橘かおるのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
王道HQロマンスですが、ただのシンデレラストーリーではなく、ハズシが利いていて面白かったです。
蓮川愛センセのイラストがぴったりで、もはやこの絵柄以外では妄想することはできないくらいですね。
なんちゃって宗教ものなので、読むまでは勝手に神秘的で隠微な世界観を想像していたけど、蓋を開ければ教皇と彼が救い出した孤児で後に稚児となる煌夜との、身分を越えた一途な愛がメインの単純明快なストーリーでした。なんというか、小学生でも理解できる内容で、デロ甘なHシーンさえなければHQじゃなくておとぎ話系にジャンル分けしたいくらいです。思ってたより、あっさり相思相愛になって痛いほどの障害もないので、拍子抜けしそうになりましたが。
しかし、お楽しみはそこじゃないんですよね。
登場人物の描き方がいいんです。
教皇様をはじめ、煌夜、黎枝、宗麟と、登場人物全てのキャラが生きています。キャラ立ちがすばらしいのが最大のポイント。おとぎ話だったらイイ人はイイ人なんだけど、この話はそうじゃないところが面白い。皆さんそれぞれに人間臭いです。
なので、読んでるとその人間味に愛しくなるし、笑えるし、ツッコミを入れたくなってしまうのです。
特に教皇の紫耀とその側近であり秘書の黎枝が、一癖も二癖もある人物!
神々しい教皇様はあくまでも表向きであって、実はかなり食えない男。もちろん聖職は真摯に勤めているんですが、野心や下心も満々。黎枝もそんな紫耀とタッグを組んで、あらゆる手を駆使して今の権力を手にしてきたのです。
そんなちょっとクロい部分がある二人のやりとりも面白いし、そこにやって来た煌夜の、純真無垢で天然な威力が紫耀と黎枝にもたらす変化も面白いのです。
腹黒な二人が、煌夜を傷付けられることだけは許さないとばかりに必死になるのも快感。
煌夜をめぐって、紫耀、黎枝と宗麟との間にものすごくズレた誤解が生じたくだりは思わず笑ってしまいました…宗麟、みかけと違ってかなりピュアでした。敵対する宗麟の方がよっぽど善人というのに苦笑してしまった。
もちろん、純愛だな~と感じる「稚児灌頂」がクライマックスなので、うっとりできることもまちがいなし。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ裏社会にも絶大な力を持つ香港の実業家、皇獅子×平凡なサラリーマン、兔田優哉。ひ弱なうさぎが、傲慢俺様ライオンに食べられちゃう話です。
香港実業家とリーマンって嫌いじゃないけどありがちなので、イラストが美麗な緒田涼歌センセじゃなかったらスルーしていたところでした。でも、読み始めたら皇獅子が特別な嗅覚を持つ一族で、匂いで「運命の伴侶」を探し当てるという、すごい特殊設定がインパクトあって意外に引き込まれました。
皇獅子が大物ぽく傲慢なマイペース男で、無理強いするつもりはないとか言ってるわりに優哉に強引に迫ってておいおい、と思ったけど、愛がちゃんと感じられるところはステキ。すごい溺愛振りです。
うさは、弱いくせに強情なところもあって、なかなか獅子に懐きません。自分は女じゃないから守られたり品物を買い与えられたりするのはおかしいと思っているうさ。かわいいけど芯の強さがあって好感が持てます。
でも、結局は獲物として皇獅子においしく食べられてしまうのでした。
ベッドシーンは拒絶するけど体は嘘をつかないうさぎがかわいくて、とても煽られます。皇獅子がフェロモンぷんぷんのうさに辛抱たまらず強引にHしてしまうので、最初は嫌がって逃げようとします。でも、だんだんその気になっていくんですよね…遠慮とか伴侶にされることへの抵抗とか、うさぎなりにいろいろ悩んでいるんでしょうが、皇獅子のこと好きなんだなというのは明瞭です。あれだけ熱烈に溺愛されれば、ほだされても無理はないですよね。
Hのページ数がもの凄く多い!あとがきにうさぎは意外にも好色な動物ってあったので優哉はイメージにぴったりだなーと思ってしまいました。いいエロです。
スリリングな場面もありながら、楽しくロマンティックな雰囲気満載で満足しました。