伊東ひとみのレビュー一覧

  • キラキラネームの大研究

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    ネタバレ

    タイトルが秀逸。
    タイトルだけだと、「キラキラネームにはこんなんありますよ。ひどいでしょう。世も末ですね。」みたいなことが書いてあるように思えるが、実際は非常に真面目で、キラキラネームへの偏見が消失してしまったほど。

    これが、内容に即して「読めない名前の近代史」みたいな真面目タイトルだったら、自分含めて誰も買わなかっただろうな。どこでこれを買ったか全く覚えてないが、自分も絶対タイトルに惹かれて買ったんだろうし。

    自分もキラキラネーム、DQNネームはクソだなと思ってたし今もそう思ってるけど、単に流行りとかそういう話じゃないんだなと気づいた。
    今だけ起きてる問題というわけではなく、理由はもっと

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    2021年12月19日
  • キラキラネームの大研究

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    身近にある現象から深い漢字のことばの森奥までたどり着いたのは感心しました。言葉の言霊は現実から離れましたが。ネーミングの原理、人名の歴史、漢字政策については丁寧に資料を集めてくれました。論述も誠実さが溢れています。特にキラキラネームそのものに対して取りすべき態度の思考、興味深いテーマを残してくれました。過去や現在がなければ、未来はなし。キラキラネームに対する態度は我々の現状を問い、未来への選択を問うといえるだろう。

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    2018年05月22日
  • キラキラネームの大研究

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    ものすごく軽~い書名ですが、
    中味はなかなかの読み応え
    単なる 「イマドキの命名は…」になっていない
    読み応えのある一冊になっています

    筆者が古典文学に精通しているのも
    その論考の厚みになっていますね

    巻末の参考文献のランンアップが
    とても興味深い

    名付けの意味
    名付けもまた その時代を反映する
    名付けもまた その教養が背後にあった(!)
    名付けもまた その教養のあるなしが大きく左右する

    「漢字」そして「感字」の造語
    いやはや 楽しい時間が持てました

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    2015年10月03日
  • キラキラネームの大研究

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    名付けをきっかけとした、日本人と漢字との関係の歴史を考察した1冊。
    タイトルは軽いですが、中身はしっかりしていると思います。

    正しいか正しくないかは置いておいて、とても納得できる内容です。
    と同時に、我々がいかに薄っぺらな漢字の世界に生きているか、反省させられました。

    知識の浅さが若干気になる点もありましたが、個人的には、十分に満足できました。

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    2015年08月09日
  • キラキラネームの大研究

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    変な四股名、有職読み、織田信長のフルネーム、嘆く兼好法師、醜名にされる罰、「名を知られると支配下に置かれる」、ひどい海外のキラキラネーム、中国人の「@」さん、明治五年頃一氏一名になり創作難読姓続出、間違って「西郷隆盛」になった、森鴎外とか与謝野晶子の子孫の名前、漢字がムズすぎて国民が賢くなれないから戦後ごっそり制限され雑に簡単な字にしたりで字の本来の意味が失われたりした、誰しもが同レベルの漢字教養を身につけたことにより気軽な文字表現→キラキラネーム増も必然、漢字が感字になる懸念
    思ってたより重厚で読みごたえある、大研究だ

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    2025年11月12日
  • キラキラネームの大研究

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    面白かった。
    所謂キラキラネームと呼ばれる名前が多いのは、今日的な現象だと思っていたが、歴史を紐解いていくと、特段現代の風潮ではないことがわかった。
    それにしても、言語って奥深い。日本語に関していうなら、漢語と大和言葉のせめぎ合い(?)の歴史だ。
    当たり前のように学校で国語を学んできたが、そこには政府の国語政策が存在していることを改めて認識した。

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    2023年10月30日
  • キラキラネームの大研究

