荒川洋平のレビュー一覧
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大学の教授の著書なので(授業とってないけど)読んでみました。主に「日本人もちゃんと理解してない日本語の仕組み」について、加えて「日本語教育の現状」について簡単に紹介されていました。日本語教師に興味がある人は勿論、当たり前に普段使っている日本語の精巧さや魅力に気づくことができるため誰でも多くの気づきが得られる一冊でした。個人的に特に感心したのは、日本人は外国人の日本語学習は大変だろうと感じているが、実際は表記(漢字)が主であり、母音など音声的に見れば必ずしも難しいとは言えないということと、言語を教える時他言語を媒介せずとも効率よく教えることができるということですね。
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「日本語教育文法」は日本語によるコミュニケーションのためであり、用語や切り口など多くの点で国文法とは異なる。
①動詞の活用
辞書形、マス形、テ形、ナイ形、意向形、条件形、命令形
②品詞
名詞、動詞、イ/ナ形容詞、副詞、助詞
③動詞を中心とした「文型」で考える。
名詞文 N1はN2です。
存在文 N1(場所)にN2(名詞)がいる・ある
形容詞文 N1はN2です。
動詞 Nは動詞ます。
マス形 現在形、疑問・否定/過去形、疑問・否定
テ形
④テンスとアスペクト
テンスは話し手・聞き手にとって文の内容がいつかという時間軸のあるポイント「点」を示すのに対してアスペクトは一連に動作や -
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まず日本語の国際的な位置づけや言語的な特徴を踏まえた上で、日本人が好きな「日本語は難しい」「日本語は特殊だ」という主張を退けています。
それから初心者向けの講座などでよく取り上げられる、日本語教育の重要なポイントについて紹介されていました。コンパクトにまとめられた本ですが、内容はしっかりしています。
本を読んでそれで終わりというのではなく、実際にアクションを起こすための案内があるのがいいですし、巻末のブックガイドはとても参考になりました。
私がそうですが、駆け出しの教え手が初級の学び手に教えることを前提とした本としてとてもよかったです。 -
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日本語を教える上での基本的な知識はもちろん、教案や教具、教材についてもためになった。
現在、日本語教員の実践研修を受けている状況だが、実際に教えるようになったらまた読みたいと思う。
オーストラリアの外国語教育についての“All Guidelines”の「言語学習の八原則」も覚えておきたい。
学習者は(1~8)の時、最もよく学習する。
1.学習者が個々のニーズを持った個人として扱われるとき
2.自分の学習を管理できる機会が与えられたとき
3.適切な評価を得られたとき
4.コミュニケーションに能動的に関われたとき
5.ニーズと関係あるコミュニケーション上のデータ(単語や表現)を与えられたとき
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# 感想
「日本語学習者に日本語を教える」という視点を軸に、改めて日本語を見直せたのが良かった。元々日本語そのものや日本語を教えることに興味はあったので、またボランティアを探してみようかな、という気になった。
最後の「日本人の国際化より先に日本語が国際化している」は確かにな、と感じた。自分自身細かい性格のため、日本語学習者に対して「日本人が話す日本語」を教えようと細かいところまで指摘してしまう場面があったが、「コミュニケーションにおいて問題が発生するかどうか」の視点での指摘に意識的に切り替えたいと感じた。
# 残ったフレーズ・メモ
- 日本語の特徴
- 単語数が多い
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[ 内容 ]
留学生に教えてわかった、意外なおもしろさ・難しさ。
日本人のための日本語再入門。
[ 目次 ]
第1章 日本語はどんな外国語か?
第2章 日本語の読み書きは難しい?
第3章 日本語の音はこう聞こえる
第4章 外国語として日本語文法を眺めてみると
第5章 日本語表現のゆたかさを考える
第6章 日本語教育の世界へ
日本語学・日本語教育についてもっと知りたい人のためのブックガイド
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な -
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日本語を外国語として捉えてみようというコンセプトで書かれた本。外国人が日本語を勉強するときにどんな困難があるのか、どうやって指導するのかなど。「日本人よりも先に日本語が国際化している」という現実の中で日本語を勉強している外国人に対して日本人がおおらかである必要かある。
また、日本語教師といっても「人並みの知識・技能を身につける」ことをゴールにするのではなく、それは当然として、さらに自分の経験や得意な分野・専門を考え、それと日本語教育とどう結び付けるかという独自の日本人教師像を描いて、それをゴールにすべき、という著者の意見に共感した。ただの日本語教師より、他に専門職かあるけど日本語も教えられるっ -
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現役日本語教師による、普段何気なく使っている日本語を「外国語」として見つめてみようという一冊。
とても興味深く読めました。
確かに「(お菓子とかを差し出して)もらってやってくれない?」ってすごい日本語だよねぇ(笑)。
中学の時に習った「国文法」が怖ろしく退屈だったけれど、この、日本語を外国語として運用するための文法はと面白かった。
最後の「国際語としての日本語」に関する筆者のメッセージには心から共感します。日本語と日本文化は、当の日本人が思っている以上に「国際化」されて海外を一人歩きしている。だからこそ、日本人はもっと自国語・自文化に自覚的になり、かつそれらを客観視しないといけないよね。 -
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「ロマンシュ語」を「ロマンス語」、「古典(あるいは古代)ギリシア語」を限定なしの「ギリシャ語」としたりしている。この本を読んで色々と探求を進めようとする入門者の為にも、正確な用語を使ったほうが親切では。
energyの発音を日本語では「エネルギー」だが、実際は「エナジー」だとしているが、ドイツ語の発音なら「エネルギー」だ。英語との対比に偏ってないか。
日本語教育は、日本の英語教育と比べてうまくいっているなんて、「外国語教育」の専門家としての見識を疑うような記述もあり。
入門書として勧められるが、しかし残念なところも多々あり。佐々木瑞枝 『外国語としての日本語』(講談社現代新書)のほうが興 -
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日本語(国語にあらず)教師を目指す人のための入門書というよりは、「日本語教師を目指す人ってどんなことを勉強するの?」を紹介した本という印象。文体は平易で、コロケーション、プロミネンス、アスペクトなど日本語の発音や文法に関する専門用語もやさしく解説されているので便利である。
その好例が「そう」(p.192~)。いわゆる「ムード」と呼ばれる文法形式であるが、
「雨が降りそうだ」
「雨が降るそうだ」
両者の違いをどう説明するか。日本語教育では前者を「目のそう」(=様子)、後者を「耳のそう」(=伝聞)のように教える、と著者はいう。なるほどわかりやすい。
また、日本の英語教育では英和辞書を使って「訳