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仮面をはずし、よろいをぬいでみよう。勝ち組のゆううつ、負け組のいら立ち……。幸せや満足感を得ようとする間違った自己実現欲求に犯された日本社会。凶悪犯罪の多発、ひきこもりに熟年離婚、IT長者の光と影。幸せにすぐ慣れて幸せだと思えなくなる心理とは/格差に横たわるコミュニケーション不全/“ふと”という直感を大切にする/など、ゆがんだ現代社会で、本当に自分らしく生きるために「自己との対話」をとり戻す!
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Posted by ブクログ
こころの格差社会―ぬけがけと嫉妬の現代日本人。海原純子先生の著書。ぬけがけと嫉妬が」渦巻く格差社会と言われる現代日本だけれど、経済的に余裕がある人がみんな幸福感を感じているわけではないし、経済的に不安定な人でも幸福感を感じていることも多い。経済的な満足感を得ることよりも、自己実現欲求や自己肯定感が満...続きを読むたされることが幸せへの近道。
海原先生の著書は20代の頃よく読んでて、久し振りって感じだったのですが…過去に読んだ著書は如何にも女性向きという内容の物ばかりだったので、この本は新鮮でした。 お互いの立場を知って思いやる事、格差を無くすのに一番必要な事ってまずそれに尽きると感じました。 お金やモノを平等に与えた所で人同士が分け...続きを読む隔てなく繋がり合えるか?って言ったら、まず無理な様な気がする…。 あと、『自分らしさ』という言葉について、なんか変な意味で一人歩きしていると思っていたのですが、この本で触れられていて、自分と同じ考えで嬉しかったです。
格差が広がる世の中、勝ち組は自分自身の努力の結果だと思いこみ、恵まれていた部分の「透明な底上げ」が見えないという。 そのために、恵まれなかった人との間にコミュニケーション不全が起こる。 結果が出なかった人はそれだけ努力しなかったからだと思うのだ。 アメリカでは国全体がそう思う傾向があり、自分もいつか...続きを読むは金持ちになれると思っているという指摘が面白い。 一方、負け組は、勝ち組の運の良さをうらやみ時にはねたむが、自分で「見えない天井」を決めてしまっていることがある… それは子どもの頃から言われてきたことに縛られて、やる前にあきらめているせいもあるとか。 心が満たされるのには何が必要か。 まずは生きて行くに必要な食べ物、安心感、愛情といったものから社会的承認、そして40過ぎたら内面的な充実感へと成長していくもの。 生きるために働くうちに人間関係の基礎が身に付くはずが、生まれたときから食べる心配がない子どもの置かれた環境が引きこもりの一因。 日本人が何気なく身につけていた自然との一体感が失われたことなど、うなずける指摘も多い。 うつになる人は、してはいけないという気持ちが強い場合もある。 本当になりたい自分になるには、外の価値観に縛られずに内側を見つめること。それは勝ち負けではない。 世の中の移り変わりを示す具体的な資料が多く、わかりやすい。 2006年発行。 作者は1976年慈恵医大卒の医学博士。クリニック経営、大学教授、ライブ活動も。
考えさせられる。 厳しい競争社会に生きてきたと思っている。学生時代はテストのたびに張り出される科目毎のトップ10にぜんぶ1番にならないとイラついた。 社会に出ても人より早く偉くなって稼いで称賛を受けたがっていた。ずっと走り続けてふと今の自分を振り返ると、貯金も困らないくらいはあり、会社でも役職につい...続きを読むて随分時間が経った。けれど何かが足りない。人生半ばを過ぎ後は必然の死に向かう折り返し地点は過ぎた。これでよかったのか?自分は何のために生まれて生きてきたのか、幸せなのか。勿論努力家で素敵な妻がおり、私よりもはるかに多い給与も得ていて、経済的に困った事はない。それは幸せだと感じている。 だがしかし、このまま外的なものに作られた幸せで終わるのか、私は何をしたかったのか、何が出来るのか、本当の自分の心にはいつも蓋をして、触れないように生きてきた。周りの言葉だけを表面上で受け止めて満足した気になる。それを幸せだと決める事に終始していただけ。 良いきっかけをくれた本、自分がわからなければまずは動いてみたら良い。ダメでも次に向かえばいい、立ち止まって足元ばかり見てるくらいなら、どちらでも良いから動き出せ。自分にはそんなメッセージに感じた。
けっこう今の自分にピッタリ?な本だったと思う。勝ち組負け組み、人の目を意識せずに、自分の心の赴くままに、自分だけの価値観の中で生きられたらどれだけ楽だろう。結局は、自分が人生で何に重きを置くかが問題だと思う。
貧富の格差が広がる現代において格差が及ぼす心理的影響についてが主な内容である。その上で人間の基本的心理、及び、反応から現代人に蔓延る勝ち組か負け組の二分化についても述べている。感想として、自己肯定感の保ち方、幸福への捉え方による幸福度の違いについて大変参考になった。
格差社会そのものよりも、「勝ち組の憂鬱・負け組のいら立ち」という視点でそれぞれの生き方を描いた本。 負け組には優しいけれど、これを読んで果たして不平等感を感じずに前向きに生きられるかは?
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