氷上英廣のレビュー一覧

  • ツァラトゥストラは こう言った 下

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    相変わらず難解な文章だったが、なんとか最後まで読破。第一章のリズムに慣れてきていたところなのに、第二章以降リズムを崩されて戸惑いがあった。
    第一章までは超人に至る話であって、第二章からは永遠回帰がテーマとなっているそう。予備知識なく読んでしまったので、そんな事を知ったのは読み終わって後書きを読んだ時だった。円環的に繰り返される生の中で、未来に希望を持つのではなく今を楽しもうではないか。要するにそういうことなんだろうか。それはとてもいい考えだ。そうありたい。うん。

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    2022年12月18日
  • ツァラトゥストラは こう言った 上

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    ニーチェの文体を初めて読んだ。詩的な文章になかなか翻弄されたが、中程まで読んだ頃には段々とそのリズムが心地よくなっていった。
    言っていることは正直よく分からないが、私の乏しいキリスト教の知識と当時の時代背景を考えながら、ニーチェの語る哲学に想いを馳せてみた。
    ユダヤ教の価値観が飽和して、惰性的に割礼の有無だけで信仰を判断するようになってしまった世の中でキリスト教が生まれた。ニーチェのツァラトゥストラは、その後のキリスト教の価値観が飽和した社会においてまた先祖返り的にゾロアスターの名を用いて、キリスト教の負の部分を払拭したいと考えたのではないか。などと考えながら読んだが、ニーチェ研究の書などもっ

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    2022年12月07日
  • ツァラトゥストラは こう言った 上

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    本書では、著者ニーチェの哲学や根本思想が散りばめている。著者の作品を読むのは初めてであり、注釈も全くなかったため難解であった。神は死んだという象徴的な言葉を残した著者であるが、本書ではその思想について物語形式で詳しく書かれている。しかし、正直なところ本書のほとんどを理解できなかった。比喩的な表現が多いため、イマジネーション能力が必要とされる。巻末にある解説を読んで初めて、本書の面白さを感じたといっても過言ではない。しかし、本書を通して哲学は興味深いと再確認したので、これから簡単な入門書を読んで哲学を学んでいきたいと思う。

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    2018年11月16日
  • ツァラトゥストラは こう言った 下

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    謎めく筆致だ。読めば読むほどわからなくなる。キリスト教へのラディカルな批判は感じる。大きな楽観と世界への肯定を感じた。

    ・わたしは神を無みするツァラトゥストラだ。わたしはいっさいの偶然を、わたしの鍋で煮る。その偶然がよく煮えたとき、わたしの食べ物として、賞味する。
    ・わたしはいったい幸福を追い求めているのだろうか?わたしの求めているのは、わたしの仕事だ!よし!獅子は来た。わたしの子どもたちは近くにいる。ツァラトゥストラは熟れた。わたしの時は来た。

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    2017年09月29日
  • ツァラトゥストラは こう言った 上

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    大地、身体、踊る神の重視。歌うような調子で「物語」は進んでいく。

    女性に関することはダメだね。

    読みやすい訳文だが、内容の理解は難しい。星の王子さまのような謎解きが挑まれているようなスタイルだからだ。

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    2017年09月29日
  • ツァラトゥストラは こう言った 上

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    興味深いのは、第1部の最初で山を下りて「神は死んだ」や「超人」という教えを広めたツァラトゥストラが、上巻の最後(第2部の最後)で再び弟子と分かれて山に戻ることである。

    10日間で書かれたという第1部に、ニーチェは満足がいかなかったのだろう。

    そして第3部で、再び教えを説く際に新たに現れるのが「永遠回帰」という概念である。
    何度も繰り返される「私はあなたを愛するからだ、おお、永遠よ」が、本来の最終部であったはずの第3部のラストを飾っている。

    第4部はもともとは自費出版で40部程度が配られただけとあって、明らかに趣が違う。

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    2016年06月01日
  • ツァラトゥストラは こう言った 下

