あらすじ
妖精フィツとの突然の別れから一年、十四歳になった少女ペチカは大都市パーパスで暮らしていた。初めて幸せを手にしたかに見えたペチカだったが、世界の最後を告げる「妖精の日」はすぐそこまでやって来ていた……。すべてが崩壊へと向かう中、始まるペチカの最後の旅。そして感動のクライマックスへ!各誌紙で絶賛された長編冒険ファンタジー。
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成長した少女ペチカは幸せを掴んだようにもみえるが、心の底では納得していない。離れ離れになっていた妖精フィツと苦難の末に再開するが、世界の終わりを告げる「妖精の日」が始まってしまう。
結末は妖精レベルでは何ということもないのだろうが、人間レベルとしては涙を浮かべて読まざるを得ない。
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ゆるす旅はまだ途中。これからも血みどろにまで発展することもあるのだろう。しかし、怒りを生み出す孤独を強い意志で包み込む存在が、かろうじて世界を維持する。
全般的に荒削りですが、グッとくるところの多かった物語でした。
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感動の物語は、下巻で終わってしまう。
とても優しくなれる物語。
だけど、守頭という人は、バイオハザード2だかに出てくる巨大な人を彷彿とさせますね。
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妖精フィツとの突然の別れから1年、14歳になった少女ペチカは大都市パーパスで暮らしていた。初めて幸せを手にしたに見えたペチカだったが、世界の最後を告げる「妖精の日」はすぐそこまでやって来ていた…・。すべてが崩壊へと向かうなか、始まるペチカの最後の旅。そして感動のクライマックスへ。
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親、そして、優しさを亡くし、貧困であるがために毎日、生にしがみつくように暮らしていたペチカ。全てのものが永遠に変わることのない世界から来た妖精、フィツ。周りに流されるようにしてペチカをいじめていたルージャン。この3人が、生まれ故郷から抜け出し、人や自然の温かさや優しさ、厳しさ、醜さ、美しさ、世界の広さなど、様々なことに出会う事で、少しずつそれぞれが成長していく物語。新たな旅立ちや、旅の途中の休息の際に読みたくなる、背中を押してもらえる、そんな物語。
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まとめを見て読んでみました。
もっと早く読んでれば良かったと後悔。
上でのペチカの悲惨さが辛かったのですが、どんどん優しい物語になっていってて素敵でした。
ルージャンとペチカとフィツがもう…最後は泣ける
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幼い頃にこの本を読めていたら、とてもとても感動しただろう。
これだけの辛い道のりを必死で歩んできたからこそ、優しくしようとしても許せなかった気持ちがあったからこそ、最後のペチカの言葉がとても重く、私の気持ちにスッと入ってきて、私の中の紫に染まる気持ちを溶かしてくれた気がする。
人はたくさん間違うし、自分勝手だったりする。けれど優しくて、優しくなくても、優しく変われる。
よく耳にする悪く言えば綺麗事だとすら思える言葉が、この作品の中で生きていたペチカやルージャンの変化と、フィツの経験によって、こんなにも心に響くのかと。
私もまだまだ、変わりたい。そして人も変わる。嫌いな人が好きになるかもしれない。
変わる、変われるというのは、なんて素敵なことなんだろう。
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「童話が人間の集合的無意識からもたらされるもの…」
という解説の一節が興味深い。
本作品が不特定多数の人間によって書かれたものでは多分ないし、
宮部みゆき女史の『英雄の書』にある、物語が産まれ回帰する“無名の地”から
生まれたわけでもないだろう。
血の通った人間が書いている以上、物語は現実世界と、
そしてそこに生きる人たちと繋がっているんだなと教えられる。
本作品は決して商業的に書かれたものではなく、
作者が本当に書きたい話を書きたいように書いたと思う。
それゆえ、より強く現実世界との繋がりを感じることが出来た。
フォロワーが別作品のレビューで同じようなことを伝えているけど、
その捉え方ってなかなか鋭いと思うし、そう考えられる洞察力に感服しきり。
(これは解説者に対するレビューだな)
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友人に聞いて借りたファンタジー小説。
世界観の設定がものすごくしっかりとしていて、これぞファンタジー小説!!という感じがする。
壮大なストーリーではあるはずなのに、少女が主人公で、この少女が何とも人間くさいせいもあってか、「懸命に生き延びている」という感じがして、彼女の世界の狭さを知る様だった。
実際、彼女、ペチカが求めてることはといえば、誰にも追われずに狙われずに静かに暮らせること、だったんだろうなあ、とは。
しかし追いかけて行ったルージャンの成長っぷりには目を見張るものがあります。
ルージャンいい男だよ!けどなんだかすごく不憫臭が漂っているよ!!
