和辻哲郎のレビュー一覧

  • 道元
    「仏教論争」「古寺巡礼」と続けざまにふれてきた和辻哲郎による未完の道元禅師論。深遠なる道元思想を、さらに難解にしたような分析ですが、これを理解するには何としても正法眼蔵にあたる他ないと思います。
  • 風土-人間学的考察
    和辻哲郎 「 風土 」風土(気候)が 人間の気質に影響し 文化を形成するとした本。日本人論としても読める。特に面白いのは 「日本人の家(ウチと外の関係)」「気合いの日本芸術」「日本人のモンスーン的な受容性と忍従性」

    日本人の家について
    *個人と社会の間に家がある
    *家(うち)は 外に対して区別→家...続きを読む
  • 風土-人間学的考察
    非常に面白かったです。
    風や雨がもたらす恵みや災い、その土地の環境そのものが人類に多様な影響を与えてきた。
    砂漠やジャングルや温暖な地域、寒冷地など環境に応じて生活様式や思考方法が培われ、更に発展して宗教や芸術を生み出していく。
    ローマの繁栄やギリシャの芸術性、アラブなど砂漠地帯の思考方法などを紹介...続きを読む
  • 風土-人間学的考察
    弟くんのオススメ本。
    「日本人の特性がどこからどうやって形成されたのか、知りたい~!」と騒いでいたら、勧められたのがこの本。

    気候を3つの類型に分け、そこからそこに住む人の特性を導き出そうという試み。
    外的環境が人の特性に影響を与えるというのは、感覚的に納得できる。
    特に日本と中国の考察については...続きを読む
  • 風土-人間学的考察
    人間の性質は風土で決まるかどうか?を、「砂漠」「湿潤」「熱帯」の3種類の風土に分けて比較検討した本。ちょうどモロッコから帰国したてで読み、「砂漠」風土から生まれる人間の性質が、私が見て来たモロッコ人と多くの点で似ていたので、とても興味深く読めた。ちなみに日本人は、この本で言う「湿潤」に属するそう。独...続きを読む
  • 道元
    「そうだったのか道元」と名付けたくなる程、分かりやすい道元入門。「仏道」は「善意志」、「仏性」は「普遍的法則」と解釈すれば確かに道元は、カントがキリスト教の影響の上で打ち立てたヨーロッパ的な倫理学の高みに、仏教の上に立って600年も前に到達している。和辻哲郎がこれを著した大正年間に、日本の思想がヨー...続きを読む
  • 風土-人間学的考察
    和辻哲郎が風土によって国民性が変わると説く本。

    まず、世界を3つの気候区分に分ける。

    ヨーロッパ型の牧場。
    オリエントや中東を含む、砂漠。
    アジアを含む、モンスーン。

    ヨーロッパ型の牧場は、気候が穏やかで自然は統治しやすいため、技術で自然を押さえつけられるため、合理的な考え方に。

    砂漠は、そ...続きを読む
  • 風土-人間学的考察
    気候区分で世界を分け、実在論的視点で
    その風土がそれぞれの文化、思想構造にかかわりを
    及ぼしているかを論じた。
    西田幾多郎の禅的な実在論とならべ
    近代日本の哲学的支柱となっていると思う。
    気候区分などで、批判はあるが、
    1990年以降の里山の自然環境など
    モンスーン気候の東端にある日本の文化的価値を...続きを読む
  • 風土-人間学的考察
    実は読んでなかったが、内容を何となく知っているために読んだつもりになっていた本。
    巻頭、フッサールやハイデガーを踏まえた現象学的な記述で始まり、意外と哲学的な本だったか、と思ったものの、そのあとは文化論。
    後半のほうに出てくる「うち」「そと」の区分と、「家」を中心とした日本文化の特色を論じた部分が面...続きを読む
  • 古寺巡礼
    若き日の和辻哲郎が、奈良の古寺をめぐった際の印象を書き留めたエッセイ。宗教的関心ではなく、美的関心に基づく感想がつづられている。

    本書の出版から28年後に書かれた「改版序」で、和辻は本書に認められる若々しい情熱を「はずかしく感ずる気持ちの昂じてくるのを経験した」と述べている。彼はまた、若き日の「美...続きを読む
  • 風土-人間学的考察
    高校の授業以来。風土が文化や国民性の形成を左右するというのは受け入れやすい理論だし異存はないが、具体的な内容は少々論理の飛躍が多いような気がした。特に文化は他地域からの承継・学習あってのものなのにいささか一面的すぎるような。だが全体的に興味深く読めた。
  • 風土-人間学的考察
    高校生時代の「倫理社会」の先生が、”和辻哲郎の「風土」を読む”という課題を我々に与えたことを思い出した。先生の意図は全く覚えていないが、難しくて途中で投げ出したのは事実。それで今回リベンジのつもりで読みだしたものの、やはり今回も第三章まででリタイヤした。

    章立ては次の通り。
    序  言
    第一章 風土...続きを読む
  • 風土-人間学的考察
    ◾️概要
    風土とは自然環境ではない、の真意を知るため読みました。最も印象的だったのは「文化は文明とは違って、その民族に固有な、したがって原生的なものに根ざしている。その民族が悠久の昔から営んできている一定の生活の仕方、観念の形態で、歴史の展開・生活の変化にも関わらずなお残っているようなもの。」です。...続きを読む
  • 風土-人間学的考察
    日本人がせこせこしているのに対してシナ人はゆったりしている。しかしそれは感情の細かなあるいは過敏な動きを超克して到達した境地、すなわち物事に動じなくなった腹の据わりなのではない。もともと彼らは動じないのである。
  • 風土-人間学的考察
    題名からは想像できない(小タイトルにはなっているが)、深い文化人類学的な哲学書。昔の日本人の知識と文章力には脱帽させられる。ただ、内容については諸説あるようだ。特にまだ世界と交わりが少ない時代に書かれたものなので、各人種の類型化が現代の目で見るとかなり偏狭。ただ、日本人の考察については戦前に書かれた...続きを読む
  • 風土-人間学的考察
    「…さらにまたこの種の政治家によって統制される社会が、その経済的の病弊のために刻々として危機に近づいていくのを見ても、それは「家の外」のことであり、また何人かがおそらく責めを負うであろうこととして、それに対する明白な態度決定をさえも示さぬ。すなわち社会のことは自分のことではないのである」
    第1章から...続きを読む
  • 風土-人間学的考察
    文化や国民性を「風土」という視点から掘り下げたもの。モンスーン的風土の特殊形態だけを読んでも参考になる。日本人が公共性を持ち得ない理由を、「家」の概念から考察する。
  • 風土-人間学的考察
    自然環境と人間活動の共通点や対立点が詳しく書かれている本です。人間はどうして自然と戦って、自然に服従しているのかを哲学的に分析しています。特に、日本について書かれている項がお薦めです!!
  • 風土-人間学的考察
    「芸術の風土的性格」の章が印象深かったのでまとめる。

    日本人≒ギリシャ人⇔ローマ人 という構造

    ギリシャ人→舞台背景に自然の景色を使う。自然や風景への愛。これは自然のまま放っておいても美しい。
    ローマ人→風景の美を顧みず、人工的なもののうちに享楽する。人工によって自然を支配する。
    日本人→人口は...続きを読む
  • 風土-人間学的考察
    大学時代に読まされた本。
    確かユニバーサルデザイン論の先生に勧められて皆買わされたんだったww
    これは知っておくべきと言う本らしい。私、一度無くしてまた買って、出て来て二冊ありますww