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    ネタバレ

    幼名、諱(いみな)があった戦国時代から姓名を持つようになった明治時代まで名前の歴史を丁寧に記されています。読み書きも満足にできる人がいないくらいに漢字が普及していないのでカタカナ名前も多かった。漢字の名前をつけることができた人は中国古書を読んでいる人だった。人名漢字も現代に至るまでに数回整備されており、教育も進んだことから名前の幅が広がったのではと推測しています。
    .
    人名漢字の追加要望で「胱」「腥(生臭いの意)」が挙がったこともあるとか。月の光、月と星だけど意味は汚い。現代人は名前の音に字面や画数を合わせる「感字」名付けの傾向にあるんじゃないか?と危惧する形で〆られておりました。「見続ければ

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    2022年01月31日
  • キラキラネームの大研究

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    キラキラネームの起源、遡ること1000年以上前の話になっていて非常に面白かった。
    歴史上の有名な人物も子供には独特な名前をつけていて意外だった。
    昔は教養のある人だけが漢字を使っていたという事実を知れてよかった。

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    2021年09月23日
  • キラキラネームの大研究

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    色々と事例に踊らされてる感じはすごい
    最後の章にあった
    当用漢字が設定されたことによって
    漢字の敷居が下がって「漢字感覚」みたいなものが変化していったから、キラキラネームにつながったのだ
    という考えには一理あるし、
    キラキラネーム自体への否定以外の捉え方なのかなって思った

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    2020年12月03日
  • 地名の謎を解く―隠された「日本の古層」―(新潮選書)

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    各地に散らばる個々の地名について述べることが横糸だとするならば、本書は日本の太古からの歴史・信仰・コトバをめぐる縦糸だと言えよう。もし読者の関心が身近な地名の由来を表面的に知りたいだけだとしたら退屈な遠回りのように思えるかもしれないが、参考文献が多く載せられているので、本書を足掛かりにしてほかの文献へと地名の探求を広げていくとよいのではないだろうか。

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    2020年10月28日
  • キラキラネームの大研究

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    子供への名付けほど迷うものはない。
    字画、音、漢字、意味、言いやすさ.....。
    迷いに迷い、最近の名付け本などを開くと、眩しすぎるお名前ばかり。
    いや、やっぱりここは中学時代から考えに考え抜いたあの名前でいこう!
    そして保育園に通うことになって、同じクラスの子供達の名前を聞いてみると、かわいいしかっこいい、けれど漢字を目の前にしてみると、読め.......ない。
    しかし半年も経てば慣れてきて、読めなかった名前が「普通」に感じるようになる。
    何が「普通」かは慣れによるものが大きいのかもしれない。

    批判されているキラキラネーム。
    だが、はてさて、本当に「光宙」(ピカチュウ)なんているのか?

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    2017年03月16日
  • キラキラネームの大研究

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    p.218
    彼らは、漢字の素養に支えられてきた伝統的な漢字の常識に囚われていない。いや、「囚われていない」というより、旧来の常識を「知らない」と言ったほうが正しい。ましてや、その常識が、「漢和辞典」的な規範にのっとりながらもマニュアル化されたものではなく、高い教養によって制御していく曖昧なものだとは知る由もない。
     第三世代が知っているのは、音訓や字体がきっちりと整備された、カジュアルで平易な漢字の世界だ。要するに、彼らは漢字世界の歴史的な奥行きを知らず、そこでの柔軟な用法を支えている“塩梅”や“加減”などわからない世代なのである。

    p.221
    伝統的な漢字の常識からかけ離れたキラキラネ

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    2019年08月02日
  • キラキラネームの大研究

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    ネタバレ

    専門だけあってか、割と後半も面白かったです。
    なんだ、日本は昔からキラキラネームだったのか、と。
    和える、の漢字の感覚とか、あ、和子も変な読み名前なのね、と。

    何事も、一人よがりの考えすぎは良くないのだなあ、と遠い目。もうちょっと漢和辞典読もうよ…と思った。

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    2015年09月07日
  • キラキラネームの大研究

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    名前の付け方、読み方について詳細に記されており、読む価値のある本です。タイトルは軽いですが中身はまっとうで社会人の知識として損はないものです。

