【感想・ネタバレ】ツァラトゥストラは こう言った 下のレビュー

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ネタバレ

主に「超人」について語られた上巻から一変して、下巻のメインテーマは有名な「永劫回帰」へと転換する。

この世の一切は永遠に、何度も何度も繰り返す。繰り返すからといって、少しずつよくなったり、悪くなったりするわけではない。一切は全く同じように繰り返す。
もし自分の人生が終わった瞬間に、また初めから同じことを繰り返せ、しかも永遠に何度も、と言われたら?普通の人は発狂してしまうだろう。
が、ツァラトゥストラは、永遠に繰り返す世界に絶望するのではなく、生を愛し、永劫回帰を受け入れ、何度でも生きてみせる強靭な精神をもつことを要求する。

ツァラトゥストラ自身も初めは「ああした人間が永遠にくりかえしやってくる!あの小さな人間が永遠にくりかえしやってくる!(中略)ああ、嘔吐!嘔吐!嘔吐!」と嫌悪感を隠さない。
が、鷲や蛇といった動物たちに励まされつつ自分を奮い立たせ、やがては「永遠よ、わたしはあなたを愛する」と歌うに至る。

最終章となる第4部では、さまざまな人物(俗世を嫌悪する「ましな人間」たち)が登場し、ツァラトゥストラと問答を繰り広げる。
「ましな人間」たちとの対話を通じ、ツァラトゥストラは、「同情」こそ忌避すべき「最後の罪」だと悟る。

他者に対する同情を罪悪とみなし、「外界などはない」(p132)と嘯く。しかも自身を慕い、追随する者たちを繰り返し拒絶する。
ニーチェの思想は、もとより他者との関係性を考慮しない(ばかりか、積極的に無意味化する)ものであることが明示された形だ。
あくまでニーチェが主眼においているのは、自己を超克するということと、これに加えて、いかなるものをも絶対化せず自問し続け、世界のあらゆるものに自ら意味を与えていくということという、至極エゴイスティックな思想だ。
と、「今の俺」は解釈した。

『ツァラトゥストラ』は通り一遍の読み方を許容しない。必死にテキストを追って解釈しようとするよりも、むしろツァラトゥストラと同じ高みに到達し、対等な相手と議論を交わすかのごとき読書態度を求められているような、そんな気がする。そのためには、思索的な鍛錬と、さらなる読書が俺には必要。

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2014年05月05日

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「ガハハ!我こそは価値を創造する者」

「わたしがいい!と言うものこそはいい!」 


ツァラトゥストラはこう言った。
わたしもそう言う!
やっぱりね♪  そうだと思ってた。

この本は、割りと読みやすい。とはいってもわけわからない。それがいいんだな。
高校生なら読めるはず(ただし、岩波版に限る。新潮版は無理!)。
もし読めないなら読まなくていい。君が読むべき者でないだけだから。何も気にすることはない。
全ての高校生に!いや17歳に!

解るんじゃなくて、使うんだ。良い本だよ♡
元気になるよ!



Mahalo

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2013年12月17日

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ニーチェが求めている人間の典型って、たとえば漫画『ヘルシング』の登場人物みたいなもんだと思うとわかりやすい。

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2012年02月10日

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永遠回帰のテーマは、一切の自らの意志を放棄する「他力」を全く逆回しにした、同一の到達点のように感じた。突き詰めることと手放すこと、真逆に進んでなんで同じところに行き着くのだろう。不思議だけど、そこで生まれる全てを肯定する圧倒的なエネルギーは、なにか人間の普遍的なところに触れているのかもしれないと思った。

ツァラトゥストラの生は、僕自身にも少なからず気付きをもたらしてくれた。思わず笑い出したくなるような転換が、体の奥底からこみ上げてくる。この本に出会ったことを感謝したい。

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2011年12月19日

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人間の「限界」を体現してくれている本。
そのため「これ以上面白い本は存在しない」と思うことになる。

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2009年12月18日

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ツァラトウスラが山から下山し、人々と再び交流する

万人に向ける一言一言が重い


著者ニーチェは、最終章の出版時に発狂したため、妹が出版

人間の極限状態で描かれた、人間の生き方を問うストーリ

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2009年12月01日

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相変わらず難解な文章だったが、なんとか最後まで読破。第一章のリズムに慣れてきていたところなのに、第二章以降リズムを崩されて戸惑いがあった。
第一章までは超人に至る話であって、第二章からは永遠回帰がテーマとなっているそう。予備知識なく読んでしまったので、そんな事を知ったのは読み終わって後書きを読んだ時だった。円環的に繰り返される生の中で、未来に希望を持つのではなく今を楽しもうではないか。要するにそういうことなんだろうか。それはとてもいい考えだ。そうありたい。うん。