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    ネタバレ

    ツァラトゥストラを主人公にした、当時のキリスト教社会を否定したニーチェの思想を盛り込んだ物語。

    初めはなんやこれな感じだったが、聖書をパロッタものということがわかってからは、これがどうして中々面白く読めた。

    本来の思想はもっと違うのかもしれないが、個人的な感想としてはより現代的であると思うし、結構自己中心的でもあってとても人間くさく感じる。

    哲学書として非常に難しくはあるが、今風っぽく人間らしい主人公に共感しながら読み進められる分、入り口としてはうってつけなのではないかと思う。

    またある程度時間が経ったら読み返してみようと思う。

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    2015年11月11日
  • ツァラトゥストラは こう言った 上

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    ネタバレ

    ツァラトゥストラを主人公にした、当時のキリスト教社会を否定したニーチェの思想を盛り込んだ物語。

    初めはなんやこれな感じだったが、聖書をパロッタものということがわかってからは、これがどうして中々面白く読めた。

    本来の思想はもっと違うのかもしれないが、個人的な感想としてはより現代的であると思うし、結構自己中心的でもあってとても人間くさく感じる。

    哲学書として非常に難しくはあるが、今風っぽく人間らしい主人公に共感しながら読み進められる分、入り口としてはうってつけなのではないかと思う。

    またある程度時間が経ったら読み返してみようと思う。

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    2015年11月11日
  • ツァラトゥストラは こう言った 上

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    ニーチェは大衆を「畜群」として毛嫌いした。
    そして今日の大衆は「大衆」を馬鹿にする時代。
    ニーチェの哲学は奴隷道徳と貴族道徳を発想したことであった。前者は受動的に生きることを好み、後者は自ら責任を負い、能動的に生き自ら価値を創出出来る人間である。

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    2015年06月26日
  • ツァラトゥストラは こう言った 下

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    永劫回帰。すべてのものが、宇宙までもが何回も全く同じように繰り返されるというこの考え方について、それでもなお立ち向かうことができる存在が「超人」だという。

    とりあえず自分なら無理。ニーチェ自身は「超人」になれたのだろうか・・・?

    自分はただの理系で、哲学を習ったことがないのですが、考え方としては面白かったです。

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    2014年10月26日
  • ツァラトゥストラは こう言った 下

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    再読。ニーチェの思想は暗い様に見えて、実に明るい。永遠回帰とは「これが人生か。よし、ならばもう一度!」と死後の世界にも唯物論にも頼ることなく生を肯定する思想であり、何巡でも同じ人生を繰り返すのだという覚悟が求められる。そしてニーチェは己の意思を疾走させる。それは常識より速く、道徳より高く。そこに倫理は生まれ。しかし彼の言葉を真に受け、模倣している限り彼の忌み嫌う価値観の奴隷にしかなれないのだろう。そう、ニーチェの思想とは、彼以上に疾走する意思を求められる思想なのだ。誰よりも疾く在れ、高くあれ、もう一度!

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    2014年06月28日
  • ツァラトゥストラは こう言った 上

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    学生時以来、久々の再読。聖書風散文体で書かれた、ツァラトゥストラが語る至高のぼっち賛歌。次から次へと畳み掛けられるアジテーションの通底は『善悪の彼岸』的な価値判断の問題であり、道徳や常識といった基準に安穏している者、強者への妬み=ルサンチマンを正当化する者たちを糾弾し己の価値を己で決定する独立者たちへ超人への道を説く。自分は読んでいてニーチェの思想からはニヒリズムを感じないのだが、それは強者が弱者を装い、弱者と認められない弱者がルサンチマンを抱く現代社会に対しての方が遥かに虚無感を抱いているからなのだろう

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    2014年06月24日
  • ツァラトゥストラは こう言った 下

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    倫理の教科書ではニーチェ思想は超人、永劫回帰という用語ばかりで語られるが、実際の本を読むと、そんなに単純にわかるものではない。詩的なニーチェの文章は含蓄はあるが非常に読みづらい。

