あらすじ
世界は滅びるべきなのか? その恐るべき問いの答えを得るために、妖精フィツは地上へとやってきた。最初に出会ったひとりの人間を九日間観察して判断することがフィツの使命。しかし、フィツがたまたま出会ったのは極めて性格の悪い少女ペチカだった……。単行本未収録の設定資料集が追加された文庫版を待望の電子書籍化、感動のロングセラーがついに登場!
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Posted by ブクログ
#新刊ラジオ で激しくおススメされていたので読んでみた。
上下巻と長編だが、読む価値はある。というより、是非読むべき物語。
「感動した」と言ってしまうと陳腐な気がするが、とても大切にしたい物語だった。
上巻は、設定資料集つき。世界地図も上巻のみ。
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世界は滅びるべきなのか?その恐るべき問いの答えを得るために、妖精フィツは地上へとやってきた。最初に出会ったひとりの人間を九日間観察して判断することがフィツの使命。しかし、フィツがたまたま出会ったのは極めて性格の悪い少女ペチカだった…。単行本未収録の設定資料集を新たに追加して、感動のロングセラー、ついに文庫化。
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長いお話だった~。
序盤は主人公ペチカがいじめられたり殴られたりで、読んでるのもつらかった。
ペチカ自身生きていくのに必死で、子犬を蹴飛ばしたり、優しい気持ちを持つ余裕がなかったけれど、
そっと寄り添ってくれるおばあちゃん、愛情を注いでくれる夫婦に出会って
ペチカは少しずつ変わっていきます。
いじめっ子だったルージャンも改心してペチカを一生懸命助けたり、
じーんとするところはルージャンの場面だったりする。
読み終わったあとは優しい気持ちになれる一冊。
Posted by ブクログ
ハードカバーを読んだときには、物語への引き込まれ方が半端じゃない…
と思った以外はもうひとつかなと★三つにしていたんだけど、
文庫版を読んでこの物語の、この本の良さがわかってきた(気がする)。
作者の拙くも(エラそうにすみません)熱い想いが込められた文章と
生々しくも逞しく生きる登場人物達から、
いつの間にか目が離せなくなること請け合い。
巻末の歴史なんかも想いが詰まっている。
Posted by ブクログ
人の心の描写が上手く、特におばあちゃんで泣きました。上下巻読み、生きているうちに押し殺していたり隅に追いやっていた感情感性取り戻せた気がします。
Posted by ブクログ
内容…★★★★★
人物…★★★★
文体…★★★★
上巻はどこまで読んでも正直ペチカが好きになれない。
ペチカがどんなに暴力を受けようと、哀れなくらい質素な生活をしていようと同情してあげられないのは、彼女の行動もかなり非道だからかもしれない。
やられっぱなし、もしくはされた相手に仕返しするんならいいけど、
猫を殺してしまったり、小さな妖精に暴言を吐いたりと
自分より弱いものに当り散らしているから、結果ペチカのほうが悪いように見えてしまう。
これは下巻になってもちょくちょく出てくるので、ペチカの性格が元から良くないのだと思われる。
下巻の半分に差し掛かったころ、ようやくペチカが好きになってくるので、読み進めるのがかなり辛い。
しかしその分クライマックスの展開には感動させられました。
Posted by ブクログ
読み終わるのがこんなに勿体無いと思ったのは初めて。すべての文章に優しさがあふれている。
魔法や剣の外国ファンタジーもわくわくしてすきだが、日本作家ものは心にしみじみくる気がする。
Posted by ブクログ
極めて性格の悪い主人公って紹介されていたのですが、それはちょっと違うなって思いながら読みました。
本の厚さに圧倒されていたのですが、読みやすくて、もう終わり?って感じでした。
主人公の心の変化が読んでて嬉しかったです。
只今下巻を読破中です
Posted by ブクログ
とある小さな村に少女、ペチカはいた。
彼女は常に飢え、人々には蔑まれ、世の中すべてを憎みきっていた。
ある日、いじめっ子ルージャンの策略により釣り鐘を掃除することになったペチカは、その塔のてっぺんで妖精のフィツと出会う。
二人の友情や冒険の話。
これ、大好きです!!
