アレッサンドラ・ヴィオラのレビュー一覧

  • 植物は<知性>をもっている 20の感覚で思考する生命システム

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    人間は動植物の頂点にいる。
    言葉を操り、道具を使い、他の動物たちの精子を握り、植物たちを管理する。
    そんな思い込みは単なるおごり以外の何物でもない。
    人間たちは自身を万能だと思っているが、実は下等だと思っている植物たちに「使われている」だけなのかもしれない。

    植物に脳はない。
    しかし脳がないから知性がないという結論は、あまりにも植物を知らぬし軽視しすぎている。
    植物たちは動物のように大事な器官を作らないことを選択した。
    そうすることで生存率を高めたのだ。
    つまり、リスク分散というわけだ。
    動物は脳や心臓がないと死んでしまうし、手や足がもがれたら死んでしまうそうだから。

    「人媒」も有用だ。
    なんとこの戦略の優れた事か。風で飛ばされたってせいぜい数十キロ、鳥が運んだってせいぜい数千キロ、でもこの人間というやつらを使えば......。
    本書では動物を巧みに操る能力を、植物は人に対しても持っているかもしれないと指摘する。
    人間が好むような花、果実雨、味、香り、色......これらをちょいと変えさえすれば、驕り高ぶったこの生物はまんまと我らの術中にハマる。
    病気から守り、快適な環境を与え、子孫を増やしてくれるのだ。
    今までいけなかった場所にだって連れて行ってくれる。
    下等なフリさえしていれば、蝶よ花よ、だ。なんと単純なこと!

    我々は一段低く見られ続けてきた。
    ノーベル賞をとるに値するような研究も、動物でないから無視された。
    未知なる世界は広がっているのに、私たちには見向きもしなかった。
    そして知性は動物、とりわけ人間だけのものだと思われてきた。
    しかしその前提は疑問が残る。
    誰かを一段低く見て、貶めて得る知性は本当に知性なのか。
    そもそも知性とは何か。
    我々だってコミュニケーションをとる。
    危険が迫ればクリッカー音を出す。
    ツルを振り回して伸びてもいけるし光を探して伸びることもできる。
    家族であれば互いに限られた栄養を取り合ったりはしない。

    知性とは何であろう?
    私は考え続けている。

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    2016年05月26日
  • 植物は<知性>をもっている 20の感覚で思考する生命システム

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    植物の知性についての本。植物の権利と地位向上のための本と言っても良いかもしれない。植物の知性を理解するには植物と動物の違いを理解する必要がある。重要な臓器を持たず、それ故に脳がないこと。体の各部分が独立した能力を持ったモジュールで、それが集まったコロニーのような構造であること。どこかが食べられたりして欠損しても致命傷にならず再生できること。そのため体の各部分に情報処理機能があり、インターネットのように分散型の知性である。特に根系は根冠が無数にあり、それが互いにコミュニケーションをとり全体としての知性が創発していると説く。根のネットワークをニューロンと仮定すると根が思考を持っていても良いのかもしれない、などと思った。そのようにして植物を眺め、その生き方を知ることはこの世界に深みを持たせる。

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    2016年05月05日
  • 植物は<知性>をもっている 20の感覚で思考する生命システム

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    植物が人間や他の動物と同等、あるいはそれ以上に優れた生物であることを解説した本。植物の優れた特性、腫を広げるための驚くべき戦略の数々がたくさん紹介されていて非常に興味深い。ただ図版や写真が少ないので、紹介されている植物のイメージがつかめないところが残念。
    いずれにせよ、植物に対する認識が一変する良書。
    本書内で、植物が自分の繁殖のため、昆虫や動物はもとより、人間までも利用しているのではとの説が紹介されていたが、未だ解読不能の奇書「ヴォイニッチ手稿」の植物と思しきイラストが載っている一連ページの解釈として、人間は植物のための養分として生かされているという解釈をネットで発見し、この解釈がもしかしたら合っていて、事実なのかもと思い、ちょっとぞっとした。また、本書では、人間に知られている植物は全植物種の10~15%にすぎないらしいことが紹介されているが、それが事実だとすれば、「ヴォイニッチ手稿」で描かれている数々の植物は、今のところ存在が確認されてないだけで実在するのかもしれない・・。

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    2016年03月05日
  • 植物は<知性>をもっている 20の感覚で思考する生命システム

