▼あらすじ
β(ベータ)の両親から生まれた日浦(ひのうら)ミツキは、自分もβだと疑うことなく生きてきた。
でも最近、なんだか体の不調が続いて、そのせいで成績も落ちてきて…
そんな中、生徒からは「鉄仮面」と呼ばれている教師の月ヶ瀬(つきがせ)が夏休み中補習をしてくれることに。
優しくしてくれる月ヶ瀬に
...続きを読む、体も心も惹かれはじめるミツキだけど、月ヶ瀬にはミツキを受け入れられない理由があって――
恋煩シビトが描く、オメガバースBL!
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ストーリーの完成度:★★★☆☆
オメガバース度:★★★☆☆
シリアス度:★★★★☆
エロ度:★★★★☆
萌え度:★★★★☆
総合評価:★4.0
初読みの作家さんでした。
オメプロ以外のオメガバースコミックスを読むのはかなり久し振りで、出版社ごとに設定が多少異なるのは分かっていたのですが、それでもちょいちょい「ん?」となるシーンがありました。
まずは受け(Ω)の眠気の事。これは発情期が近いという事なのか、初めて見る設定だったので理解するまでに時間がかかりました(^^;)
あと、満月が発情期に関係している(?)という設定も初めて見る設定だったのですが、この設定は個人的には結構好きだなと。(満月に影響されるなんてより動物っぽい感じがするので…)
ただ、匂いで攻め(α)の家を特定出来るのはどうかと思いましたね。えっ、発情したΩってそんな事も出来ちゃうの!?って感じでした(笑)
それと何より吃驚したのが、最後の方でいきなり子供が生まれたこと!(笑)
いきなり場面が飛んでるから高校生の内に妊娠したのかと思って一瞬、エッと思ってしまいました。;^_^A (因みに高校は無事卒業してます笑)
一応、妊娠が発覚した時のお話は描き下ろしで収録されているのですが、一番期待していた番になるくだりが随分さらっとした描写で終わっているのが残念でした。
そもそも項を噛むという設定そのものがカットされているので、項を噛んで番になる設定こそオメガバースの醍醐味だと思っている私には少々物足りなく感じてしまいました。
そもそも、項を噛まないならどうやって番認定されるのでしょうか…?うーん…謎です…(^^;)
でもまぁ、丸々一冊表題作だったのは良かったですね。欲を言えば、攻めと受けが惹かれ合うまでの過程をもう少しじっくり丁寧に描いて欲しかったなとは思いますが。
何となく、二人が惹かれ合う理由が全てフェロモンや本能で片付けられてしまっているような気がして個人的には少し腑に落ちないな、と。
これなら攻めと死別した恋人との関係の方がまだ納得出来ます。
要は本能だけじゃなくて心の繋がりにも重点を置いて欲しかった!って事です。
とはいえ、この作品の持つハッピーエンドなのに全然ハッピーさを感じさせない仄暗さ(おそらくこれがシビト先生の持ち味なのだと思う)は、あまあまな作品続きでやや食傷気味、でも読むならハピエンの作品じゃないと嫌というワガママな私にはまさにぴったりな作品だったので最後までそれなりに楽しめました(笑)
オメガバースモノとしては物足りなく感じる部分もありますが、エロシーンやCP、絵柄などは好みだったので評価はそこそこ満足の★4.0という事で。