そして、騒動の根本?となったフィツですが、下巻では随分と頭が軽くなっていたような……何かの後遺症だったのでしょうか(笑)
何はともあれ一番怖いのは守頭さん。
ではあったのですが、最後の最後、彼女もやり直す機会を与えてもらっても良かったのではないかなあ、と思いました。
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この本は大事なことを考えさせてくれます。
命が有限であること。美しいことを美しいと考えることができる。
誰しもが持っている憎しみ・・・
今は心が整理できていないけど・・・
この本の大きなテーマのゆるし。 今まで、私は人に対して、
本当の意味でのゆるしをしたことがあるか?疑問です。
目の前にいる人をやさしく、大切にしたくなる本でした。
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小学生の頃に初めて読んで、何度か読んでいるものの何年かぶりに再読。
終盤にかけてが涙なしには読めませんでした。
昔に読んだときよりもぐっと引き込まれました。
思えばファンタジー小説にはまったきっかけはこの本だったかも。
何かを変える決断をするときにはまた読み返して、ペチカ達に勇気をもらいたいと思います。
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面白かった!!
新刊ラジオで紹介されてて「どんなだろう?」って思って読んでみたのですが、予想以上でした(^^)
主人公のキャラが良かったのかな?
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今まで読んで来た物語の中で1番になった。ジャンルを越えて。
どうしようもない人間ばかりで、主人公すらも捻くれている。
暗い暗い話の中で、徐々に成長を遂げて行き、暗闇の中から光を掴む。
文章にズイズイ引き込まれて、頁を捲る手が止まらない。
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小学校3年生の時に初めて読んで、私がファンタジーにはまるーひいては本の世界にはまるようになったきっかけの本。
何度も何度も読んで、表紙がボロボロになり大学生になってから買い直したくらい大好きです。
物語自体は作者の初めての作品で、深く考えたらどうなの?っていうところ(たとえば下巻に入ってルージャンとフィツが話せている理由とか)はあるけど、そういうところを考慮したうえでもすばらしいです。
現代の私たちに貧しさなんてわからないはずなのに、この本を読むとリアルに貧困とはどういうものなのか感じます。
もっと多くの人に読まれるべき小説だと思います!
Posted by ブクログ
下巻はペチカとともに教会で過ごしたルージャンの物語から始まる。ルージャンは教会にいたころいじめっ子のリーダに逆らうことができず、一緒になってペチカをいじめていた少年。それを一言謝りたくて、教会からいなくなったペチカを探して旅をしている。食べ物の大切さを知らずペチカに配給されたパンをわざと落とし汚れたパンを食べるペチカを笑ったこと。だがすでに1年が経過しクローシャ大陸の南から北まで縦断してしまった。
アルバイトで釣り鐘の清掃をするために高い塔に登ったときなんと妖精フィツと出会った。フィツは羽を無くし妖精の国に戻れないでいた。妖精であっても人間世界では食べなくては死んでしまう。小さな体で毎日を必死に生ききていた。そしてフィツもまたペチカを探していたのだった。そしてあろうことか守頭も同じ街にいたのだった。彼らは町から街へ違った理由でペチカを探し、ペチカは大切な母との思い出を取り戻すため、最果ての地にあるというなんでも落とし物が見つかるという場所へひとり向かうのだった。
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ルージャンが良い〜!
胸糞悪いシーンや暗いシーンが多かった上と比べて、下は心温まる(救われる)&感動するシーンが多い。
王道展開のように見えるかもしれないけど、下があってこその上だなと感じた。
ペチカには勇気をもらった。
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久々に再読して、あっれーこんなにバイオレンスな話だったっけー?と(笑。
もっとほっこりした気がしたけど、別の話の記憶が混ざってたっぽい。
なにせ次の酷い目に合うために、今日を生き延びているって感じでしたからね…。
ペチカの性格の悪さは覚えてたけど、フィツが思ってたより問題児だった件。
守頭は本気でバイオレンス&ホラー。
ともあれ、ぶっちゃけルージャンは許さなくてよしって思いましたよ…わりと終盤まで。
何かこう、オトコノコって…やりすぎても好きだからこそだし謝ったんだから赦されてしかるべきみたいな甘ったれちゃんな部分がありますよネー。
ルージャンはそれでも、謝罪を拒否られて現実を見据えるだけましとは言えるけれど。
後に『ほたるの群れ』のあらすじを読んで、あーこういう話が書きたい人だよねと深く納得してしまったのでした。
童話物語の別の関連ストーリーも読んでみたいなぁと思ったけれど、そういうのは書かれてないのね。残念。
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フィツとわかれたペチカは新しい町で、優しい夫婦のもとで働いていた。はじまりの町とは全く生活が変わり、住む場所も働く場所も確保して、比べるまでもなく幸せに近づいています。変わって、いじめていたルージャンに視点が映り、ペチカを探す日々を一旦諦め、別の町で暮らしていたが、ひょんなことからフィツと出会い、再び外へ出て、ペチカと出会います。免れた妖精の日が再び迫り、たくさんのひとたちが犠牲になる中、フィツが、ペチカが、ルージャンが頑張る姿にひきこまれます。自分が思っているよりすごいっていう言葉が響きます。最後はうふふな展開でちょっとその後とか出来たら覗きたかったです。
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人は、環境や状態によって変わる。変わるからこそいいんだ、というのは、本当にいいんだろうか、と思ってしまう。人に対してしてしまった仕打ちは消えるんだろうか。ペチカのようにもういい、と言えるだろうか。
虹を見た、その瞬間は、憎しみも、悲しみも怒りも、すべてなくなって、美しいという感動だけがみんなの心にある、というのは本当に素晴らしいことだな、と思う。
いい本だった。もっと若い時に読んでいたかった。
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主人公、ペチカにとってあまりに酷なことばかりで、はじめは読んでいて心苦しくなることが多かった。人のやさしさを素直に受け入れられるようになってきてからの成長が著しい。
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たしかに、ペチカはいい子になったし、ルージャンはいい男になったし(ここ最重要)人間は変われるから素晴らしいのはよくわかったんだけど、最後にヴォーと刺し違えて消し炭になってしまった守頭は金色の雨で復活できたのかい?
