宮山香里のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
#新刊ラジオ で激しくおススメされていたので読んでみた。
上下巻と長編だが、読む価値はある。というより、是非読むべき物語。
「感動した」と言ってしまうと陳腐な気がするが、とても大切にしたい物語だった。
上巻は、設定資料集つき。世界地図も上巻のみ。
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世界は滅びるべきなのか?その恐るべき問いの答えを得るために、妖精フィツは地上へとやってきた。最初に出会ったひとりの人間を九日間観察して判断することがフィツの使命。しかし、フィツがたまたま出会ったのは極めて性格の悪い少女ペチカだった…。単行本未収録の設定資料集を新たに追加して、感動のロングセラー、ついに文庫化。 -
Posted by ブクログ
幼い頃にこの本を読めていたら、とてもとても感動しただろう。
これだけの辛い道のりを必死で歩んできたからこそ、優しくしようとしても許せなかった気持ちがあったからこそ、最後のペチカの言葉がとても重く、私の気持ちにスッと入ってきて、私の中の紫に染まる気持ちを溶かしてくれた気がする。
人はたくさん間違うし、自分勝手だったりする。けれど優しくて、優しくなくても、優しく変われる。
よく耳にする悪く言えば綺麗事だとすら思える言葉が、この作品の中で生きていたペチカやルージャンの変化と、フィツの経験によって、こんなにも心に響くのかと。
私もまだまだ、変わりたい。そして人も変わる。嫌いな人が好きになるかもし -
Posted by ブクログ
「童話が人間の集合的無意識からもたらされるもの…」
という解説の一節が興味深い。
本作品が不特定多数の人間によって書かれたものでは多分ないし、
宮部みゆき女史の『英雄の書』にある、物語が産まれ回帰する“無名の地”から
生まれたわけでもないだろう。
血の通った人間が書いている以上、物語は現実世界と、
そしてそこに生きる人たちと繋がっているんだなと教えられる。
本作品は決して商業的に書かれたものではなく、
作者が本当に書きたい話を書きたいように書いたと思う。
それゆえ、より強く現実世界との繋がりを感じることが出来た。
フォロワーが別作品のレビューで同じようなことを伝えているけど、
その捉え -
Posted by ブクログ
ネタバレ友人に聞いて借りたファンタジー小説。
世界観の設定がものすごくしっかりとしていて、これぞファンタジー小説!!という感じがする。
壮大なストーリーではあるはずなのに、少女が主人公で、この少女が何とも人間くさいせいもあってか、「懸命に生き延びている」という感じがして、彼女の世界の狭さを知る様だった。
実際、彼女、ペチカが求めてることはといえば、誰にも追われずに狙われずに静かに暮らせること、だったんだろうなあ、とは。
しかし追いかけて行ったルージャンの成長っぷりには目を見張るものがあります。
ルージャンいい男だよ!けどなんだかすごく不憫臭が漂っているよ!!
そして、騒動の根本?となったフィツですが、 -
Posted by ブクログ
内容…★★★★★
人物…★★★★
文体…★★★★
上巻はどこまで読んでも正直ペチカが好きになれない。
ペチカがどんなに暴力を受けようと、哀れなくらい質素な生活をしていようと同情してあげられないのは、彼女の行動もかなり非道だからかもしれない。
やられっぱなし、もしくはされた相手に仕返しするんならいいけど、
猫を殺してしまったり、小さな妖精に暴言を吐いたりと
自分より弱いものに当り散らしているから、結果ペチカのほうが悪いように見えてしまう。
これは下巻になってもちょくちょく出てくるので、ペチカの性格が元から良くないのだと思われる。
下巻の半分に差し掛かったころ、ようやくペチカが好きになってくるの