イアンスチュアートのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
やさしそうな見た目とは裏腹になかなか読み応えのある難しさの本でした。
かつて、数学とは何かを数値化するために使うものでありましたが、現在、さまざまなことが自動化されたおかげで、使うものではなくなってきています。
例えば、お釣りの計算はレジでやってくれますし、目的地の最短ルートはわざわざ地図と睨めっこする必要もなくなりました。
数学はこうして使うのではなく、「欠かせないもの」として変化していった、と冒頭で述べられています。
また、数学は、作られた当初の目的とは思いもよらない形で利用されていることが多く、この本においても、そんな数学が主に取り扱われております。
何か新しいものを生み出すとき、予想もしていない使われ方をすることはよくあります。もちろん悪用も含まれています。
しかし、技術を自分のものだけとせず(ただし、誰が作ったか、は明確に残す必要はあります。)誰もが使えるようにすることで、驚くほど快適に過ごす環境づくりの役に立つかもしれません。
…ただし、この本はやはり難解で、読み終わりましたが消化不良に陥りました。時間をおいて再トライしてみようかと思います。 -
Posted by ブクログ
「対称性」ということなので、素粒子理論やひも理論のことが出てくるのは分かっていた。ただ、その説明のために高次方程式の解を導く公式から始まるのは想定外。ただ、読み進めていくと納得できる。高次方程式の解法が、何かが不可能であることを証明することや、複素数という新しい「数」の発明、という数学の歴史の中でも大きなステップにつながる出来事でもあったということがわかるからだ。そして何より、現代物理学にとって重要な「対称性」の鍵となるガロアの群論がここから始まったからだ。
(群論は、大学のときに全く頭に入らなかったことで覚えている。大事なんだろうなとは思っていたのだけれど...)
量子力学の歴史や、ひも理論、多宇宙理論などの歴史を綴った科学書はいくつか読んだが、「対称性」を鍵に、さらにレイヤを上げてそれらの歴史を再構成したようなイメージの本だ。「対称性」ということが理解できたかというと、できてはいないのだけれど、そのフレーバーは感じることができた。8元数の性質が、ひも理論の次数が10次元であることを基礎づけるかもしれない、ということが出てくると、数学と物理学(現実)がつなが意外なところでつながるようで、心惹かれるものがある。
数学と物理学のダンス。物理学にとって「真」とは何か。数学にとって「美」とは何か。決して簡単な本ではないが、改めてそういったことを考えさせてくれる本。でも、ちょっと難しいね。 -
Posted by ブクログ
数学のすばらしさを伝える良い本なのですが、私には難しかったので星3つ。
ある分野を念頭に考え出された数学が、まったく違う分野で大活躍している、不合理な有効性の例が列挙されている。選挙区の区分けの公正さを記述する数学、巡回セールスマンとP=NP問題の関係、ハミング距離を使う画像認識は次元を小さくするために敵対的サンプルを簡単につくれる、腎臓移植のドナー選びにグラフ理論が使われている、RSA暗号や楕円曲線のしくみと量子コンピュータでも破れない暗号、シュレジンガー方程式と複素平面の関係、コンピュータグラフィックスの回転に使われる四元数、ばねの不良解析に使われたカオス挙動のアトラクター、CATスキャナに使われるラドン変換、画像圧縮に使われるハフマン符号、フラクタル、ウェーブレット変換、GPSに使われる乱数発生器とメルセンヌ素数。北極海の氷とイジング、ビッグデータの解析とトポロジー理論。 これらが理解できれば数学者になれる。