【感想・ネタバレ】日本語という外国語のレビュー

あらすじ

日本人が考える「日本語」と外から見た「ニホンゴ」は違います。「どこが難しい?」「意外な魅力とは?」「どう教えるか?」豊富な日本語教育経験から語る、日本人のための日本語再入門。(講談社現代新書)

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Posted by ブクログ

大学の教授の著書なので(授業とってないけど)読んでみました。主に「日本人もちゃんと理解してない日本語の仕組み」について、加えて「日本語教育の現状」について簡単に紹介されていました。日本語教師に興味がある人は勿論、当たり前に普段使っている日本語の精巧さや魅力に気づくことができるため誰でも多くの気づきが得られる一冊でした。個人的に特に感心したのは、日本人は外国人の日本語学習は大変だろうと感じているが、実際は表記(漢字)が主であり、母音など音声的に見れば必ずしも難しいとは言えないということと、言語を教える時他言語を媒介せずとも効率よく教えることができるということですね。

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2024年06月13日

Posted by ブクログ

「日本語教育文法」は日本語によるコミュニケーションのためであり、用語や切り口など多くの点で国文法とは異なる。
①動詞の活用
辞書形、マス形、テ形、ナイ形、意向形、条件形、命令形
②品詞
名詞、動詞、イ/ナ形容詞、副詞、助詞
③動詞を中心とした「文型」で考える。
名詞文  N1はN2です。
    存在文 N1(場所)にN2(名詞)がいる・ある
形容詞文 N1はN2です。
動詞  Nは動詞ます。
  マス形 現在形、疑問・否定/過去形、疑問・否定
  テ形
④テンスとアスペクト
テンスは話し手・聞き手にとって文の内容がいつかという時間軸のあるポイント「点」を示すのに対してアスペクトは一連に動作や出来事がどのあたりにあるのかという時間を線に見立てた中での「局面」や「段階」を示す。テンスは点す、アスペクトは線ス。
⑤ボイス 「表現された出来事を誰の立場から見るか」
 受身、使役
 ○食べ+させ(使役)+られ(受身)+てい(アスペクト)+た(テンス)
⑥ムード 「単なる事柄を表す以外の話し手の気持ちのありよう」
 ・動詞の形を変える
 ・動詞に名詞をつける
   耳のそう、目のそう
○練習+させ+られ+てい+た+らしい(ムード)+よ(ムード)
◎英語教育にも役立つ視点が多い。

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2020年05月19日

Posted by ブクログ

まず日本語の国際的な位置づけや言語的な特徴を踏まえた上で、日本人が好きな「日本語は難しい」「日本語は特殊だ」という主張を退けています。

それから初心者向けの講座などでよく取り上げられる、日本語教育の重要なポイントについて紹介されていました。コンパクトにまとめられた本ですが、内容はしっかりしています

本を読んでそれで終わりというのではなく、実際にアクションを起こすための案内があるのがいいですし、巻末のブックガイドはとても参考になりました。

私がそうですが、駆け出しの教え手が初級の学び手に教えることを前提とした本としてとてもよかったです。

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2011年12月10日

Posted by ブクログ

レビューは後ほど。

普段何気に使っている日本語を教えてみると意外と難しい!
ボブが教えている留学生たちに少しでも役に立てたらと思い読破!
うーん、お互い修行が足りない…

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2009年11月29日

Posted by ブクログ

# 感想

「日本語学習者に日本語を教える」という視点を軸に、改めて日本語を見直せたのが良かった。元々日本語そのものや日本語を教えることに興味はあったので、またボランティアを探してみようかな、という気になった。

最後の「日本人の国際化より先に日本語が国際化している」は確かにな、と感じた。自分自身細かい性格のため、日本語学習者に対して「日本人が話す日本語」を教えようと細かいところまで指摘してしまう場面があったが、「コミュニケーションにおいて問題が発生するかどうか」の視点での指摘に意識的に切り替えたいと感じた。

