように努力すると発言している。
両方の要求を聞き入れると破綻するプランもどうにかして両方のニーズに答えようとする姿勢が素晴らしく、そこからイノベーションが起こると信じていた。
複雑なニーズに答え、新しい発想を生み出したときの快感は計り知れず、みんなが幸せになる方向への努力は楽しいものだと思う。
最後にインタビュアーの吉成真由美さんが書かれていた言葉も印象的で一部紹介する。
「人間の記憶はカメラやビデオのようにはっきりしたものではまったくなくて、実にいい加減だ。たとえよく知っている人の顔でも、その詳細まで思い出すことができないことはよく知られている。しかしまさに記憶がいい加減であるそのことによって、まったく関係のないアイディアを自在に結びつけることが可能になり、創造性(クリエイティビティ)というものが生まれてきて、それが進化に有利に働いてきたのかもしれない。そうだとすると、もしAIの発達によって、さらにはAIと人間が一体化することによって、われわれの記憶が明確・鮮明・大容量になっていった場合、クリエイティビティのほうが犠牲になるということはないのだろうか。」
AIが人間の仕事を奪う時期がくると言われているが、こういったAIにはできない人間の良さを伸ばしていきたい。