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    ネタバレ

    確かに本書が述べるように、植物は感覚をもっていて、コミュニケーションを行い、眠り、記憶し、他の種を操ることができるのですが、それを「知性をもっている」と表現しています。確かにそう思えるいっぽうで、新たにこんな疑問が私には浮かびました。「それじゃあ、植物は意志をもっているのだろうか」と。それとも、知性=意志なのか?人には随意筋と不随意筋があるように、植物にも随意筋のようなものがあるのだろうかと思ったもので。この本を読んで、私の謎は深まるばかりです。

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    2016年02月20日
  • 植物は<知性>をもっている 20の感覚で思考する生命システム

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    植物は我々と同じ様に五感を持っているのに加えて、化学部室を感じる力、湿度を正確に測れる力等植物の知られざる能力を書く。

    同族が有利になるように働く力「親が同じ種を育てたところ、根はあまり干渉しないようにし、上に芽が伸びていった。
    親は異なるが同じ種類の植物の種を同じ様に育てたところ、根を競い合う様に広げていった」は興味深かったな。

    その他学び
    ・トマトは昆虫に襲われると匂いを出し他の植物にも知らせる。
    ・根は味覚を持ち、より栄養のある土を探し伸びる
    ・一般的に考えられているウツボカズラ等の食虫植物の他にも、粘液で虫を殺し、その死骸が土に返ることで、足りない栄養分を補おうとする植物もいる。
    ・根は音を出すことで(細胞が壊れるときにカチッと言う音を出す)他の植物に自分の存在を教え、根が密集しないようにしている可能性がある。

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    2026年07月03日
  • 植物は<知性>をもっている 20の感覚で思考する生命システム

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    とても良い

    地球上全体を見れば、その生物の中で動物はわずか1%程度の個体数しかない
    総重量でいうと0.3%しかない
    動物は植物がいなければ絶滅するだろうが、植物は動物がいなくなっても繁栄を続けることができる

    植物の根端は情報センサーであり情報発信ネットワークのひとつだ
    インターネットの形態はこれに近いものだ
    集合知が生み出すものは創出と呼ばれるそうだ
    大きな拍手の渦や、ウェーブのように個体ではなし得ないものが創出されるのだ

    そもそも植物は生き物なのかと、その昔は哲学の対象となっていたと言う
    魂についても知恵についても考察されてきた
    イスラム教のコーランでは植物は生き物から除外されているし、ノアの方舟にもあるようにキリスト教でも動物とは区別されてきた
    デモクリストは逆立ちをした人間のようだと考え、後の哲学者ソクラテスは移動できない動かないものだとして生物から排除する考えだったそうだ
    晩年になってソクラテスも、植物が繁殖する事をもって生物の仲間に組み込まざるを得ないと考えを改めたそうだ

    生物の細胞は植物の研究で解明され、遺伝についても有名なメンデルはえんどう豆で研究したのだった
    DNA同様、RNAの研究も植物で研究されたものを、動物の遺伝子で研究した学者はノーベル賞受賞だった

    今や生物としての認識は一般的になったものの、それでも人間を頂点とする動物とは別の一応生き物だと感じている人が普通なんだろうと思う

    植物はモジュール構造を選択したことによって葉を食べられても生きて再生できる
    さし芽やさし木のように部分から再生することもできる
    接木すらできる

    逆立ちをした人のように、根が重要な頭脳にもなっているという
    20種類の知覚を持っているとも言われ、人間の五感以上の知覚能力が発達しているのだ

    単細胞生物にその起源を探ると光合成ができるミドリムシ:ユーグレナと光合成ができないが繊毛を持っているゾウリムシに比較対象を求めることができる

    日本では、ミドリムシを研究しビジネスとして取り扱って成功した例が分かりやすいかもしれない
    この著者の感覚とは日本人ならではの商売感覚は、植物に対しても違うのかもしれないと感じる話しでもある

    そして知覚と併せてコミュニケーションについても
    BVOC 生物由来揮発性有機物
    を起点に論が進む
    例えば
    ジャスモン酸メチル
    ストレスにさらされた多くの植物が発するBVOCだ
    これがメッセージであり共通の言葉になっている
    言葉といっても、言語に共通する根っこのようなものと考えられる
    草食の昆虫に食べられている時、SOS信号にあたるBVOCを発し周りの植物に伝える
    すると周りの植物は防衛行動を開始する
    例えば葉を消化できなくする化合物を出したり、葉を有毒にする化合物を作り出す植物すらあると言う
    トマトのSOS信号は強烈らしい

    ハエトリソウなどは知られていたが、食虫植物として肉食の植物を認識させたのはチャールズダーウィンだったという
    植物研究は息子に譲って、動物学に追われたダーウィンだったが、植物研究も画期的なものだったようだ