# 残ったフレーズ・メモ

- 日本語の特徴
- 単語数が多い
- 相手の扱いが多様
- 表記が複雑
- 一語の読みが多い
- 複数の表記システムの混合
- 音の数が少ない
- 動詞の活用がシンプル
- 正書法が曖昧
- オノマトペの範囲が曖昧
- 拍と音節
- 短音節2つのまとまりより、長音節が優先される…eg. ねむ くて た まん ない
- 2ルール
- 1拍目と2泊目は高さ異なる
- 音低くなったらその後高くならん
- 4パターン
- 頭高 いのちが
- 尾高 おとこが
- 平板 けむりが
- 中高 ちきゅうぎが
- プロミネンス(卓立)…抑揚・強調
- 「は」と「が」
- N1はN2です。→N2が新情報
- N1がN2です。→N1が新情報
- こそあど
- そこもっと押してください…「所有」、心理的な近さ
- あの人、その人
- あの人は共通認識、その人は話し手のみ
- ⭕️食べ終わる、食べ終える、なのに⭕️食べ始める、❌食べ始まる
- 「食べたばかり」と「食べたところ」
- 前者は先に続かない、後者はその先の動作に続く
- 「ている」は「た」と同様色々
- 動作の進行
- 習慣
- 結果の残存
- 経歴・経験
- 心の視点 岬が突き出ている、亀裂が走っている
- 非情の受け身 北京五輪は2008年に開催された →明治以降
- 自動詞の受け身 迷惑
- 日本語は「自分からどう見えたか」=ムードを表したがる
- ムード=法
- 日本人が外国人の日本語に厳しいのは、日本人より先に日本語が国際化したから

# 引っかかり・気づき

- p90 「たぬき丼」と「タヌキどん」は異なる(前者平板、後者が頭高)が、「豚丼」と「ブタどん」は両方平板では?
- 「〜どん」が「元の名詞の発音が保持される」のに対し、「〜丼」は一律で平板になるのでは
- p163 下記二例、どちらも「食べてない」が優勢では?(もちろん前者にのみ「食べなかった」が許容されるが)「食べてない」が過去にも拡張してる?
- 「昨日、夜中に何か食べた?」「いや、()」
- 「もう昼ごはん、食べた?」「いや、まだ()」
- 「いた」と「いる」
- 特定の「個人」を想定した場合は「いた」で、属性等の条件だけ想定していた場合は「いる」?

# 実践したいこと・やりたいこと

- 教材買って見てみる
- 文型辞典
- 日本語アクセント辞典
- 類義語の説明
- 集まると集う
- きちんととちゃんと
- 居眠りとうたた寝
- 港南区のボランティア参加
- 外国人の日本語に対する寛容さの意識

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2023年07月30日

Posted by ブクログ

日本語教育の本って日本語の専門家が書いているのにも関わらず非常に読みにくいものが多い。言葉の定義や論理の整合性を重視する為どうしてもそうなりがちなのは理解できるが。さて本作であるが、先ず出だしが非常に読みやすい。ツカミOK!名著『日本語』(金田一春彦)を思い出した。勿論、新書版という量的制約の為、これ一冊読めば日本語が教えられるかと言えば実はそうではない。これから日本語教育の勉強を始めようと思っている方、日本語を教えながらも授業の進め方に悩んでいる方にお勧めの一冊です。『もしも・・・』の方も読んでみたい。

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2012年02月10日

Posted by ブクログ

私達が学校で受けてきた英語教育との違いに驚き。ここで出てくる日本語教育は、英語圏の国の英語学校、いわゆるESLの授業よりもさらに実践的なプログラムのように感じた。難しい専門用語や、文法知識を誰にでも分かるように噛み砕いた説明は、さすが日本語教師。日本語を客観視するきっかけから、日本語教師の待遇まで、一貫して読者の立場で書かれていてとても読みやすかった。

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2011年05月12日

Posted by ブクログ

[ 内容 ]
留学生に教えてわかった、意外なおもしろさ・難しさ。
日本人のための日本語再入門。

[ 目次 ]
第1章 日本語はどんな外国語か?
第2章 日本語の読み書きは難しい?
第3章 日本語の音はこう聞こえる
第4章 外国語として日本語文法を眺めてみると
第5章 日本語表現のゆたかさを考える
第6章 日本語教育の世界へ
日本語学・日本語教育についてもっと知りたい人のためのブックガイド

[ POP ]