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2022年12月18日

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ニーチェ 「 ツァラトゥストラ はこう言った 」下巻

凄い本だと思う。

対立概念と思っていた 無神と宗教、厭世と生の充実を両立させている。

下巻テーマは永遠回帰。永遠回帰は 世界は同一の状態を永遠に反復し、世界は始まりも終わりもなく、目的も意味もない。ただ存在しているだけ という世界観。


著者が 目指した人間像は 永遠回帰により 人間を 現実から逃げられないものとさせた上で、永遠回帰を受け入れ、超人になること。

ただ 最後の四部が それまでと違い 詩的すぎて 話が通らなかった






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2019年07月27日

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謎めく筆致だ。読めば読むほどわからなくなる。キリスト教へのラディカルな批判は感じる。大きな楽観と世界への肯定を感じた。

・わたしは神を無みするツァラトゥストラだ。わたしはいっさいの偶然を、わたしの鍋で煮る。その偶然がよく煮えたとき、わたしの食べ物として、賞味する。
・わたしはいったい幸福を追い求めているのだろうか?わたしの求めているのは、わたしの仕事だ!よし!獅子は来た。わたしの子どもたちは近くにいる。ツァラトゥストラは熟れた。わたしの時は来た。

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2017年09月29日

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ネタバレ

ツァラトゥストラを主人公にした、当時のキリスト教社会を否定したニーチェの思想を盛り込んだ物語。

初めはなんやこれな感じだったが、聖書をパロッタものということがわかってからは、これがどうして中々面白く読めた。

本来の思想はもっと違うのかもしれないが、個人的な感想としてはより現代的であると思うし、結構自己中心的でもあってとても人間くさく感じる。

哲学書として非常に難しくはあるが、今風っぽく人間らしい主人公に共感しながら読み進められる分、入り口としてはうってつけなのではないかと思う。

またある程度時間が経ったら読み返してみようと思う。

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2015年11月11日

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永劫回帰。すべてのものが、宇宙までもが何回も全く同じように繰り返されるというこの考え方について、それでもなお立ち向かうことができる存在が「超人」だという。

とりあえず自分なら無理。ニーチェ自身は「超人」になれたのだろうか・・・?

自分はただの理系で、哲学を習ったことがないのですが、考え方としては面白かったです。

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2014年10月26日

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再読。ニーチェの思想は暗い様に見えて、実に明るい。永遠回帰とは「これが人生か。よし、ならばもう一度!」と死後の世界にも唯物論にも頼ることなく生を肯定する思想であり、何巡でも同じ人生を繰り返すのだという覚悟が求められる。そしてニーチェは己の意思を疾走させる。それは常識より速く、道徳より高く。そこに倫理は生まれ。しかし彼の言葉を真に受け、模倣している限り彼の忌み嫌う価値観の奴隷にしかなれないのだろう。そう、ニーチェの思想とは、彼以上に疾走する意思を求められる思想なのだ。誰よりも疾く在れ、高くあれ、もう一度!

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2014年06月28日

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倫理の教科書ではニーチェ思想は超人、永劫回帰という用語ばかりで語られるが、実際の本を読むと、そんなに単純にわかるものではない。詩的なニーチェの文章は含蓄はあるが非常に読みづらい。

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2013年01月30日

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哲学は意味がないことだと言う背景知識を知っていたのだが、
ツァラトゥストラはこう言った
に出てくる言葉は力強く、人を惹き付ける力があると思う。
哲学が人の力に助力することもあると感じた。

他のニーチェの本も、パラパラと書店で見たが、
ツァラトゥストラを主人公として、纏めらている形式は、
興味深いし、何より、面白い。

テーマ毎に、
ツァラトゥストラはこう言った。又は、ツァラトゥストラはこう歌った。で締められる形式も、個人的には好感触だった・

良書だと思います。

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2012年10月03日

Posted by ブクログ

「否、否、三たび否!」
「おお、嘔吐! 嘔吐! 嘔吐!」

「晩餐」の章からの畳みかけるような勢いがすごい。
ツァラトゥストラの元へ訪ねてきた「ましな人間」たち。しかしツァラトゥストラの求めた人物は彼らではなかった。彼が求めたのは、これから彼の園を尋ねるであろう彼の「子ども」たちである。彼のこれまでの説教はすべて、この「子ども」たちのためにある! 彼は説く。この「子ども」たちのために、「ましな人間」は踏み越えられるべき橋となるように。そのために富み貧しくなるように。

