和辻哲郎のレビュー一覧

  • 古寺巡礼

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    40年前に買った、茶色に変色したボロボロの文庫本がまだ本棚にあります。
    この本をもって奈良の古寺を巡ったことが、なつかしく思い出されます。
    山辺の道、当尾の里の浄瑠璃寺、談山神社、橘寺、箸墓、聖林寺、葛城の高天原伝説、當麻寺、法隆寺、薬師寺の聖観音はいいですよね、仏像は博物館館で鑑賞するものではなく寺に詣って祈るものだということをこの本から学びました。
    関東には、日本文化の起源を探れるような場所が少ないので、奈良という土地の古代の空気感がとてもすきです。

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    2025年07月25日
  • 古寺巡礼

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    これは本当に美しい。日本語として。文章として。
    感想は正直、他の方が書かれているのが参考になります。
    感想を書かれる方も、美しい文章だなぁと感嘆致しました。
    大正期の、いわゆる有名所の古寺巡礼ではあるけれども、
    この本を持って、今はどうなってるのか、答え合わせをしに奈良に赴きたくなりました。

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    2025年03月13日
  • 古寺巡礼

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    古都・奈良の古寺とそこにある仏像についての紀行文と言うべきものだろうか。
    この本の特徴は日本語の使い方がとても上手かつ綺麗で、頭の中にスッと感覚として入ってくる点だと思う。自分の読書遍歴が浅いからかもしれないが、ここまで綺麗な日本語の文を書く人は初めてかもしれない。寺の名前はともかくとして、仏像の知識は殆どないのだが、仏像の素晴らしさや臨場感をひしひしと感じることができる。
    100年以上残っているのは伊達ではないと言うことだろうか。

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    2025年01月22日
  • 風土-人間学的考察

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    大昔教科書で少し読んだ記憶があるが初めて通読。今更ながら哲学者和辻の観察、考察、審美眼がものすごい。インド人アラビア人エジプト人はもとよりギリシャ人ローマ人中国人そして日本人の考察には舌を巻く。
    沙漠(砂漠ではない)的人間は他の多くの人間を教育した...その特性ゆえに他の人間よりも深く人間を自覚したからである。南欧の明朗と西欧の陰欝を含む楽土的な牧場的風土により西洋人にとって自然は単調で征服する対象であり、合理性、理性の精神を育んだ。風土による中国人の無感動性、無政府的な性格は中国民衆を最大の不幸にまで追い込んでいった。中国の文化復興は世界の新しい進展にとって絶対必要であると和辻は言う。
    台風

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    2024年02月28日
  • 古寺巡礼

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    古寺巡礼
    著:和辻 哲郎
    紙版
    岩波文庫 青144-1

    大正7年著者が、友人と奈良付近の寺々をめぐった印象記とある

    ギリシャ⇒インド⇒西域⇒中国⇒日本 を貫く、美術、技法の伝達
    仏像をみてなまめかしい感触をもつなど、結構官能的、学術的にはちょっとはずしているのでは

    天武帝や光明皇后などの逸話、万葉集と恋歌、そして、仏像とその作者への思い、など、和辻が案内する奈良の原風景は、時代を超えて日本という国が明確に成立した時代、白鳳時代へといざなってくれる

    仏像、菩薩、まさに日本の至宝

    東大寺三月堂本尊不空羂索観音
    聖林寺十一面観音
    法隆寺百済観音
    法華寺十一面観音
    薬師寺金堂本尊薬師如来

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    2023年11月30日
  • 古寺巡礼

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    本当に美しい日本語だと思う。
    和辻哲郎の感動のポイントを読んでいると、すぐに奈良に行きたくなる。
    うちからだと日帰りで十分いけるけれど、奈良ホテルに10日ほど泊まって奈良巡礼をしたくなってきた。

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    2020年11月14日
  • 風土-人間学的考察

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    風土と人間的素性の関係がよくわかる。風土が違うのだから違って当然でそこに優劣がないという西洋中心主義に対する批判が見える。旅行でその土地の風土と人の関係性を感じたいと思った。

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    2019年10月27日
  • 風土-人間学的考察

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    ネタバレ

    著名な哲学者、和辻哲郎さんの著作『風土』。 元々地理に興味のある私からすると、かなり難解ではあるものの、地理、世界史の広い分野における、知識と観点、様々な示唆と課題を与えて頂くことができた、今回の読書であったと思います。

    私の主観ですが、1900年代前半に世に現れた本書は、日本語としては、現代のそれと
    甚だかけ離れてはおらず、その点に関しては読みやすかったです。しかし、和辻さんの天才的、詩人的感性から生まれ来る洗練された言葉の一つ一つは、長く連なることで、非常に難解な壁となって眼前に迫ってくるように感じました。

    しかしながら、その点を踏まえても、この本が、長い年月を経ても尚、岩波文庫の書物

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    2019年04月18日
  • 風土-人間学的考察

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    [ところの視点]人間は特殊な「風土的過去」を背負っていると主張し、モンスーン地帯、砂漠、牧場の三形態を基に、その影響を考察した一冊。優れた直感に基づいた諸文化との比較から、今日においても読み継がれる日本文化論の代表的作品です(初版の刊行は1931年)。著者は、『古寺巡礼』でも知られる和辻哲郎。


