あらすじ
総ルビつきの原文、中野孝次のわかりやすく、かつ洞察に満ちた現代語訳、そして共鳴する想いを込めた深く真摯な解説が、平家と源氏が争った時代を生きた鴨長明の肉声を今の時代に鮮やかに蘇らせる。大地震、大火、大飢饉、辻風、さらに遷都を体験し、ついには方丈の住居暮らしに本当の安心を得た生き方が心に沁みる。
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Posted by ブクログ
だいぶ前に読んだ本です。
本当に方丈記がすらすら読める本でした。
人生の達人である中野さんの解釈も素晴らしいです。
日本を代表する古典の一つでありながら、原稿用紙20枚程の長さの親しみやすさ抜群です。
Posted by ブクログ
YouTube大学がとても面白かったので。方丈記の初見は高校でだが、若者には響くはずもないなぁと…。歳を重ねた今だからこそ、読んで良かった。再読しよっと。
Posted by ブクログ
入院した母が、方丈記に共感しているようだったので本をプレゼントしようと購入。その前に自分でも読んでみた。
「ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず」という書き出しは暗記しているが(させられたが)、その後の内容まで知らなかった。
鴨長明は、波乱万丈。そしてそれに翻弄されることなく自分の生き方を貫いた結果の方丈記だったんだなと理解。
そしてその生き方は現代の人の指針にもなるなぁ。
出だしの文章も好きだけど、
「世にしたがえば、身、くるし。しがたはねば、狂せるに似たり。いづれの所を占めて、いかなる業をしてか、しばしもこの身を宿し、たまゆらも心を休むべき。(世のしきたりに随えばこの身が苦しい。随わなければ狂人と見られよう。どんな所に住み、どんなことをしていたら、この短い人生をしばらくも安らかに生き、少しのあいだでも心を休めることができようか」
時間がなくて、訳文だけ読んだが、本当にすらすら読め、方丈記が伝えたい内容になっていたと思う。
Posted by ブクログ
方丈記、と聞いて知っていることは鴨長明が作者であること、また冒頭の「行く河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず」ということだけだった。
この本を読み進めていく中で、鴨長明がどんな生涯を過ごして、何を見て経験して書き上げたのかとてもよく伝わってきた。
古典と聞くと読むことに高いハードルがあるが、本書は鴨長明という人物、時代背景、分かりやすい考察が交えられているので、方丈記がどんな本であるかということが理解しやすかった。
Posted by ブクログ
-ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。
という無常をぴたりと言い表した文章で始まる。
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-埋み火をかきおこして、老の寝覚めの友とす。
など、長明さんが独創性よりも知識や教養を共有することの奥深さを、中野さんの簡潔で熱い解説で肌に感じることが出来た。
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-世にしたがえば、身、くるし。したがはねば、狂せるに似たり。
など、自分の心に素直であることなんて、普遍的で現代でも愛読者がいることが頷ける。
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方丈記は愛読者にとってはどの訳でも面白いそうだが、自分は中野さんの原文の掲載・現代語訳・解説に先ず触れたのは良かったように思う。
Posted by ブクログ
【内容】
方丈記の訳と解説。
無常の考え→長明さんが経験した5災害→新しく考えた住居や生き方の説明…といった内容です。
【お勧めの方】
周りの目を気にして生きるのがしんどいなと思っている方、方丈記を改めて読んでみたい方などにおすすめです。
【感想】
YouTube大学で見て、興味が出て購入しました。
内容が分かると、鴨長明さんの考え方は凡人の私としては共感する部分が多かったです。
周りを気にせず自分の好きなように、肩の力を抜いて生きるのは私の目標とする生き方なので、読み物として読んでいて面白かったです。
Posted by ブクログ
方丈記、そして鴨長明が好きだ。
自分の心の赴くままに、好きなものを好きだと楽しむ。
人にどう見られたとしても、自分の心を大切にする生き方は、当時はもちろんだけど、今でも必要な考え方だ。
「こうするのが当たり前」
「みんなと同じようにしよう」
そう思って、自分の心に嘘をついて、無理をして生きる。
そんなことが当たり前にある現代で、鴨長明が方丈記で書いたことは、生き方を考えるきっかけになる。
何が豊かかを決めるのは、自分の心一つ。
Posted by ブクログ
方丈記、鴨長明、日本三代随筆(エッセイ)
平安〜鎌倉
★好きなことをして生きると楽しいよ
■大災害と挫折
・人と住居
・視点と美文
■出家と隠居
・ミニマリスト
・山奥ニート
■生まれ
・下鴨神社、公家、禰宜(神職)の子(18歳)
・父:長継の死→祐兼に禰宜の争い敗北(21)
■5大災害(平家、新仏教)
・安元の大火(23)
・治承の辻風(26)
・福原遷都(26)
・養和の大飢饉(27)
・元暦の大地震(31)
→絶望
・和歌所で後鳥羽上皇に歌の才認められる念願の禰宜かと思いきや祐兼に合理的に言いくるめられ跡取りは佑兼の息子へ(47)
→後鳥羽上皇はもう1つ偉いポストをつくり別の神社を格上げし、そこに長明を任命した
→しかし、長明はショック下鴨の糺の森がよかった
→長明、後鳥羽上皇の任命を断る→山へ出家
⇒糺の社事件(50)
■究極の住居=「方丈庵」
・簡易組立式
・法華経・阿弥陀像
・琴・琵琶
↓3m×3mの部屋
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仏教 l 生
---- l
芸術 l 活
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■出世でもない出家でもない
(この時代はこの2択のキャリア)
・念仏・読経休む
・楽器・歌・文章
・春夏秋冬(藤の花、ホトトギス、ヒグラシ、雪)
⇒⇒⇒「数奇の人」
:芸道や風流に心を寄せる人(今でいうオタク)
Posted by ブクログ
中学生のとき暗記させられた有名な冒頭文が、大人になってから気になっており、 全文読みたくなりました。
一貫して「人と住処(すみか)」の無常観が説かれています。 リズムがいいため、お風呂で教えていたら4歳の娘が意味も分からず覚えてしまいました!
これはわかりやすい
訳者のくだけた文章による解説がわかりやすく、入門者用にとてもおすすめです!訳者は方丈記作者である鴨長明のファンで方丈記の愛読者自らによる解説本って感じです。