[ おすすめ度 ]

☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

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2010年11月25日

Posted by ブクログ

日本語を外国語として捉えてみようというコンセプトで書かれた本。外国人が日本語を勉強するときにどんな困難があるのか、どうやって指導するのかなど。「日本人よりも先に日本語が国際化している」という現実の中で日本語を勉強している外国人に対して日本人がおおらかである必要かある。
また、日本語教師といっても「人並みの知識・技能を身につける」ことをゴールにするのではなく、それは当然として、さらに自分の経験や得意な分野・専門を考え、それと日本語教育とどう結び付けるかという独自の日本人教師像を描いて、それをゴールにすべき、という著者の意見に共感した。ただの日本語教師より、他に専門職かあるけど日本語も教えられるっていう方がいい。
教育ブックガイドもなかなか良い。

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2010年08月22日

Posted by ブクログ

現役日本語教師による、普段何気なく使っている日本語を「外国語」として見つめてみようという一冊。

とても興味深く読めました。
確かに「(お菓子とかを差し出して)もらってやってくれない?」ってすごい日本語だよねぇ(笑)。

中学の時に習った「国文法」が怖ろしく退屈だったけれど、この、日本語を外国語として運用するための文法はと面白かった。

最後の「国際語としての日本語」に関する筆者のメッセージには心から共感します。日本語と日本文化は、当の日本人が思っている以上に「国際化」されて海外を一人歩きしている。だからこそ、日本人はもっと自国語・自文化に自覚的になり、かつそれらを客観視しないといけないよね。

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2009年10月12日

Posted by ブクログ

日本語を第三者から見るとこうなるのか、と新たな発見があった著作であった。しかし途中から日本語を教える立場に立った内容に特化してしまい、興味から外れてしまった。
しかしながら良本だと思います。

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2023年09月15日

Posted by ブクログ

日本語について、あまりにも知らないことが多かった。母語と外国語との違いについて、いろいろ考えさせられた。外国人に日本語を教えるのは、いろいろな知識が必要だとわかった。

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2015年10月21日

Posted by ブクログ

日本語教育文法と国文法の違い。会話として日本語を覚えていく外国人を追体験していくことで教えるときにも役立つ。

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2013年03月29日

Posted by ブクログ

「ロマンシュ語」を「ロマンス語」、「古典(あるいは古代)ギリシア語」を限定なしの「ギリシャ語」としたりしている。この本を読んで色々と探求を進めようとする入門者の為にも、正確な用語を使ったほうが親切では。

energyの発音を日本語では「エネルギー」だが、実際は「エナジー」だとしているが、ドイツ語の発音なら「エネルギー」だ。英語との対比に偏ってないか。

日本語教育は、日本の英語教育と比べてうまくいっているなんて、「外国語教育」の専門家としての見識を疑うような記述もあり。

入門書として勧められるが、しかし残念なところも多々あり。佐々木瑞枝 『外国語としての日本語』(講談社現代新書)のほうが興味深いかもしれない。

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2012年03月18日

Posted by ブクログ

日本語(国語にあらず)教師を目指す人のための入門書というよりは、「日本語教師を目指す人ってどんなことを勉強するの?」を紹介した本という印象。文体は平易で、コロケーション、プロミネンス、アスペクトなど日本語の発音や文法に関する専門用語もやさしく解説されているので便利である。

その好例が「そう」(p.192~)。いわゆる「ムード」と呼ばれる文法形式であるが、
「雨が降りそうだ」
「雨が降るそうだ」
両者の違いをどう説明するか。日本語教育では前者を「目のそう」(=様子)、後者を「耳のそう」(=伝聞)のように教える、と著者はいう。なるほどわかりやすい。

また、日本の英語教育では英和辞書を使って「訳す」勉強することがもっぱらなのに対し、米豪などの日本語学校では同じ英和辞書で「~を日本語で言うには何といえばいいのか」式に教える(pp.150-53)という話にも納得。授業で道案内を英語でやらされた人は多いと思うが、あらかじめ与えられた教材(地図)にそった形ではなく、「日本語で言いたい」という気持ちを起こさせる形で言語を使ってもらえるよう工夫することが、教師の務めということだろう。

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2009年10月08日

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