    解説で述べられているとおり、数々の観点からの批判が可能な作品ではあるのですが、その着眼点の新鮮さ、そしてすっと胸に落ちてくる説得力は今日的魅力を多分に有しているかと。抽象的故に理解が難しい箇所が散見されたのですが、上記の風土の三形態をシンプルに読み比べるだけでも、本書の主要なエッセンスは十分に吸収で

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    2016年01月20日
  • 風土-人間学的考察

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    社会や文化を学ぶなら一度は通る本!
    モンスーンがある、雨が多いなど風土の特色が社会文化の基本になっているという論について書かれています。
    全てが正しい論理ではないと言われていますが、それでも考え方としては面白いですし、全く見当違いではないはずです。

    うさぎや自治医大店 田崎

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    2015年04月09日
  • 古寺巡礼

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    小生の手元にあるのは、なんと!61刷!大正時代に著者が訪れた奈良付近の寺院巡礼記。筆致は今もなおみずみずしく読者に迫る。奈良に行きたくなる本。

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    2014年08月03日
  • 風土-人間学的考察

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    情報を読む力 学問する心などリファレンス多数。「寒さ」「冷たさ」などの言葉に人が反応する感覚は、単に気温が低いというのもあれば、風が強い、乾燥している、雪が冷たいなどそれぞれが在り得るわけで。

    その他にも「神」や「芸術」など、こうした言葉と感覚のもつギャップを、主にシルクロードを遡る形で拾い集めていく本書を通じて著者が浮き彫りにしたかったのは、日本の四季が、我々にもたらすものが如何に多様かという点ではないだろうか。

    発刊と同時に批判があったという点も、一般化という観点から言えば頷ける部分も多いにあるが、それは本書を単なるフィールドワークと履き違えているが故であろう。

    本書が指すのは、文化

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    2014年01月27日
  • 風土-人間学的考察

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    ネタバレ

    地誌学の目指すべき姿。既存タグに民俗学とあるが、せめて民族学なら理解できる。個人的には、四章が興味深い。庭園芸術の比較、日本庭園における釣り合いの連関および組織的統合と、五章で比喩された個々の文字と単語の関係、つまり意味を持つのは文字ではなく単語であるという表現は示唆的だ。外に現れた姿で内なるものを示す、文字の連結から意味を理解する方法が、本書の立場と言えば分かりやすいかもしれない。表音文字ではない表意文字である漢字を組合せている我々の仕方は、日本庭園の釣り合いの構造と連関すると言えるだろう。

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    2013年06月15日
  • 古寺巡礼

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    まあ日本人なら一般知識として読んでおかないとイケナイ本。でないと梅原猛センセの隠された十字架が解からないと思います。

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    2013年02月21日
  • 風土-人間学的考察

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    読解するのに、結構時間がかかった。
    しかし、いろいろ疑問に思っていることがある程度氷解した。
    また、もう少し時間を空けてから再読したい書籍。

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    2012年12月08日
  • 古寺巡礼

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    和辻哲郎が若い頃に奈良の寺院を訪れた際の印象記。記載内容が現在の研究にそぐわない箇所もあるが、それを補ってあまりあるものになっている。同様の本に亀井勝一郎の大和古寺風物誌があるが、亀井は、仏像を仏として見ているが、和辻は美術品として見ている。同じ仏像を見ているはずなのだが、二人の興味はまるで違う。この2人の印象を頭に入れつつ、実際に自身の目で仏像と向き合った時、どう感じるのか…。

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    2012年12月03日
  • 古寺巡礼

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    言葉ですむなら言葉でいい。

    言葉であらわせない美を
    言葉で伝えようとすること、
    そして、
    その若い情熱が読み手にもたらすものについて。

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    2009年10月04日
  • 古寺巡礼

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     時を超えた古寺と仏像の美に迫る名著だと思う。この本を手に巡礼の旅をした人は少なくないだろう。
     彼の筆致は仏像そのものの静けさと深遠さを言葉に映し出し、読む者を詩的な陶酔へと誘う。だが彼が目指したのは単なる美の賛美ではない。歴史や文化を紡ぎ出し仏像が生まれた背景にまで思いを馳せた。
     彼の文章は仏像の「表情」だけでなく「内面」も描き出す。
    私たちもまたこの本を携えて旅をすれば仏像とともに自己を見つめ直す巡礼となるだろう。

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    2025年01月23日
  • 古寺巡礼

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    大正時代からのロングセラー!

    日本人として数十年生きてきて
    観光や日本史の授業で見てたり
    ちらっとテレビ等で観てたりする
    お寺さん 仏像 歴史の知識 など
    無意識に刷り込まれてるものを
    掘り起こして読んでる感じだった

    奈良に行きたくなった!
    じっくり1-2週間滞在して
    また読み返したい

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    2024年08月29日
  • 道元

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    深すぎて理解できないところも多くあるが、道元が真理を求めることで。人には真実の価値の階段を与え、それを登るために「精進」をすることを生活の最大の意義とさせたことはわかった。これらは私たちの今の生き方にも通じるものがある。
    いつか自分が成長したときに読み返したらもっとわかるようになっていることを期待する。

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    2022年05月01日