藤平信一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
本書は合気道という武道の一つの流派、心身統一合氣道で捉える「氣」の概念を具体例を交えて分かりやすく解説している。この氣を通して、幅広い読者に役立てて頂けるようにと、藤平信一は誠実に語りかける。著者は心身統一合氣道の会長。日本から始まったこの流派の合氣道は、現在世界24カ国で3万人ほどが学んでいる。
ここでの「氣」は、超能力や超常現象のような特別なものではなく、誰もが持っていて、誰もが活用できるもの。人間は大自然の一部であり、自然と人間が氣でつながっている状態、「氣が通っている」のが本来あるべき姿。氣は生きる力そのものであり、生命力である。この氣の性質を海の中で水を手で囲っているようなものと説く。手の内側にある水は自分の水と言っても良いかもしれない。しかし、実際には海の水である。海水のごく一部を自分の手で囲っているに過ぎない。もし誰かが手にした水を自分の水だと捉えて、手の内と外で水の行き来をできなくすると、手の中の水は次第に淀んでしまう。これに対して、これは海の水を手で囲っているに過ぎないと捉え、水の行き来を保っていれば、手の中の水が悪くなることはない。「氣」もまた同じとの事。大自然の氣を私という存在で囲っているに過ぎない。氣が通っている状態を元氣といい、氣が滞っている状態を病氣という。
この氣を通して、どう日常生活に活かすか、どう人間関係を豊かにするか、そして、夜眠れないなどの心と身体の関係の悩みをどう解決するかを具体的に解説する。また、彼は宗教、現代医学、心理学も認めている。人柄は寛容で懐が広い。
日本の「氣」と中国の「気」の違いにも触れつつ、日本で生まれた氣が世界に発信している証として、アメリカの野球、メジャーリーグのドジャースで指導したいきさつを語る。
そして、どの分野でも、実力を蓄えたことを前提として、大事な場面で実力を存分に発揮する方法がこれまであまり教育されていなかったという。その方法を鍛えるのが大切だと説く。
自分は、面白く読んだ。氣づきも多く得た。折を見てまた読み返したい。
本書を読んで、心ばかりに重点を置くのでもなく、身体だけに囚われるのでもなく、心と身体双方をバランス良く養うのが大切だと改めて知った。また、何か一つのことを習得するには、知識を得るだけでは不十分で、無意識に身体が反応するくらい訓練するのが重要だと知る。やはり、日々の積み重ねは疎かにできない。 -
Posted by ブクログ
王さん、広岡さんの元プロ野球選手と合気道の藤平さんの鼎談が収録された書籍。
個人的には、ゆとりを持つ事が全ての物事において重要であるという考えであったので、そういうところの琴線に触れたのか、読んでみた。
内容の抜粋がとてもいいので、メモ
・力に頼るのではなく、力の抜き方を知る
・最も望ましい形を先に作り、一瞬で移る
・どんな球が来ようとも「知らんぷり」して待つ
・無意識にできるまで正しい練習を繰り返す
・無心で物事に取り組む人こそ「伸びる人」
・「氣の呼吸法」で深く静かな呼吸を身につける
・プラスの言葉で潜在意識をプラスに保つ
・猛練習で疲れ果てたときこそ、わかるコツがある
・優れた指導者は話術でやる気を引き出す
・教えるとは「気づかせること」
最近、スポーツのプロフェッショナルの書を多く読むのだが、けっこう暗示的に「氣」の使い方に関してが書かれているような気がしている。
本書では合気道なので、「臍下の一点」といった言葉に集約されている。
現代の世の中は、どこか力んでいるような風潮があり、若干の息苦しさを覚える気がしている。
そういう中で、力の抜きどころをみんながもっと理解して会得すればよりよい社会になるんじゃないかなぁと、雑に思うなどした。
後半からは指導における内容になるんだけど、これはこれで参考になる箇所も多かった。
技を会得して使うというプロの話は直接は活かせない面も多いが、抽象化したエッセンスは共通だと思うので、何かしら活かせればいいな。
■目次
第1章 どんな変化球にも動じない「静」の境地
第2章 「臍下の一点」に心を静める
第3章 教える人と教わる人の信頼関係
第4章 「リラックス」こそ最強
第5章 「氣の呼吸法」で「氣」を出す
第6章 「必ず、できる」を信じて -
Posted by ブクログ
今から22-3年前に読んだ「氣の威力」の著者、籐平光一先生のご子息、信一氏と王貞治氏、広岡達朗氏の3氏の対談形式の著書。王氏は2006年第1回WBC日本代表監督として日本を優勝に導いた、かつての世界のホームラン王。広岡氏はプロ野球界でヤクルト、西部を日本一にした名監督。
素晴らしい成果の裏にある不断の努力の凄さを教えられた。理論に裏付けられた正しい練習をとことん反復練習するということがいかに重要か。王氏は言う。「普通のことをやっていて特別になろうなんて甘すぎます。特別なことをやったって特別になれるとは限らないんですから」
それに伴う日頃の正しい姿勢が大事。「意識を下ろす」つまり「臍下の一点」を意識することで重みを下にもつ。まさに緊張時の「上がる」の正反対。米大リーグのドジャーズで指導に当たった籐平信一氏はこれを英語で「キープワンポイント」と教えていたという。
かつて東京で習っていた心身統一合氣道の四大原則にその極意が謳われている。
一、臍下の一点に心をしずめ統一する
二、全身の力を完全に抜く
三、身体の総ての部分の重みをその最下部におく
四、氣を出す
この歳ながら改めて合氣道を学びたいと思う。