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    2013年01月30日
  • ツァラトゥストラは こう言った 上

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    とりあえずプラトン、アリストテレスくらいからルソー、カントくらいまでを概説でも良いので読むと、非常に面白く読めるのではないでしょうか

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    2013年01月27日
  • ツァラトゥストラは こう言った 下

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    哲学は意味がないことだと言う背景知識を知っていたのだが、
    ツァラトゥストラはこう言った
    に出てくる言葉は力強く、人を惹き付ける力があると思う。
    哲学が人の力に助力することもあると感じた。

    他のニーチェの本も、パラパラと書店で見たが、
    ツァラトゥストラを主人公として、纏めらている形式は、
    興味深いし、何より、面白い。

    テーマ毎に、
    ツァラトゥストラはこう言った。又は、ツァラトゥストラはこう歌った。で締められる形式も、個人的には好感触だった・

    良書だと思います。

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    2012年10月03日
  • ツァラトゥストラは こう言った 上

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     ニーチェの作品の中で唯一読んだものだ。哲学書というより詩のような神話のようだ。それがこの作品を難解にもさせるし、強いインパクトを与えもする。ツァラトストラは明らかに聖書を意識している。

     「神は死んだ」の台詞は有名だが、これは言われるまでもなく当たり前なことで、誰もが知ってることではないかと思う。日常での理不尽さ、戦争及び災害、飢餓、暴力を振るう側と振るわれる側、支配する者と支配される者、このような世界のどこに神がいると言えるだろう。

     遠藤周作の「沈黙」で、島原で迫害を受けるキリシタンの農民の一人が宣教師にこう言っている。「あなたの教える神がいるというなら、どうしてこの悲劇の中に現れな

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    2012年08月24日
  • ツァラトゥストラは こう言った 下

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    「否、否、三たび否!」
    「おお、嘔吐! 嘔吐! 嘔吐!」

    「晩餐」の章からの畳みかけるような勢いがすごい。
    ツァラトゥストラの元へ訪ねてきた「ましな人間」たち。しかしツァラトゥストラの求めた人物は彼らではなかった。彼が求めたのは、これから彼の園を尋ねるであろう彼の「子ども」たちである。彼のこれまでの説教はすべて、この「子ども」たちのためにある! 彼は説く。この「子ども」たちのために、「ましな人間」は踏み越えられるべき橋となるように。そのために富み貧しくなるように。

    「永劫回帰」というのは、たぶん、こういうことだろうか。
    ある一瞬。「この時が永遠に続いたらどんなに素晴らしいだろうか!」と思う

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    2012年05月18日
  • ツァラトゥストラは こう言った 下

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    (下)は永遠回帰をより強調。

    ・世界は深い。・殻を持つこと(美しい外観・賢明さを身につける)も必要である。・世界には汚物があるが、世界が汚物だとは言えない(その汚物に知恵が潜んでいる)。・最上のものを学ぶべき。・不治の病人の前では無理に医者になるな。・おしゃべりのあるところは花園となる。・権力を持つということは汚れるということ。それをわかって権力を持つべき。・多くを中途半端に知ることはよくない。・他人の思い過ごしで賢者になるより、自分の責任でばか者であるほうがまし。偉大さを求めるのは偉大ではないから。・貧しい者が幸いだとは真理ではない。・どこへ行くかを知っている者だけが、どれが良い風向きか、

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    2011年10月13日
  • ツァラトゥストラは こう言った 下

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    ニヒリストとは、純粋なる魂の持ち主が矛盾に溢れた世界と向かい合うべく、自らをスタイル化した結果なのだろう。
    ナイフのように尖ってはいるが、とってもナイーブな人達が多い。そういうニーチェに共感するのは僕だけではないだろう。

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    2009年10月04日
  • ツァラトゥストラは こう言った 下

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     とりあえず読んだことにしておくが、よくわからないし、最後の方は流して飛んでしまったためあまり身にならなかった

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    2025年12月02日