海原純子のレビュー一覧
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著者は心療内科医として、全国初の女性クリニックを開設した海原純子さん。復興庁心の健康サポート事業統括責任者を務め、現在は日本医科大学特任教授をされています。
もともと女性のストレス性疾患と向き合ってこられた著者ですが、今回男性のストレスに関する本書を書かれた理由についてこう言っています。
「現場にいて男性たちの『限界感』を感じるからだ。かつての終身雇用や年功序列が突然消え、人員削減の嵐が吹きまくり、(中略)ストレス要因の多い時代に適応できなかったり、これまで積み上げてきたキャリアを活かせずプライドを失ったり、新しいシステムに過剰に適応しようとしてがんばりすぎたりして、自分自身のアイデンティ -
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格差が広がる世の中、勝ち組は自分自身の努力の結果だと思いこみ、恵まれていた部分の「透明な底上げ」が見えないという。
そのために、恵まれなかった人との間にコミュニケーション不全が起こる。
結果が出なかった人はそれだけ努力しなかったからだと思うのだ。
アメリカでは国全体がそう思う傾向があり、自分もいつかは金持ちになれると思っているという指摘が面白い。
一方、負け組は、勝ち組の運の良さをうらやみ時にはねたむが、自分で「見えない天井」を決めてしまっていることがある…
それは子どもの頃から言われてきたことに縛られて、やる前にあきらめているせいもあるとか。
心が満たされるのには何が必要か。
まずは生きて行 -
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見開きコラム。精神科の先生だけに心に染みる話多数。
言いやすい。相手にクレームをつけること感情的になるのは、クレーム内容よりむしろその人自身が抱えている心の問題。口のない怒りが些細な問題をきっかけにして爆発しているのである。内容妥当であるか否かをきちんと判断し、相手が感情的になっていないか客観性を持って確認すべきである。
感情の波や90秒は続くが、その後は感情をコントロール選択をできるようになる。妻にどうしようもない。劇場90秒続くがその時すぐに行動したり、言葉を投げつけると失敗する。失敗しないコツは「起こった瞬間に即対応しない。」
自分のことを嫌いな人や虫がつかないと思っている人もいる -
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考えさせられる。
厳しい競争社会に生きてきたと思っている。学生時代はテストのたびに張り出される科目毎のトップ10にぜんぶ1番にならないとイラついた。
社会に出ても人より早く偉くなって稼いで称賛を受けたがっていた。ずっと走り続けてふと今の自分を振り返ると、貯金も困らないくらいはあり、会社でも役職について随分時間が経った。けれど何かが足りない。人生半ばを過ぎ後は必然の死に向かう折り返し地点は過ぎた。これでよかったのか?自分は何のために生まれて生きてきたのか、幸せなのか。勿論努力家で素敵な妻がおり、私よりもはるかに多い給与も得ていて、経済的に困った事はない。それは幸せだと感じている。
だがしかし、こ -
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第4章が最も心に響いた。
捨てた人生を拾ってみる。まさにそこだ、と思った。今の仕事は本当にやりたいことなのか分からないし、それだけをやり続けても自分の人生になんの意味も見いだせないと思う。
でも今の仕事はこれまでやってきて、自分としても捨てられるものではないし、生活を維持していくためにも重要なピースであることは間違いない。
では、どうやったら満足いく人生が送れるのか。
生活を安定させることは必要であり、仕事を切り捨てることはできないから、それを続けながらも、自己実現、さらにはその先の自己超越願望を満たしていくために、自分がやりたいもの、あきらめていたものに挑戦してみること。それで収入 -
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海原純子さんの講演会にも言ったことがあるが、事例とその分析はやや簡単すぎるきらいはあるが、非常にわかりやすい。
今回の本は、男性という悩みを言わない方がよいという男性らしさに縛られた男性が現代において苦しんでいるということに焦点を当ててまとめられた本である。
男らしさに縛られて、隠れアル中になっている男性、評価が厳しい時代にあやふやな人事評価の中で苦しんでいる男性、上司や部下の関係の中で苦しんでいる男性、自分の未来に対して絶望して苦しんでいる男性、結婚する/しない選択の中で苦しんでいる男性、突然訪れた悲劇に対して、周りのサポートの中で復活してきた男性。
支援というのは4つあり、直接支援、 -
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ネタバレいくつかの質問に対して、カウンセリングした内容を記載した本。
今の自分は、本当に今の仕事は自分がやりたかったことなのかといったことに悩んでいて、この本を読む限り、この気持ちはゆとりができたことにより生じるもので、マズローでいう自己実現願望を満足させようとしている段階とのこと。
つまり、自分で自分を認めるってことをしていきましょうが回答。なるほど。
もう一つ参考になったのは、よく、ダイエットが続かないとか聞くけど、それって体のメカニズム(ホメオスターシス)に逆らっているからであって、「やせたほうがきれい」っていうのは感覚の問題であって、体の機能的にはプログラミングされていないって説明には納得 -
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最近の子供は室内にいる時間が増え、屋外での遊び時間が少なくなったことも心配だ。子供が年々体を動かさなくなり、子供の肥満や高脂血症が増えているのはご存知の通りだが、運動不足によるこうした体への影響だけでなく、心の影響が気になる。と言うのは、子供にとって「遊び場、感情表現の重要な手段の1つ」だからである。
言葉によって自分の感情を表現する能力が、発達途上の子供にとって、体を動かして遊ぶ事は気持ちを表現することの手助けになる。走り、声を出し、歌い、描くと言う遊びの要素は、感情を浄化するのに大切なことばかりである。つらい、悲しい、嬉しいと言う様々な感情子供たちは、体を通して表現する。そうした手段が失わ