つかこうへいのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
娘みなこに語りかけるように祖国に対する思いや
実体験が書かれている。
女の子として生まれた子供の将来を考えての
優しい発言、在日韓国人としての実体験や
憤りなどを赤裸々にしたエッセイ(かな?)。
かなり思いのまま、筆を走らせている印象。
でもその正直なところに好感を持った。
本書が発行されてから長い年月が過ぎ、
日韓は微妙さを残しながらも、日本側から
したら只今韓流ブーム真っただ中。
随分時代が変わっているのかもしれない。
4歳みなこの将来も心配しているが、その
将来となった今、つかこうへいさん自身は
この世を去り、みなこは宝塚歌劇団のトップに
登りつめた後、ラブリンさんとお別れし・・ -
購入済み
あの時を思い出せるなら
著者も鬼籍となり、懐かしい時代のノスタルジアに浸るには良い本です。しかし女優なめんじゃねーよ、とばかりに舞台に立てる、そして一発屋に終わらない女優とはなんぞやと勉強になります。四半世紀たった今も残っている女優は誰?
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Posted by ブクログ
ざくっと読むと、著者が韓国公演のために、初めて祖国・韓国を訪れた際のドタバタ的な思い出話ように思える。
でも、読んだ後にあれこれ思いをめぐらせると、決してそんなものではないことがわかる。
文章の端々に、国という存在へのとまどい、弱者への眼差し、血を分けた娘と自分自身のアイデンティティの確認など、平易に語ることが難しいテーマがちりばめられている。
どうしても深刻になりがちなそのようなテーマを、軽妙洒脱(こういう表現が適切なのかわからないが)な文章でするすると読ませてしまうのが、つかこうへいなのだろう。
「きっと祖国とは、おまえの美しさのことです」と一人娘に語りかける著者の言葉は -
Posted by ブクログ
昭和の香りが凄い。差別意識、差別用語も凄い。もう少し文学作品的な側面でリベラルなものが書かれているのかと思っていたが、言い方悪いですが下品という言葉に近いような場面、言葉遣い、内容がいくつもあった。これが時代の流れというものか。主人公も人間としてのあり方もいまいちよく分からない。男性的なのか女性的なのか。分裂的であまり人間を上手く描けていないと感じた。
モスクワ五輪を念頭に置いているというのが素晴らしい。政治的問題により全日本人選手が出場辞退となったモスクワ五輪。それがあらかじめ分かっているからこそ、一瞬一瞬が儚いもののように思われる。結局のところ、二人の思い出の頂点は和歌山にあるというのがあ -
Posted by ブクログ
在日韓国人のつかこうへい氏が自分を、祖国を、芝居という仕事を通して娘に語りかける親から子へのメッセージ。
芝居という作品を母国であり、異国でもある祖国で作り上げる過程で、娘への手紙という方法で、自己というものを著者があらためて見つめ直しているように思える。
最近、再び騒がれ始めた日本と近隣諸国との歴史問題。
以前読んだ某記事に現地の方のこんな台詞が書いありました。
「暴動やデモは日本人に対するものではなく、日本政府に対するものだ」
僕は日本政府をバッシングするつもりはない。
例えば「明日から外交関係の仕事をしろ!」と言われてもできないでしょう。
きっと政府には政府なりの考えがあると思