ペチカのひねくれたところに初めはちょっとイライラしますが、次第に彼女が心を開いていくさまはちょっと微笑んでしまいます。
ルージャンも一途でかっこいいし。
できれば二人のその後も見たかったなあ・・・
Posted by ブクログ
主人公が辛い思いをして人を信じられなくなっていく中で優しい人々と出会えてふれあっていくのに、ひどい人がいる中で優しい人もいるのが泣けました。
またこの本を読めてよかった。もう失くしません。
Posted by ブクログ
この痛さは・・・月の影影の海上巻を読んでいた時の痛さだ・・・。子供時代に誰かを傷つけた思い出に主人公ペチカやルージャンがざくざく食い込んでくる。どっと読まされた。
Posted by ブクログ
たくさんの大切なものが詰まった素敵な本です。
読み終わった後、生きることの苦しみや素晴らしさが胸に広がって、ありきたりな感想だけど、読んで良かった!と思いました。
この本の良い所はお話だけじゃなくて、世界観がとてもしっかりしているところ。
物語の世界・クローシャの地図はもちろん、通貨や時間、他にも気候、文化などが絵と共に紹介されています。
クローシャ大百科事典なんてのもあって、それだけで62ページもあります!
各章ごとにそこで登場する町や人の説明の絵が載っているのもすごく細かいし可愛いんです。
児童向けにしては、シビアでエグイシーンが多くてファンタジーにしてはリアル。
でもそれを乗り越えていく主人公に感情移入して、応援しながら夢中で読みました。
上・下たった2冊の本だけど、海外ファンタジーに負けないくらい素晴らしい作品です。
Posted by ブクログ
国産ファンタジー。貧しい少女、彼女を痛めつける悪いおばさん、悪巧みをするおじさん、良い妖精と悪い妖精、など人物設定はかなり王道だが、翻訳版があれば世界でもヒットすると思うほど、ワクワク、ハラハラ、ときに腹立ち、そして泣けてくる物語。そしてびっくりしたのが巻末の付記が細かく書かれていてるところ。とても上下巻で完結する物語とは思えないほど細かいプロットだ。
ペチカは暖かい家、温かい食事、優しいお母さんの元で幸せに育った。母を亡くし、家を失うまでは。教会に預けられてからのペチカは守頭をはじめ、少年たち、パン屋さん、だれもが彼女を虐げ、12歳になる頃にはもう誰も信じられなくなっていた。動物を蹴り飛ばし、親切な人から物を盗み、友人を騙し、すべての親切を拒否し彼女の周りには敵だけしかいないように映っていた。
だが目の見えないおばあさんの絶え間ない優しさ、ペチカのことを本気で心配してくれる妖精フィツと交流するにつれ、だんだんと優しい母と過ごしていたときのペチカを取り戻していく。
だがペチカに安らぎはない。住む場所もお金も身寄りもなく、何よりも常に恐ろしい守頭に追いかけられているからだ。隣町に逃げようとも、大きな森に逃げようともそこに守頭は現れた。ペチカは逃げるためにしかたなしに暴力を振るったが、怪我をさせられコケにされた守頭はそれを絶対に許さない。必ず捕まえるつもりなのだ。ペチカの家を平気で燃やす連中だ。もし捕まったら身寄りのない孤独な12歳の少女は簡単に殺されるだろう。
そんな中でも真っ直ぐな心を取り戻しつつあるペチカは大切な友に会うため助けるために身を投げうって行動するのだった。
Posted by ブクログ
妖精ファンタジーものは初めてかも
結構古いお話だと思うけど、ずっと気になってた
もうペチカが痛々しすぎて...なんども苦痛になって結構しんどかったけど、フィツがいてくれていい意味でもまあ悪い意味でも良かった
ペチカは全然性格悪いんじゃないよ
ペチカをこんなふうにした世の中が悪いんだと、架空の世界にすごく怒りを感じてた
妖精の日もまだまだ謎だから下巻が楽しみ
Posted by ブクログ
妖精らしくない妖精たち。中には悪者もいる。世界は滅びるべきかの答を探しに地上へとやってきた妖精フィッツは性格の悪い少女ペチカに出会う。先の見えない展開で下巻へ。
Posted by ブクログ
