大原まり子のレビュー一覧
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やっぱり岡崎京子さん好きだ。幸福になる秘訣は「美しいものを見て美しいと感じること。人生に横たわるあらゆるものごとに楽しみを見つけ喜びを覚えること。何が好きで何が嫌いかハッキリ言える趣味を持つこと」このセリフとても好きだ。
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Posted by ブクログ
日本の初期サイバーパンク小説としてSFマガジン2014.11月号に紹介されていたので手に取る。サイバーパンクといえば、ニューロマンサーのイメージしかなかったので、寓話的というか、イメージ主体の本作は意外だった。
あと、手にとった理由は女性の作家だったから。偏見かもしれないが、ロボットや宇宙が多くを占めるSFは男性が多いというイメージがあってそこの女流作家というだけで、興味がわいた。
ファンタジーで包まれている割には、よく考えるとぞっとするような話もあり(惑星で一人暮らす老人のもとにある日、宇宙を漂う親子の鳥やって来る。仲良く暮らす3人だったが、最終的には老人はその親子の体内で溶けてし -
Posted by ブクログ
知り合いに借りた大原まり子の短編集2冊目。
前に借りた「銀河ネットワークで歌を歌ったクジラ」よりも
俄然サイバー・パンクな作品群だった。
面白いなと思ったのはサイバー・パンクな世界観の中で
男女の人間関係などを扱う部分がウエートを占めていて
とても女性的な感覚が見えるところ。
「メンタル・フィメール」を含めていくつかの作品では
世界はコンピュータに支配されている世界観の中で
人間だけでなく異形の者やコンピュータにも心や感情があって
単純な人間だけの世界を描いた作品では見せられないような
精神の深いところまで降りていくような描写がされていて面白かった。
ただSFなので展開が突拍子もなかったり
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Posted by ブクログ
ネタバレ表題作「一人で歩いていった猫」の冒頭の句にやられた。
『これはかつて“猫”と呼ばれた人間の物語である。
猫は比類なき知性に恵まれていたが、おおかた先祖は地球産の猫だったので、外見は直立二足歩行の化け猫といったところだった。もっとも、中には北極グマを祖先にもつ者もいたのだが、例の“猫は猫に帰れ”運動の大旋風のあおりをくらって、誰も彼もが黄金色(イエロー・ゴールド)の目に赤い毛皮をもつ猫形態(キャット・フォーム)になってしまった。
この物語はそういう平凡な猫の物語だ。いささか謙遜で、付き合いが下手で、さほど忍耐強くもなく、人生の九九パーセントを平穏にすごした猫の、残りの一パーセントの物語だ。巨大