あらすじ
妖精フィツとの突然の別れから一年、十四歳になった少女ペチカは大都市パーパスで暮らしていた。初めて幸せを手にしたかに見えたペチカだったが、世界の最後を告げる「妖精の日」はすぐそこまでやって来ていた……。すべてが崩壊へと向かう中、始まるペチカの最後の旅。そして感動のクライマックスへ!各誌紙で絶賛された長編冒険ファンタジー。
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Posted by ブクログ
友人に聞いて借りたファンタジー小説。
世界観の設定がものすごくしっかりとしていて、これぞファンタジー小説!!という感じがする。
壮大なストーリーではあるはずなのに、少女が主人公で、この少女が何とも人間くさいせいもあってか、「懸命に生き延びている」という感じがして、彼女の世界の狭さを知る様だった。
実際、彼女、ペチカが求めてることはといえば、誰にも追われずに狙われずに静かに暮らせること、だったんだろうなあ、とは。
しかし追いかけて行ったルージャンの成長っぷりには目を見張るものがあります。
ルージャンいい男だよ!けどなんだかすごく不憫臭が漂っているよ!!
そして、騒動の根本?となったフィツですが、下巻では随分と頭が軽くなっていたような……何かの後遺症だったのでしょうか(笑)
何はともあれ一番怖いのは守頭さん。
ではあったのですが、最後の最後、彼女もやり直す機会を与えてもらっても良かったのではないかなあ、と思いました。
Posted by ブクログ
この本は大事なことを考えさせてくれます。
命が有限であること。美しいことを美しいと考えることができる。
誰しもが持っている憎しみ・・・
今は心が整理できていないけど・・・
この本の大きなテーマのゆるし。 今まで、私は人に対して、
本当の意味でのゆるしをしたことがあるか?疑問です。
目の前にいる人をやさしく、大切にしたくなる本でした。
Posted by ブクログ
下巻はペチカとともに教会で過ごしたルージャンの物語から始まる。ルージャンは教会にいたころいじめっ子のリーダに逆らうことができず、一緒になってペチカをいじめていた少年。それを一言謝りたくて、教会からいなくなったペチカを探して旅をしている。食べ物の大切さを知らずペチカに配給されたパンをわざと落とし汚れたパンを食べるペチカを笑ったこと。だがすでに1年が経過しクローシャ大陸の南から北まで縦断してしまった。
アルバイトで釣り鐘の清掃をするために高い塔に登ったときなんと妖精フィツと出会った。フィツは羽を無くし妖精の国に戻れないでいた。妖精であっても人間世界では食べなくては死んでしまう。小さな体で毎日を必死に生ききていた。そしてフィツもまたペチカを探していたのだった。そしてあろうことか守頭も同じ街にいたのだった。彼らは町から街へ違った理由でペチカを探し、ペチカは大切な母との思い出を取り戻すため、最果ての地にあるというなんでも落とし物が見つかるという場所へひとり向かうのだった。
Posted by ブクログ
久々に再読して、あっれーこんなにバイオレンスな話だったっけー?と(笑。
もっとほっこりした気がしたけど、別の話の記憶が混ざってたっぽい。
なにせ次の酷い目に合うために、今日を生き延びているって感じでしたからね…。
ペチカの性格の悪さは覚えてたけど、フィツが思ってたより問題児だった件。
守頭は本気でバイオレンス&ホラー。
ともあれ、ぶっちゃけルージャンは許さなくてよしって思いましたよ…わりと終盤まで。
何かこう、オトコノコって…やりすぎても好きだからこそだし謝ったんだから赦されてしかるべきみたいな甘ったれちゃんな部分がありますよネー。
ルージャンはそれでも、謝罪を拒否られて現実を見据えるだけましとは言えるけれど。
後に『ほたるの群れ』のあらすじを読んで、あーこういう話が書きたい人だよねと深く納得してしまったのでした。
童話物語の別の関連ストーリーも読んでみたいなぁと思ったけれど、そういうのは書かれてないのね。残念。
Posted by ブクログ
人は、環境や状態によって変わる。変わるからこそいいんだ、というのは、本当にいいんだろうか、と思ってしまう。人に対してしてしまった仕打ちは消えるんだろうか。ペチカのようにもういい、と言えるだろうか。
虹を見た、その瞬間は、憎しみも、悲しみも怒りも、すべてなくなって、美しいという感動だけがみんなの心にある、というのは本当に素晴らしいことだな、と思う。
いい本だった。もっと若い時に読んでいたかった。
Posted by ブクログ
たしかに、ペチカはいい子になったし、ルージャンはいい男になったし(ここ最重要)人間は変われるから素晴らしいのはよくわかったんだけど、最後にヴォーと刺し違えて消し炭になってしまった守頭は金色の雨で復活できたのかい?
そうは思えない感じだったな。あいつも人間なんだから、やり直すチャンスがあってもよかったんじゃないかな。
あと、テディーは復活したの?
ヴォーは最期に「闇」という言葉を口にしていたけど、彼にとって永遠の生はまさに闇だったのだろうな。
その生が終わるのは、ある意味救いだったかもしれない。
わたしがひねくれているからか、心が濁ったおばさんになっちまったせいか、涙腺はあんまり刺激されなかった。
まあでも、熱のこもった作品で、面白かったな。
ところでフィツは下巻になった途端すげーバカになった気がするんだけど何があったんだ(笑)