宮山香里のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
小学校3年生の時に初めて読んで、私がファンタジーにはまるーひいては本の世界にはまるようになったきっかけの本。
何度も何度も読んで、表紙がボロボロになり大学生になってから買い直したくらい大好きです。
物語自体は作者の初めての作品で、深く考えたらどうなの?っていうところ(たとえば下巻に入ってルージャンとフィツが話せている理由とか)はあるけど、そういうところを考慮したうえでもすばらしいです。
現代の私たちに貧しさなんてわからないはずなのに、この本を読むとリアルに貧困とはどういうものなのか感じます。
もっと多くの人に読まれるべき小説だと思います! -
Posted by ブクログ
たくさんの大切なものが詰まった素敵な本です。
読み終わった後、生きることの苦しみや素晴らしさが胸に広がって、ありきたりな感想だけど、読んで良かった!と思いました。
この本の良い所はお話だけじゃなくて、世界観がとてもしっかりしているところ。
物語の世界・クローシャの地図はもちろん、通貨や時間、他にも気候、文化などが絵と共に紹介されています。
クローシャ大百科事典なんてのもあって、それだけで62ページもあります!
各章ごとにそこで登場する町や人の説明の絵が載っているのもすごく細かいし可愛いんです。
児童向けにしては、シビアでエグイシーンが多くてファンタジーにしてはリアル。
でもそれを乗り越えていく -
Posted by ブクログ
ネタバレ下巻はペチカとともに教会で過ごしたルージャンの物語から始まる。ルージャンは教会にいたころいじめっ子のリーダに逆らうことができず、一緒になってペチカをいじめていた少年。それを一言謝りたくて、教会からいなくなったペチカを探して旅をしている。食べ物の大切さを知らずペチカに配給されたパンをわざと落とし汚れたパンを食べるペチカを笑ったこと。だがすでに1年が経過しクローシャ大陸の南から北まで縦断してしまった。
アルバイトで釣り鐘の清掃をするために高い塔に登ったときなんと妖精フィツと出会った。フィツは羽を無くし妖精の国に戻れないでいた。妖精であっても人間世界では食べなくては死んでしまう。小さな体で毎日を必死 -
Posted by ブクログ
ネタバレ国産ファンタジー。貧しい少女、彼女を痛めつける悪いおばさん、悪巧みをするおじさん、良い妖精と悪い妖精、など人物設定はかなり王道だが、翻訳版があれば世界でもヒットすると思うほど、ワクワク、ハラハラ、ときに腹立ち、そして泣けてくる物語。そしてびっくりしたのが巻末の付記が細かく書かれていてるところ。とても上下巻で完結する物語とは思えないほど細かいプロットだ。
ペチカは暖かい家、温かい食事、優しいお母さんの元で幸せに育った。母を亡くし、家を失うまでは。教会に預けられてからのペチカは守頭をはじめ、少年たち、パン屋さん、だれもが彼女を虐げ、12歳になる頃にはもう誰も信じられなくなっていた。動物を蹴り飛ば -
Posted by ブクログ
ネタバレ久々に再読して、あっれーこんなにバイオレンスな話だったっけー?と(笑。
もっとほっこりした気がしたけど、別の話の記憶が混ざってたっぽい。
なにせ次の酷い目に合うために、今日を生き延びているって感じでしたからね…。
ペチカの性格の悪さは覚えてたけど、フィツが思ってたより問題児だった件。
守頭は本気でバイオレンス&ホラー。
ともあれ、ぶっちゃけルージャンは許さなくてよしって思いましたよ…わりと終盤まで。
何かこう、オトコノコって…やりすぎても好きだからこそだし謝ったんだから赦されてしかるべきみたいな甘ったれちゃんな部分がありますよネー。
ルージャンはそれでも、謝罪を拒否られて現実を見据えるだけま -
Posted by ブクログ
フィツとわかれたペチカは新しい町で、優しい夫婦のもとで働いていた。はじまりの町とは全く生活が変わり、住む場所も働く場所も確保して、比べるまでもなく幸せに近づいています。変わって、いじめていたルージャンに視点が映り、ペチカを探す日々を一旦諦め、別の町で暮らしていたが、ひょんなことからフィツと出会い、再び外へ出て、ペチカと出会います。免れた妖精の日が再び迫り、たくさんのひとたちが犠牲になる中、フィツが、ペチカが、ルージャンが頑張る姿にひきこまれます。自分が思っているよりすごいっていう言葉が響きます。最後はうふふな展開でちょっとその後とか出来たら覗きたかったです。