アレッサンドラ・ヴィオラのレビュー一覧
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本書を読みながら、植物の持つ潜在的な力に改めて驚いた。植物は「口がきけず動きもしない、人間たちの世界の調度品」にすぎないと思われていた。
しかし、植物は、動かないが故に長い時間をかけて進化してきた。そして、現在も植物は重要な役割を果たしている。
植物がなければ、地球上に酸素は生まれず、動物や人間が出現しなかった。そして、植物が光合成をして、動物や人間の栄養になってきた。現在のエネルギーのもとである石油、石炭、天然ガスは過去の植物の遺体が作った。それがなければ、産業革命も起こらなかった。
植物は、半分以上動物に食われても、再生する。植物の細胞には全能性がある。そうやって、私は組織培養 -
Posted by ブクログ
植物の世界も「不思議な世界」満載。
いかに人間が「思い込み」や「偏見」で、
人間以外のものを見ているか、ということをこの本でも思った。
植物と日々暮らしている僕は、「不思議さ」も感じさせてもらっている。
しばらくは「植物」関係の本を読んでいきたい。
〈本から〉
植物は固着性(移動できないということ)をもつ生物であり、動物とは違う方法で進化し、モジュール構造(たくさんの構成要素が機能的にまとまった構造で、各部分は交換可能)でできた体をもつようになった。
植物は、いわゆる「群知能」〔集団の個々の構成員の総合作用によって全体の協調性が生み出され、高度な集団的振る舞いを可能にする知性〕も持ってい -
Posted by ブクログ
"地球で存在する生物の99.7%を占める植物。この地球を観察しているETは、この星の知的生命体をとらえる時どのような結論を見出すのだろうか?人類は知性を持ち、あたかもこの星の住人の如く過ごしているが、少数派であることを忘れている。
本書は、植物に目を向けその驚くべき生態を紹介している。
植物は動物のように専門の器官はないが、体内の液体を循環することができるし、においでコミュニケーションをとれるし、外部からの接触にも対応できる。人間が想像できる範囲で植物の謎に迫った本。本書には記載がないが、樹木など100年単位で生きているものもあるので、我々の時間軸とは別の次元で活動しているのだろうな -
Posted by ブクログ
我々人間は得てして植物を取るに足らない生物とみなしがちであるが、それは(植物が動物のような「脳」を持っていないことと、実際には動いている植物を人間が知覚できないことに起因する)偏見に過ぎないことが示されている。
植物は人間を含む動物とは異なる進化戦略を採った生物であり、動物と同様及び動物が持たない感覚も持っている。知性を「問題を解決する能力」と定義した場合、植物にも知性があると結論付けることができる、と本書では主張されている。
植物の知性に関する研究の進展は、人工知能等知性一般に関する研究等にも貢献し得ることも本書末尾で示唆されており、大変興味深い内容であった。 -
Posted by ブクログ
私はヴィーガンで、植物や菌を食べて生きています。
元々、植物には脳がないだけで、知性やコミュニケーション能力など、そういったものはあると感じていました。
人間に理解できないだけ、判別できないだけ、認識できないだけで、植物はむしろ人間に語りかけているかもしれないとも考えています。
人間のモノサシだけで判断する愚かさは常々感じています。
その感じていたことをこの本はわかりやすく、根拠も示しながら、解説してくれました。
自分の感じていたことに根拠が補填され解像度が高まりました。
私たちは命を殺して生きています。
そこから逃れることはできません。
しかし、少しでも、犠牲にしない搾取しない選択肢はある -
Posted by ブクログ
人間は動植物の頂点にいる。
言葉を操り、道具を使い、他の動物たちの精子を握り、植物たちを管理する。
そんな思い込みは単なるおごり以外の何物でもない。
人間たちは自身を万能だと思っているが、実は下等だと思っている植物たちに「使われている」だけなのかもしれない。
植物に脳はない。
しかし脳がないから知性がないという結論は、あまりにも植物を知らぬし軽視しすぎている。
植物たちは動物のように大事な器官を作らないことを選択した。
そうすることで生存率を高めたのだ。
つまり、リスク分散というわけだ。
動物は脳や心臓がないと死んでしまうし、手や足がもがれたら死んでしまうそうだから。
「人媒」も有用だ。
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Posted by ブクログ
植物の知性についての本。植物の権利と地位向上のための本と言っても良いかもしれない。植物の知性を理解するには植物と動物の違いを理解する必要がある。重要な臓器を持たず、それ故に脳がないこと。体の各部分が独立した能力を持ったモジュールで、それが集まったコロニーのような構造であること。どこかが食べられたりして欠損しても致命傷にならず再生できること。そのため体の各部分に情報処理機能があり、インターネットのように分散型の知性である。特に根系は根冠が無数にあり、それが互いにコミュニケーションをとり全体としての知性が創発していると説く。根のネットワークをニューロンと仮定すると根が思考を持っていても良いのかもし
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Posted by ブクログ
植物が人間や他の動物と同等、あるいはそれ以上に優れた生物であることを解説した本。植物の優れた特性、腫を広げるための驚くべき戦略の数々がたくさん紹介されていて非常に興味深い。ただ図版や写真が少ないので、紹介されている植物のイメージがつかめないところが残念。
いずれにせよ、植物に対する認識が一変する良書。
本書内で、植物が自分の繁殖のため、昆虫や動物はもとより、人間までも利用しているのではとの説が紹介されていたが、未だ解読不能の奇書「ヴォイニッチ手稿」の植物と思しきイラストが載っている一連ページの解釈として、人間は植物のための養分として生かされているという解釈をネットで発見し、この解釈がもしかした -
Posted by ブクログ
とても良い
地球上全体を見れば、その生物の中で動物はわずか1%程度の個体数しかない
総重量でいうと0.3%しかない
動物は植物がいなければ絶滅するだろうが、植物は動物がいなくなっても繁栄を続けることができる
植物の根端は情報センサーであり情報発信ネットワークのひとつだ
インターネットの形態はこれに近いものだ
集合知が生み出すものは創出と呼ばれるそうだ
大きな拍手の渦や、ウェーブのように個体ではなし得ないものが創出されるのだ
そもそも植物は生き物なのかと、その昔は哲学の対象となっていたと言う
魂についても知恵についても考察されてきた
イスラム教のコーランでは植物は生き物から除外されている