上巻は、主人公がつらい思いをして日々を過ごしているところから始まるので、読みながら悲しくなりますが、世界観にぐいぐい引き込まれて、一気に読み終わりました。住んでいた町を出て、少しいいことがあるかなと思えば、裏切られ、奪い奪われの生きていくことに必死になる姿は迫るものがあります。読みながら自分がいかに幸せかを気づかせてくれます。妖精のフィツとの出会いでペチカが成長していき、最後のあたりではとても頼もしく逞しいです。下巻がどのように結ぶのか楽しみです。
Posted by ブクログ
主人公ペチカのこれでもかってくらい辛い出来事。
で、すんごく弱い被害者かって言うと、そうでもあるけど、ペチカもかなり根性曲り。そんなペチカとフィツのギャップ。
両者がお互いを体当たりで受け入れあう様子が、とっても激しい。
ほんっきでやり合うことが出来る相手と、再び話が出来たりするとき、そこにあるのははっきりした絆。
そこに本当に生々しいものを見る。
そういう経験が出来るって、とてもすごい。
なので、読んでいる間も、はっきり言って嫌な気分を味わう時が多い(笑)
Posted by ブクログ
上下巻呼んでの感想。
物語の世界観がよく練られており、想像力を掻き立てられる。
所々、展開が強引であったり、先が読みやすかったりするが、
童話・ファンタジーという括りで評価すれば、特に気にならない。
登場人物の心理描写に長けており、心に触れているような
気持ちになれ、最後は温かい気持ちで読み終えることが出来た。
時折、ハッとさせられるようなフレーズもあり、大人が読んでも楽しめる童話。
私が心に残ったのは下巻のフィツの言葉。
「永遠じゃないから変われるんだよ。ペチカもルージャンもみんな変わった。変われるって素晴らしいことなんだ。変われるってことはいつだって可能性があるってことなんだ。変われるってことは今日が駄目でも明日はうまくいくかもしれないってことなんだ。変われるってことは絶対あきらめるなってことなんだ。」
Posted by ブクログ
中学3年生くらいに表紙と帯に惹かれて購入し、何度も何度も読み返している本。
極めて性格の悪い少女ペチカと世界は滅びるべきなのか調査にやってきた妖精フィツの物語。
とにかく文章がうまくてビジュアル的です。小説を読むというよりも映画を鑑賞するのに近いです。
この本はもともと単行本で、文庫化するにあたって上下巻に分けて発行されたのですが、上巻は下巻の序章部分に過ぎず、物語は下巻に入って一気に面白くなっていきます。上巻は途中でダレる部分があるので、映画を観るように一気に下巻の最後まで読み切ることをおすすめします。
Posted by ブクログ
幼くして母と死に別れたみなしごペチカは、日々意地の悪い教会守や近所の悪がきどもに苛め抜かれ、ひねくれた性格にますます拍車がかかっていた。
そんなペチカの元に神様からある使命を命じられた一人の妖精が舞い降りる。名前はフィツ。
彼の使命は一人の人間を9日間観察し、世界は滅びるべきなのか判断を下すこと。出会ってすぐペチカの性格に愕然とするフィツ。邪険に扱われながらも日々を共にするうちに、ペチカ自身気づかぬうちに内面の成長を遂げていく。
日本生まれのファンタジー小説の佳品。大人でも楽しめる作品です。
Posted by ブクログ
文章うまっ! やわらかい言葉づかいで陰湿な光景や心情をきちんと書いている筆が非常に好み。ペチカが好きです。彼女を好きだというと、我ながら非常に偽善くさいのですが、やはり足掻いている人には胸を打たれてしまう。
Posted by ブクログ
主人公ペチカのあまりに過酷な境遇に、
心が辛くてなかなか読み進められなかった。
再読なんだけど、当時と今では感じ方が全然違った。
(今は子供がいるので、こういったものには非常に敏感なのかも)
下巻へ続く
Posted by ブクログ
妖精が出現すると、疫病が流行り世界は滅びる。
そんな言い伝えが残るクローシャ大陸の僻地トリニティ。
孤児のペチカは生活に困窮し、救貧院の役割を果たしている村の教会の雑用をしている。しかしそこでは常にいじめの対象となり、おびえる毎日がつづく。人を信じることができず、こころの支えは亡くなった母の写真だけ。いつもひもじいので猫が寄ってきても、食べ物を取られたくないから蹴とばす。すさんだ性格のため友達は一人もいない。
