ロビン・ホブのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
15年後。フィッツ・シヴァルリ・ファーシーアは、貧しい農民トム・バジャロックとして、年老いた狼のナイトアイズ、もらわれ子のハップとともに暮らしていた。怒濤の前3部作に比べてずっと平和で穏やかな導入部。フィッツはすっかり大人というより爺さん化してきてるし、ナイトアイズは相変わらず。ただしこちらは本当に老いているようだ。
小屋には入れ代わり立ち代わり様々な客人が訪ねてくるが、フィッツの反応や感想が違うのがなかなか面白い。まったく歓迎されないシェイドは不憫だ。そしてスターリングの、どこか影のあるしたたかさは変わってない。
その間、前作では語られなかった空白部分が明かされる。
フィッツは今の穏やかな暮らしを手放すつもりはさらさらなく、ハップが一人前になれるよう、手助けしてやりたいと願っているから、物語は大きくは動かない。しかし、巻の最後に話が、フィッツがいよいよ動き出す。
この巻に限らないが、人間同士の関わりの描写がリアルだ。相手と意見が食い違い衝突したり、助けられたり、時には些細なことで腹をたてたり。100%の関係は存在せず、絆を結んだナイトアイズとの間にさえ、すれ違いが生じる。もどかしさややるせなさ。日常、他人に対してとりとめもなく抱く感情を思いおこすほど、リアル。