「永劫回帰」というのは、たぶん、こういうことだろうか。
ある一瞬。「この時が永遠に続いたらどんなに素晴らしいだろうか!」と思うようなある一瞬。
その瞬間は過去と未来に「糸で貫かれ、深く愛しあっている」。一つのよろこびに「然り」と言うことは、すなわち一つの嘆きにも「然り」ということだ。
「すべてのよろこびは、万物の永遠を願う」

悟りのようで、やはり実感としてはちとわからんが、ツァラトゥストラが言いたかったのは、すべての「よろこび」は「万物の永遠」を志向するべきである、ということなのだろう。きっと。

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2012年05月18日

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(下)は永遠回帰をより強調。

・世界は深い。・殻を持つこと(美しい外観・賢明さを身につける)も必要である。・世界には汚物があるが、世界が汚物だとは言えない(その汚物に知恵が潜んでいる)。・最上のものを学ぶべき。・不治の病人の前では無理に医者になるな。・おしゃべりのあるところは花園となる。・権力を持つということは汚れるということ。それをわかって権力を持つべき。・多くを中途半端に知ることはよくない。・他人の思い過ごしで賢者になるより、自分の責任でばか者であるほうがまし。偉大さを求めるのは偉大ではないから。・貧しい者が幸いだとは真理ではない。・どこへ行くかを知っている者だけが、どれが良い風向きか、自分にとって順風かを理解する。あなたが失敗してもあなた自身が失敗というわけではない。・恐怖感ではなく勇気を人間の原初とする。・喜びは永遠回帰を欲する。←円環の意志(生をもう1度願う)・動物は言葉を持たないが自然との関係が直接的で永遠回帰に近い。・昼の仕事が必要。→外に出ろ。

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2011年10月13日

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ニヒリストとは、純粋なる魂の持ち主が矛盾に溢れた世界と向かい合うべく、自らをスタイル化した結果なのだろう。
ナイフのように尖ってはいるが、とってもナイーブな人達が多い。そういうニーチェに共感するのは僕だけではないだろう。

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2009年10月04日

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下巻はまた面白い。ツァラトゥストラが悲鳴が聞こえたのでその原因を探りに行く途中に会う人々。

みんなツァラトゥストラの洞窟に集結するのだが、最後の方は盛大な演劇的雰囲気の中で「永遠回帰」が語られるのだ。うーん。むずい。これは自分にはむずかしい。というのも、多分自分がこの「永遠回帰」をそういう考えもあるだろうとは思いつつ、受け入れられないタイプだからだ。この辺りがショーペンハウアーは好きだというところと関係があるのかもしれない。

こちらも最後の訳者解説を読んでから本文にいくことをおすすめする。

ニーチェの『ツァラトゥストラはこう言った/かく語りき』はいろいろな訳があるようだが、そのあたり自分に合ったものを探すのも一つかもしれない。
今回わかったけど、自分はあまりニーチェさんとは合わない。

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2022年08月14日

Posted by ブクログ

結論から言うと、難しかった。
理解できるような(理解できないことが大半)
しかし、節々に心が燃えるような感覚を覚えた。
このツァラトゥストラの思想は、ナチス・ドイツによって政治利用された背景があると聞いたが、確かに精神論に近い感覚で語られているので大衆を扇動するには効果的にも思えた。

1周では味わえきれないので、また時間を置いて楽しみたいと思う。

「よし、もう一度!」と思えるような人生を送ろう!

追記: ウクライナでの戦争を想って。やはり同じ過ちを繰り返す人間は克服することが困難なこととなのだと、心を痛めます。

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2022年03月01日

Posted by ブクログ

イギリスに住んでいるときに日本語が恋しくなったら読もうと思って携行していた本。
どうにか読んだけど、真に理解したとは言えない。
あと3回くらい読まないとだめそう。

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2010年09月25日

Posted by ブクログ

下巻です。ニーチェ的な思想というのが、ぼくの頭の中を随分と支配していました。そこから抜け出すのには随分と期間と労力がかかった気がする。すごく毒の強い本です。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

下巻くらいになると「…もうわかったよ!」ってイライラしてくるのが玉に瑕ですね。読み終えた時の達成感はある。

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2009年10月04日

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