【感想・ネタバレ】民主主義と資本主義の危機のレビュー

あらすじ

中国ですら敵わないほどの強力な敵、民主主義と資本主義の敵は内側にいる。
いま必要なのは、格差解消と中間層の復活だ。
* * *
まずまずの豊かさ、わが子が機会に恵まれること、そして幸せな未来――。
ささやかな期待すらも実現しない政治とグローバル資本主義に民衆は怒っている。
世界金融危機後の中間層の空洞化は、先進国で既存体制への怒りに火を付けた。これから10年後、民主主義と資本主義は放棄されずに残るだろうか。
高所得の民主主義国で台頭する右派・左派双方のポピュリズムは、世界を暗黒に変えるだろうか。
* * *
20世紀はモンスターのような独裁者の世紀だった。いまふたたび独裁者が復活しようとしている。
権力者だけに奉仕する国家に希望はない。
20世紀、人類はそうなる運命を紙一重で切り抜けた。
21世紀もうまく逃げおおせるだろうか。
* * *
FTのチーフ・エコノミクス・コメンテーターが描くいま求められる改革。

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Posted by ブクログ


この本は近年台頭してきているポピュリストが何故大きな影響力を持ち始めたのか民主主義と資本主義が危機に見舞われていることについて書かれている。近年トランプなどのポピュリストが指示を伸ばしているが、それは経済の不安定化により、貧富の差が広がり低・中所得者が既存の政党、政治体制、政治を行なうエリート層に対して懐疑的な目を向けているからだ。貧困に陥っている、陥ろうとしているそれは近年増加している移民や女性などの少数弱者のせいであるとする論調が広まり、右寄りで地主などのお金持ちや保守的な政治指導者とこの主張は受け入れやすく、これらの人々は右寄りは資本家などに有利な政策をとることが多いのに、低・中所得者も支持している。しかし、特にアメリカなどでは企業は安い労働費で働いてくれる移民を重宝し共和党は積極的には移民を追い出すという政策は取らなかった。さらに移民の安い労働力で成り立っているアメリカ社会が移民を排斥することが正解かは疑問が残る。そしてなぜ、このように貧富の差が拡大したのか、これは一部の資本家などに利益が集中しているからだ。近年のテクノロジーの発達によりGoogleやAppleなどのGAFAが市場を独占しその株式を持つ投資家や役員に多大な利益が流れていく。企業というものは、競争ではコストがかかるため、合併や吸収を行ったり、企業間で合意形成を行ったりすることで競争を行なくなり市場が独占・寡占化してしまう。そして金融業界において政府は景気回復などのために積極的に手助けをするためである❓そして、テクノロジーの発達、産業の空洞化により製造業は衰退し中道左派などの支持基盤である労働組合の力が弱まったため、左派はマイノリティーへの支持や男女平等などの少数弱者への指示を求め画策した。

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2025年04月13日

Posted by ブクログ

挙げられている事実などはとても参考になる物が多い。一方で、著者が望ましくないと考える体制については「論外」「卑劣」などの言葉を用いて非難するのみに留まっているところや、ダブルスタンダードも見られるのも興味深い。メディアの中立性が重要と説きながら、特定の思想に与する人を増やす目的で書かれた本であり、その点において現代民主主義における対話の難しさと民主主義の危機をまさに感じせてくれる本である。

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2024年11月07日

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