    植物の知覚を農業で取り組むのは音響農法だ
    音楽を聴かせて育てたトスカーナ地方のブドウは発育良くポリフェノール含有量も多く美味しく育った
    そして害虫にも忌避効果があったことから無農薬、低農薬栽培としてのグリーン経営プロジェクトのひとつになったそうだ

    重力知覚や空気中や地中の含有成分、化学物質への感知、測定する能力
    根は数メートル離れた栄養素を知覚で捉えている
    また汚染物質など有害成分からは遠ざかろうとする
    バイオテクノロジーではファイトレメディエーションという有害物質を分解して無害化する技術も研究されている

    植物の構造
    神経系統に当たるのは、維管束系の木質部と師管部という二つの原形質連絡がそうだ
    電気信号、水、化学物質の三種類の内部コミュニケーションが成り立っている
    動物は脳に集約される集中管理システムであるのに対し、植物は、葉から葉や根へ 寝から葉や根へ直接信号を送れる分散型管理システムだ
    モジュール構造の植物ならではの内部コミュニケーションだ
    植物同士のコミュニケーション
    松やブナなどは葉 特に樹冠は触れ合わないように成長する
    どうやら化学物質を発散させてコミュニケーションを図っているという
    種族、親族の判別もしているという
    根が重要な判断をする
    根圏を持つ
    そこには微生物、細菌、菌類、昆虫などが含まれる土壌だ
    ライマメは、草食のダニからの食害に遭うと化学物質を発散し肉食のダニを呼び草食のダニは肉食のダニに食べられてしまう

    そして繁殖の戦略
    オフリス・アピフェラというランの花は蜂に擬態するという
    ルピナスの花の昆虫活用方法やアルム・パレスティヌムというサトイモ科のブラックカラーはハエを花に閉じ込めて花粉だらけにするなど様々な戦略を見つけ出せるという
    果実という方法で動物に種を運んでもらうこと
    種が熟成するまでは毒性を持っている果実もある
    逆に栄養価の高いエライオソームという付属物を付けた種もある
    人間もまた植物との共生関係にある

    AI人工知能のことも知性と呼ぶのだろうか
    生命が持つ知能のことを知性と呼ぶのには抵抗は少ないだろう

    人間が知性という場合、人間の知性と同じものを指している
    水素の発信する周波数が1420MHzだから地球外知的生命体もこの周波数帯を使うだろうと予測されていたからこそ、有名なWao信号というものが受け入れられているのが実態だ
    しかし植物の知性は人間の知性とは異なる
    植物学者の感覚からは、宇宙人がいても宇宙人の知性を理解できないだろうと思われても仕方ない

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    2022年12月15日
  • 植物は<知性>をもっている 20の感覚で思考する生命システム

    Posted by ブクログ

    結局、移動を選んだのが動物、定住を選んだのが植物。一見、動物の方が偉いように見えるが、植物が消え去ったら人間の生活は持たない。一方で動物が消えたら植物はこれまで動物に奪われていた領土を奪い返し、わずか数年で完全に取り戻すに違いない。

    コペルニクス革命以前、地球は宇宙の中心にあり、すべての星々が地球の周りを回っていると考えられ、人間中心の考え方で捉えられていたわけだが、現在の生物学もコペルニクス革命前にあるといっていいということで、光を感じる視覚や、嗅覚を使った植物同士のコミュニケーションについて語られる。

    緑の多い街は犯罪が少ないという事実もいい。なぜかは分からないが感覚的に分かるし、とりあえず、家に緑は増やしておきたいと思った。

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    2020年09月17日
  • 植物は<知性>をもっている 20の感覚で思考する生命システム

    Posted by ブクログ

    知性があるのは分かったが何故?どうして?どうやって?まで踏み込んでいない。
    たぶんまだ知識の集積が不足していて、それだけずっと植物は軽視されてきたんだろうなと。
    植物からイノベーションくる?

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    2017年06月13日
  • 植物は<知性>をもっている 20の感覚で思考する生命システム

    Posted by ブクログ

    ここでいう知性は「問題を解決する能力」と定義されている。人間は人間>その他動物>植物と優劣意識を持ちがちだが、そんなことはないと著者は指摘する。例えば植物は大部分が捕食されても、数日すれば再生する。(生命機能を分散するモジュール構造)。移動ができないからといってそれで終わるのではなく、甘い香りで昆虫を呼び寄せ受粉のサポートをさせて子孫を残すのも植物ならではの一例。
    夏の暑い日、気が付けばそんじょそこらに雑草が伸びている。それは植物が長い間時間をかけて自らの生命維持を試行錯誤してきた過程の結晶なのだろう。雑草うぜー、などとは言っていけないですね。

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    2017年01月09日