そんな彼女のもとに、ある日妖精が現れる。妖精の名はフィッツ。
妖精の出現に世界が滅びる前兆とおびえるペチカ。果たしてフィツが姿をあらわした目的とは。
なんて、書いてると面白いような気もするけど、おっさんが読んでもそんなに感動しない。
人に薦められて読んだんだけど、もう心が動脈硬化だし、涙なんか出ないし。
やっぱりこういうのは感受性が豊かな年代に読まないと。
中学生ぐらいが読んだら、すごい面白いとは思う。
主人公のペチカの設定は12〜3歳。このあと旅を共にするルージャンという男の子も同じくらい。
けっこう分厚い本だけど、ひらがな多いし、改行も多いから、すらすら読み進められる。達成感も得られるから、これをきっかけに本好きになることも期待できる。
初めは人を疑ってばかりのペチカが旅を続けるうちに、やがて出会う人たちの優しさに触れ、心を開いていくという、ファアンタジーの王道路線といえる展開は、安心して子供に薦められる本だと思う。
Posted by ブクログ
しっかり作り込まれた別世界ファンタジーもの。
孤児のペチカ(13才)は、教会の 雑用などの手伝や施しで、貧しさのなかで生きている。教会の守頭からも、村の子供たちからも辛くあたられ、ただひとつの心の慰めと言えば、優しかったお母さんの思い出だけ。
ある日、教会の釣り鐘塔の掃除をしていて、妖精フィッツと出会う。
この世界では、妖精は人間に災いをもたらすとして恐れられている。ペチカもフィッツを恐れ(もとから怖がり)、なんとか巻こうとするが、フィッツにとっては、人間界に降りてきてはじめて会った人間(フィッツにとってはペチカ)としか話しが出来ないし、観察しなくてはいけない。
けれど、そんなペチカに大人たちは冷たい。一人で住んでいた小屋を焼かれ、(たった1枚のお母さんの写真はフィッツが守ってくれた)ペチカは雪の中、町を追われる。
前半はペチカの辛い物語。
辛い環境のため、性格はひん曲がっていて、臆病で、不器用なペチカ。
妖精は人間達を滅ぼすかどうかを決めるため・・・として送り込まれたフィッツ。だけど、いい妖精のフィッツ。
同じように人間の研究にきているヴォーは、差別され孤独な人間イズワルドについて、人間界を滅ぼそうとする。
前半の物語が終わったら、クローシャ大百科事典がはじまる。
作者の作り込みが・・・すごい・・・。
Posted by ブクログ
とりあえず上巻のみの感想。
先にいろいろなところで高評価を目にしてしまったので期待しすぎだったのかもしれないけど、ちょっとダレる。一文一文が長く説明的で、文章がこなれてない感じがある。ただ、話は面白い。
ペチカを性格が悪いと書いてあるが、いじめられすぎててそんな印象がなかった。てっきり、イアンハンタみたいなキャラだと思っていた。それはともかく、子猫は蹴ったらアカンやろ絶対。全私がドン引いたわ。
フィツよりもテディーがかわいい。ブル。ルージャンがいいやつ。
守頭がなぜあんなにペチカにつらく当たるのか、理由が分からない。指潰された後はともかく。意味もなく残酷なやつだって現実にはいるけど、このお話のなかでは、それはヴォーだけでいいんじゃないか、といまのところ思っている。永遠の命を持つ妖精には、命の大切さが分からなくて当然かもしれない。
それとは逆に、おばあちゃんが無条件に優しいのに、理由はいらないと感じた。
まあいろいろと瑣末なことが気になって★3つなわけだけど、できたら小説は楽しく読みたい。「この小説はつまらない」という判断は常に間違っている可能性があるけど、「この小説はおもしろい」という判断は絶対に正しいと思っている。読んだ人がどんな人であっても。
下巻はもっと楽しめたらいいな。
世界設定を事細かに書いた大事典は、話の途中であまり読みたくないので飛ばした。下巻を読み終わった後で気が向いたら読もうと思う。
Posted by ブクログ
主人公の性格の悪さが読んでいて苦しい。
人間の汚い部分が詰まっていて、フィクションだとわかっているのに、なんでこの世界にはろくな人が居ないんだろうと腹が立ってくる。
後半に入ると少しずつ主人公に変化が現れてきたので、少し希望を持ちつつ下巻へ。