とても良い
地球上全体を見れば、その生物の中で動物はわずか1%程度の個体数しかない
総重量でいうと0.3%しかない
動物は植物がいなければ絶滅するだろうが、植物は動物がいなくなっても繁栄を続けることができる
植物の根端は情報センサーであり情報発信ネットワークのひとつだ
インターネットの形態はこ
...続きを読むれに近いものだ
集合知が生み出すものは創出と呼ばれるそうだ
大きな拍手の渦や、ウェーブのように個体ではなし得ないものが創出されるのだ
そもそも植物は生き物なのかと、その昔は哲学の対象となっていたと言う
魂についても知恵についても考察されてきた
イスラム教のコーランでは植物は生き物から除外されているし、ノアの方舟にもあるようにキリスト教でも動物とは区別されてきた
デモクリストは逆立ちをした人間のようだと考え、後の哲学者ソクラテスは移動できない動かないものだとして生物から排除する考えだったそうだ
晩年になってソクラテスも、植物が繁殖する事をもって生物の仲間に組み込まざるを得ないと考えを改めたそうだ
生物の細胞は植物の研究で解明され、遺伝についても有名なメンデルはえんどう豆で研究したのだった
DNA同様、RNAの研究も植物で研究されたものを、動物の遺伝子で研究した学者はノーベル賞受賞だった
今や生物としての認識は一般的になったものの、それでも人間を頂点とする動物とは別の一応生き物だと感じている人が普通なんだろうと思う
植物はモジュール構造を選択したことによって葉を食べられても生きて再生できる
さし芽やさし木のように部分から再生することもできる
接木すらできる
逆立ちをした人のように、根が重要な頭脳にもなっているという
20種類の知覚を持っているとも言われ、人間の五感以上の知覚能力が発達しているのだ
単細胞生物にその起源を探ると光合成ができるミドリムシ:ユーグレナと光合成ができないが繊毛を持っているゾウリムシに比較対象を求めることができる
日本では、ミドリムシを研究しビジネスとして取り扱って成功した例が分かりやすいかもしれない
この著者の感覚とは日本人ならではの商売感覚は、植物に対しても違うのかもしれないと感じる話しでもある
そして知覚と併せてコミュニケーションについても
BVOC 生物由来揮発性有機物
を起点に論が進む
例えば
ジャスモン酸メチル
ストレスにさらされた多くの植物が発するBVOCだ
これがメッセージであり共通の言葉になっている
言葉といっても、言語に共通する根っこのようなものと考えられる
草食の昆虫に食べられている時、SOS信号にあたるBVOCを発し周りの植物に伝える
すると周りの植物は防衛行動を開始する
例えば葉を消化できなくする化合物を出したり、葉を有毒にする化合物を作り出す植物すらあると言う
トマトのSOS信号は強烈らしい
ハエトリソウなどは知られていたが、食虫植物として肉食の植物を認識させたのはチャールズダーウィンだったという
植物研究は息子に譲って、動物学に追われたダーウィンだったが、植物研究も画期的なものだったようだ
植物の知覚を農業で取り組むのは音響農法だ
音楽を聴かせて育てたトスカーナ地方のブドウは発育良くポリフェノール含有量も多く美味しく育った
そして害虫にも忌避効果があったことから無農薬、低農薬栽培としてのグリーン経営プロジェクトのひとつになったそうだ
重力知覚や空気中や地中の含有成分、化学物質への感知、測定する能力
根は数メートル離れた栄養素を知覚で捉えている
また汚染物質など有害成分からは遠ざかろうとする
バイオテクノロジーではファイトレメディエーションという有害物質を分解して無害化する技術も研究されている
植物の構造
神経系統に当たるのは、維管束系の木質部と師管部という二つの原形質連絡がそうだ
電気信号、水、化学物質の三種類の内部コミュニケーションが成り立っている
動物は脳に集約される集中管理システムであるのに対し、植物は、葉から葉や根へ 寝から葉や根へ直接信号を送れる分散型管理システムだ
モジュール構造の植物ならではの内部コミュニケーションだ
植物同士のコミュニケーション
松やブナなどは葉 特に樹冠は触れ合わないように成長する
どうやら化学物質を発散させてコミュニケーションを図っているという
種族、親族の判別もしているという
根が重要な判断をする
根圏を持つ
そこには微生物、細菌、菌類、昆虫などが含まれる土壌だ
ライマメは、草食のダニからの食害に遭うと化学物質を発散し肉食のダニを呼び草食のダニは肉食のダニに食べられてしまう
そして繁殖の戦略
オフリス・アピフェラというランの花は蜂に擬態するという
ルピナスの花の昆虫活用方法やアルム・パレスティヌムというサトイモ科のブラックカラーはハエを花に閉じ込めて花粉だらけにするなど様々な戦略を見つけ出せるという
果実という方法で動物に種を運んでもらうこと
種が熟成するまでは毒性を持っている果実もある
逆に栄養価の高いエライオソームという付属物を付けた種もある
人間もまた植物との共生関係にある
AI人工知能のことも知性と呼ぶのだろうか
生命が持つ知能のことを知性と呼ぶのには抵抗は少ないだろう
人間が知性という場合、人間の知性と同じものを指している
水素の発信する周波数が1420MHzだから地球外知的生命体もこの周波数帯を使うだろうと予測されていたからこそ、有名なWao信号というものが受け入れられているのが実態だ
しかし植物の知性は人間の知性とは異なる
植物学者の感覚からは、宇宙人がいても宇宙人の知性を理解できないだろうと思われても仕方ない