中野孝次のレビュー一覧
-
匿名
購入済みセネカを知る
著者の説明が明解でセネカを知らない読者にもその思想を知る非常によい足掛かりになります。
ストア派全体の見方を学び原書や翻訳を自分なりに
解釈したい人に有効かなと思います。 -
Posted by ブクログ
セネカが周囲の人に当てた書簡集(すべて創作という見解もある)。「自然に従え」というストア派の哲学をベースに、セネカが悩める人へ人生の対処法を説いている。大切な人・ものを失うことへの恐怖とか、自分を信じきれなくて心が乱れることとか、人の悩みは2000年前も変わらない。セネカは具体的事例を交えながら文章を書くので、2000年後に生きる私が読んでも、心に刺さる。一番感銘を受けたのは「自分の心のうちにあるもの以外は、すべて借り物。依存せずすべてすぐにでも返す心構えをもって生きる」ということ。失う怖さを感じていたが、借り物であり、今この一時でも手にできたことが幸せだと思えるようになった(少しだけ)。著者
-
Posted by ブクログ
つれづれなるままに…が有名ですが、この本の奥深さは読む前まで見誤っていた気がします。
兼好法師の人生観だけでなく、美学、ありがたい話、質素な生活のしかた、そして死生観まで、今をどう生きるかを短い言葉でひたすら語りかけるところが、とてもよい。
また、現代仮名遣いが原文の下にあることで、対訳を捉えやすく、
訳文だけ、解説だけでも楽しめる構成となっています。
この本の著者による解説も素晴らしく、徒然草の解説だけでなく、方丈記やセネカの思想など、それらを交えて解説するわかりやすさは見事。タイトル通り、すらすらと読めてしまいます。
次は『方丈記』を手に取ってみようかと思います。 -
Posted by ブクログ
-ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。
という無常をぴたりと言い表した文章で始まる。
.
-埋み火をかきおこして、老の寝覚めの友とす。
など、長明さんが独創性よりも知識や教養を共有することの奥深さを、中野さんの簡潔で熱い解説で肌に感じることが出来た。
.
-世にしたがえば、身、くるし。したがはねば、狂せるに似たり。
など、自分の心に素直であることなんて、普遍的で現代でも愛読者がいることが頷ける。
.
方丈記は愛読者にとってはどの訳でも面白いそうだが、自分は中野さんの原文の掲載・現代語訳・解説に先ず触れたのは良かったように思う。 -
Posted by ブクログ
昭和初期~平成の時代を生きた著者がギリシャストア派の哲学者セネカの言葉を現代社会に当てはめて紹介している。
基本的には引用が1/3、それに対する補足や著者の思いが2/3という感じで、セネカ愛が伝わってくる。
読んでいると、セネカの著作に当たってみたいと思うようになる。
内容は
「マルキアへの慰め」
「人生の短さについて」
「道徳についてのルキリウスへの手紙」
「ヘルヴィアへの慰め」
「幸福な人生について」
「心の落ち着きについて」
「閑暇について」
「神意について」
から引用されている。
以下、気になった言葉
・やがては持ち主に返さねばならぬ物によって、人生の舞台は飾られているので