菅野昭正のレビュー一覧
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まさに自由奔放
時間は真っ直ぐ進まなく、現実/虚構の区別も曖昧。
けれども、それぞれの「エピソード」が、複数の主題と結びついていき、壮大な人生の小説となる。
■「不滅」「顔」「イメージ」
2020年代現在、当時よりもより一層、(一般市民の)私たちにとって身近に潜むテーマなのではないか。
私たちは片手一つに収まる電脳世界の中で、ほぼ四六時中イメージの生成に勤しんでいるし、さらにそれを不滅の世界にいとも簡単に残せてしまう。
そして、あまりにも多い顔たち……。
■アニュスが意図もせず、死によって他者の中にあるイメージを強く刺戟したことを考えると、
きっと私たちは不滅にならざるを得ないのだと思う。 -
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まったく違うと思っていた話がここで繋がっていたのかとなる感覚がとてもおもしろい
本当に音楽のような小説
どなたかが感想で村上春樹好きな人は好きだと思うって書いてたけどほんとその通り
最後の7部の会話な感じとか村上春樹みたいだった
6部を読む前に登場人物紹介を見て、ベルナールってだれ?と思っていたらまさかの私が言っていた通り、ひょっと出てきてひょっと去っていく人物だったとは
ベルナールが新妻の名前と間違えて違う人の名前を読んでしまうシーンの「大失敗!」がお気に入り笑
ベッティーナのあの感じ怖いなあ、、ゲーテが好きなのではなくて著名な作家ゲーテという記号が好きで自分を残すためになんとか彼と -
Posted by ブクログ
ネタバレ最初のうちは面白く読んでいて、付箋なんかもつけたりしたのだけれど、半分も読み進まないうちに何を読まされているのかわからなくなる。
今は誰の話を、なんの話を、いつの話を読んでいるのか?
物語の大半は理解できないうちに零れ落ちてしまったけれど、なんとか少しでも掬い取れたらいいのだが。
ふと見かけた見知らぬ女性の、軽やかにひるがえる手の動きを見て心を惹かれた私は、その女性にアニェスと名付けて、彼女の家族とその関係性について思いを馳せる(妄想する)。
アニェスの母は、家族や友人たちに囲まれて生きることに喜びを感じる人だったが、アニェスの父や彼女は、人と離れて生きることに安心を覚えるタイプだった。
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ネタバレ作中で、作者はエピソード(エピゾード)のとるにたらなさを語っている。だけれど、本作で伝えられているのはそのエピソードの威力にほかならない。私たちの存在を支え、他者に印象を与え、思い出させるのはエピソードであって、私たち個人そのものではない。
キャラクターの魅力でいうと、ファザコン極めたアニェスの高潔さが好きだし、ヒステリックで自己愛が過ぎる(でも、自分に自信がない)ローラの身勝手さには苛々する。ポールの空しい若さ崇拝や半分意識的な無神経さにも。
でも、最後にアニェスの仕草でポールをつなぎ止めるローラや、その仕草を嬉しがるポールには、スカッとするような可哀相になるような、不思議な気持ちがした -
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読む上で他の同様のものと比較しながら選んだのだけど、面白かった。
石原千秋氏。
作家を論の枠組みから敢えて外す「テクスト論」からの読み。
セックスと「僕って何」と「正しさ」の繋がりについて論じている。男性主導、家主導ではなくなった恋愛において、お互いが受け容れ合う行為にスポットが当てられてきた。
受容がやがて、自分自身の存在意義にも繋がり、それが倫理観と対応して「正しいセックス」「正しくないセックス」に至るところが面白い。
亀山郁夫氏。ロシア文学者。
村上春樹の提示するモチーフから、読者の持つ記憶に入り込んでいく(井戸、イド)手法について言及している。
三浦雅士氏。文芸評論家。
『風の歌