    本書第六~第七章の考察で多くは理解できます。
    字の持つ意味を無視した漢字を用いことへの解釈は丁寧に解き明かされていますが、私には文化的側面が抜け落ちているように感じます。
    微笑ましいキラキラネームではなく、愛夜姫と書いてアゲハと読ませる子供を水商売にするつもりかのような親の精神構造、DQNネームの問題には突っ込みが足りません。(伊藤氏は文中でDQNネームの呼称を何度も使用している)
    序盤で多少触れられていますが、結局は程度の低い親の問題かもしれません

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    2015年08月11日
  • キラキラネームの大研究

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    いわゆるキラキラネームが今なぜマジョリティになりえたのか。
    読みづらい名前、おいおいな名前は昔からあった。
    そもそも、日本語とは、漢字とは、日本人の名前とは、といろんな観点から切り取って見せてくれる。
    これは面白かった。

    何より、ぼく自身の名前自体が、それなりに「キラキラネーム」の一派だったことを思い知った。

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    2015年07月14日
  • キラキラネームの大研究

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    我が子への無理読みな命名。最近流行りのこの現象について,真面目に考えた一冊。揶揄と嘲笑に満ちたいわゆるDQNネームサイトとは一線を画する内容で,殊更に取り上げられる奇嬌な名前は都市伝説だったり極一部の特殊例であることを確認した上で,日本語や名前の歴史を踏まえつつ中立的な立場で論じている。さすが書籍の貫禄というところ。
    一見キラキラに見える鴎外の名付けと現代の名付けの比較などを通じて見えてきた結論は,漢字のカジュアル化。無理読みは昔からあったし,そもそも訓読みの本質は無理読みである。それが教養と伝統の文脈を無視して大衆化し花開いたのが,キラキラネームの現状,ということになる。そしてこの動きはIT

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    2015年07月02日
  • キラキラネームの大研究

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     どうやって読んだらいいのかわからない名前が増えてきている。例に上がっているのが以下の名前だ。

    1.「苺苺苺」
    2. 「紗冬」
    3.「愛夜姫」
    4.「手真似」

    モクモク羊は、「いちごたくさん」、「さゆ」、「あやひめ」、「てまね」と思ったが、甘ちゃんだった。正解は、「まりなる」、「しゅがあ」、「あげは」、「さいん」。

    著者によると、このような名前を付ける親は一部の特定の人たちに限らない。むしろ、日本語の歴史をたどると「無理読みは伝統だった」と述べている。

    今でもキラキラネームに対して批判している人はいるが、今に限ったことではなかった。古くは「徒然物語」の著者の吉田兼好や、江戸自体の国学者

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    2015年05月18日
  • キラキラネームの大研究

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    「宇佐八幡宮神託事件」の概要が面白すぎる…!
    悪いことして島流しにされることになった清麻呂って人が、名前まで穢麻呂(きたなまろ)に改名させられるという不思議な罰を受けているのが記録に残っているらしい。語呂がめちゃめちゃ悪くて笑ってしまう。

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    2025年06月10日
  • キラキラネームの大研究

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    キラキラネーム、DQNネームと呼ばれるものについて、その種類、成り立ち、明治期の難読名(森鴎外子女など)との比較などを日本における漢字の変遷と合わせて整理されている。
    子供の名付け界隈にアンテナを張ってないので、世間のキラキラネーム耐性が徐々に強化されている現状は知らなかった。なるほど戸籍にふりがなが追加される時代になったのだなあ。
    それよりも日本の漢字の歴史について知らないことが多すぎる。名乗り、代用字。こういう知識がない自分にキラキラネームを笑えないなと思った。

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    2025年03月26日
  • キラキラネームの大研究

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    日本の正式名称は「日本」であって、それを「にっぽん」と読もうと「にほん」と読もうと頓着しない、そういう国に私達は住んでいるのだよ。著者の個人的な「馴染み」でキラキラネームを批判する姿勢がイケすかない…と読んでいた。が「断層」章以降で漸く少し著者の言わんとしていることが解って。個人的に創作の域と思われる名付けも、想定外の「よみ」も肯定派だ。でも使う字が持つ個性はしっかり知った上で深い共感と共に用いる、字への敬意は大切にしたい

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    2024年07月27日