清水真木のレビュー一覧

  • 新・風景論 ──哲学的考察
    久々にちゃんとした哲学的考察を読んだ。ああ、ネットの時代になってもこういうものはちゃんと存在してるんだな。とてもとてもうれしい。地平ではなくなったもの、という主張への違和感は、少し時間をかけて考えてみたい。
  • これが「教養」だ
    201112/
    教養とは「公共圏と私生活圏を統合する生活の能力」/
    公的な生活と私的な生活のこのような衝突という難問を巧みに解決する能力こそ「教養」とよばれるべきものである/
    少し抽象的な言い方をすれば、一人の人間が帰属している複数の社会集団、組織のあいだの利害を調整する能力ということになる/
    バラ...続きを読む
  • ニーチェ入門
    正直今の自分には不要かなと思っていたが、新しい発見や理解が中途半端だったところの補強を得ることができた読書経験だった。ドゥルーズやバタイユなどのフランス現代思想家のニーチェ解釈は場合によっては害になるなど、自分の論を歯に衣着せぬ物言いで主張していく筆者の姿に感銘を受けた。
  • これが「教養」だ
    教養という必要だろうけど良く解らないものを、関係ありそうで関係ない物を削り取って行く形で説明していて面白かった。「猛毒を含む」や「教育、読書、人格を一度何もかも精算しなければならない」など、今まで思っていた教養というものが洗練されていく感じでした。仕事、家庭、地域での生きやすさを追求する為に教養は身...続きを読む
  • ニーチェ入門
    ニーチェに関する専門用語をできるだけ使わずに、ニーチェの思想の入り口まで平易な文章で解説がなされている。
    ニーチェの生涯と思想を絡めた解説ということもあり、ニーチェの周囲の人間関係がその著作にどのような影響を及ぼしてきたかを俯瞰できる。
  • これが「教養」だ
    [ 内容 ]
    「教養」の歴史は意外なほど浅い。
    その教養がなぜ、「古典」「読書」「該博な知識」などと結びつき変質してしまったのか―。
    新進気鋭の哲学者が、探偵のごとく「真の教養の姿」を追い求め、現代に蘇らせる知的興奮の書。

    [ 目次 ]
    第1章 手垢にまみれた教養の本当の姿(「教養とは何か」という...続きを読む
  • これが「教養」だ
    先日読んだ教養の定義の混乱から、本書を読んで一転してそれがクリアになった。しかし、著者もいうように教養は猛毒であった。ふー。
    その定義は後で引用しておきたい。生活上の衝突という難問、すなわち問題を「解決する能力」が教養といっている。
    また、公共圏と私生活圏を統合する生活の能力という「自分らしさ」とも...続きを読む
  • これが「教養」だ
    語り口調で書かれていて、最初は読みにくいと思ったけど、途中から心地よくなった。
    著者の知識の深さがすごぉい、てか底無しな感じ。文系の教授くらいはこのくらいは当然なのかな?
    ちなみに教養とは、社会と私生活をうまくつなぐというか、問題を解決するための知識、といったところか。すばらしい。
  • これが「教養」だ
    「教養」の歴史をたどり、どのような経緯を経て日本における教養主義の流行とその退潮が生じることになったのかということを論じている本です。

    著者はまず、ハーバーマスに依拠して公共圏の誕生と、それにともなう親密圏(家庭)と私有圏(仕事)の分化が生じたことに触れるとともに、それを統一する「自分らしさ」が求...続きを読む
  • ニーチェ入門
    ニーチェ自身の病気と健康という2面性から、身体に敵対するものを受容してそれでも強く生きる超人と、身体を慰めてくれる思想・薬に安易に飛びつく病人の対比を理解しやすかった。
  • これが「教養」だ
    『これが「教養」だ』(清水真木、2010年、新潮新書)

    「教養」とは何か、について解説している書。一般的な教養の解説書とは違った観点から解説しているのではないかと思われる。

    筆者は教養は「公共圏と私生活圏を統合する生活の能力」と定義してみたり、「生活の交通整理をするための「自分らしさ」のこと」と...続きを読む
  • これが「教養」だ
    「教養」というあいまいな言葉について、日本に輸入された歴史や、「教育」「古典」などの関連ワードとの切り分けについて書かれた本。教養とは、仕事とプライベートと政治、3つの役割をうまく統合する能力だ、というようなことが書かれていた。教養の身につけかたについては書いていない。