菅野昭正のレビュー一覧

  • 不滅

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    小説の醍醐味を教えてくれる作品。クンデラは一貫して人間とは何かを問い続けています。彼は自らの知性によって、一人ですくっと立っている人なのでしょう。

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    2009年10月04日
  • 詩学創造

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    萩原朔太郎を中心にして、北原白秋、三好達治、伊東静雄、西脇順三郎といった近代日本の詩人たちにかんする論考を収録しています。

    白秋は、外界の対象を「見る」ことと、その奥にひそむ実相を「観る」ことを区別していました。著者は、ものの実相にせまることで内面の喜びも深められることを示した白秋の詩のゆたかさを認めつつも、ことばを乱用するきらいのある彼が、通りすぎていく情緒をただ受けとめるだけに終わり、朔太郎のようにそれを執拗に彫り込んでいくことはなかったと評しています。

    こうして著者は、本書の中核となる萩原朔太郎論に移り、「愛憐詩篇」「浄罪詩篇」『月に吠える』『青猫』『氷島』とつづく彼があゆんだ道を順

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    2025年02月19日
  • 不滅

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    キッチュKitsch のことを頭の片隅に置きながら読んだけど、やはりここにもそのテーマが存在してた。

    死後、私たちの人生は美的な嘘によって語られる
    有る事無い事言われても
    死んでるから自分にはもうどうしようもない
    本当の真実は永遠に語られない

    真実な生はその肉体の死と共に滅びるけど、死後美的に飾られた自らの人生は"不滅"。その事への恐怖。

    クンデラはどうしてこうも
    真実にこだわるのかなあ
    きっとあの時代に、たくさんの悲しい嘘、怒りたくなるような嘘、空虚な嘘を見てきたんだろうな

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    2019年04月24日
  • 不滅

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    20年以上前だったと思うが、池澤夏樹さんが書評で激賞していた記憶がある。いつか読んでみようと忘れずにいたんだから、我ながら呆れる。

    プールサイドで友人を待つうちに見かけた初老の女性の仕草。そこからアニュスと名付けた女性、そしてその夫、妹、娘たちの物語が始まる。つけられた名前は記号にしか過ぎず、神の目線を感じるばかりなのが、やがて血肉を伴ってくるような印象。著者や友人アヴェナリウスが邂逅する場面などドキリとする。
    小説の前半はゲーテと、彼に付き纏い死後の名声を望む女性ベッティーナとの話にかなりのページが割かれる。批評のようであり、ゴッシップのようであるのは著者らしいと云えるのか。
    後半に唐突な

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    2014年02月11日
  • 不滅

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    ネタバレ

    「存在の耐えられない軽さ」に感動したので読みました。
    不思議な世界観や独特な文体は十分楽しむことが出来たのですが、テーマや一人ひとりの人物の魅力という点では「存在の~」のほうが好きでした。

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    2014年02月06日
  • 九鬼周造随筆集

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    『いきの構造』で知られる九鬼周造さんの随筆集。わりと読みやすかったような記憶。調子に乗って『いきの構造』も買ってみたものの未読のまま…

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    2011年07月17日