そうは思えない感じだったな。あいつも人間なんだから、やり直すチャンスがあってもよかったんじゃないかな。
あと、テディーは復活したの?
ヴォーは最期に「闇」という言葉を口にしていたけど、彼にとって永遠の生はまさに闇だったのだろうな。
その生が終わるのは、ある意味救いだったかもしれない。
わたしがひねくれているからか、心が濁ったおばさんになっちまったせいか、涙腺はあんまり刺激されなかった。
まあでも、熱のこもった作品で、面白かったな。
ところでフィツは下巻になった途端すげーバカになった気がするんだけど何があったんだ(笑)
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ペチカの周りががいい環境になり始めたのに、疑わずにいれない様子に心がいたくなる。
でもフィツとの出会いやルージャンを許すことなどで、本当に優しさを手に入れたペチカは最初と同一人物とは思えないくらい、人として立派で素敵。
変われるってことはいつだって可能性があること。
あぁ本当にそうだって思った。
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日本の、、というより、欧米のファンタジーに色濃く影響を受けただと思う。
指輪物語のように、ストーリーに関係のない部分まで綿密に設定された世界は、私にとってはとても楽しい。
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前半展開の遅さに挫折しそうになったが
主人公の女の子ぺチカが魅力的な人たちに
出会ったところからおもしろくなり、
最後まで一気に読めた。
ルージャンかっこいいじゃん!!!
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ペチカやフィツ、ルージャンと共に様々な街や人、そこでの生活を見て、大きな世界を感じることが出来た。
後半は怒涛の展開。
なかなか激しい戦いのシーンもあってからの(最初もそうだけど登場人物を痛めつけるのに容赦がない)、傷を癒す金色の雨等のファンタジーな奇跡、美しい情景で〆る最後。
良かった。フィツのことは切ないけれど、これはめでたしめでたし。
とても正しく美しい終わり方をしたなあという感じ。そこは童話らしい印象。
そして、正と負が共存しているからこその、まさに、この“童話物語”だったと思う。
Posted by ブクログ
上巻では追手から逃げ回ってばかりだったペチカ。そして彼女を探し続けるルージャン。ながい旅を経てついにペチカに再会したルージャンは、ペチカを追手から身を挺して守ろうとする。しかしペチカにはなぜルージャンが会いに来たのかわからない。なぜならルージャンもかつてのいじめっこの一人だったからだ。
過去の記憶がルージャンを見るペチカの眼を曇らせる。素直に感謝の気持ちが湧いてこない。猜疑心が膨らむ。
ルージャンは過去の過ちを謝りたかった。その一心でペチカを探し続けた。ペチカが許そうとしない気持ちはわかる。許されなくても、ペチカを守ると決めた。この先どんなことになろうとも。
世界の終わりは確実に近づいていた…
二人は世界を救えるのか…
ネタバレになるからこれ以上書けないけど、世界の終わりってこういうことだったんだね。ふ〜ん。
ラピュタとジャックと豆の木とウルトラマンタロウが混ざった感じだった。
面白いとは思うんだけど、やっぱり中年のおっさんが読んでも過去の記憶から似たストーリーを探してしまう。
童話を純粋に楽しむことは、もう自分には無理だとわかった。
Posted by ブクログ
悲しい展開だった前半が終わり、1年がたった。
ペチカは14才になり、花屋で働かせてもらうようになった。優しい店主夫人と、警察官の旦那さん。どちらも内向的なペチカを支えてくれている。
フィッツとは離れ離れのままだったが、フィッツも一人で生きてゆく大変さを知りながらなんとか命をつないでいる。
でも、人間界を滅ぼそうとするヴォーは密かに力をつけていた。
たぶん助けてくれるだろうと思っていたルージャンがやっと、(少しづつ)かっこいいことに。
ハッピーエンドでよかった。
付記では、童話物語は本来10巻からなる妖精の書で、この「大きなお話の始まり」「大きなお話の終わり」はその5巻・6巻なんだそうな。