神西清のレビュー一覧

  • はつ恋

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    青年が年上女性に恋する話。ツンデレな女王様って感じだった。多くの男子を侍らせてたけど、恋した相手は既婚者っていう思ったより泥沼な話だった。でも文章が綺麗なおかげですらすら読めた。
    父親が鞭でその子を打って、主人公の元に鞭を無くして帰ってきた時に、鞭を「捨てた」っていうのは、なんか、深い…!!と思った。

    ー良いと思った部分ー
    いったい何をあてにしていたのだろう?みすみす自分の前途を台なしにするのが、どうして怖ろしくなかったのだろう?そうだ、とわたしは思った、ーこれが恋なのだ、これが情熱というものなのだ、これが身も心も捧げ尽すということなのだ。.....そこでふと思い出されたのは、いつかルーシン

    0
    2025年05月07日
  • はつ恋

    Posted by ブクログ

    この小説はツルゲーネフの実際の体験をもとにして書かれています。自分が恋した女性が実は父の愛人だったという、もし実際にそういう場面に直面したらかなりショックを受けそうな内容です。 物語としても非常に面白い『初恋』ですが、ツルゲーネフの恋愛観を知る上でも非常に興味深い作品となっています。 分量も文庫で100ページ少々と気軽に読めるものとなっています。 ツルゲーネフの代表作『初恋』、とてもおすすめな作品です。

    0
    2024年08月15日
  • はつ恋

    Posted by ブクログ

    歳上の女性に恋をして翻弄される男の子〜ロシアバージョン

    自分の恋心、嫉妬心に振り回されているあたりは単純だったけれど、彼女の恋心に気づき、その変化に気づき、ライバルたちの立場が微妙に変わってきて、とうとうその相手を知り、そして、それ以降がとても魅力的で、名作として読み継がれる意味を知る。

    もっと若い時に読んでいたらきっと違う部分に惹かれていたかもしれないけれど、今だからこそ、この最終二章に釘付けになる。

    0
    2024年02月12日
  • はつ恋

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    終始不穏な雰囲気でそれがすごく刺激的で読む手が止まらなかったです。
    読んでいる最中に、主人公の父親に対する宗教的な尊敬が、主人公の純粋さを表していると思いました。また、若さゆえの身内を疑わない姿勢もよかったです。
    ジナイーダは、周りから好意を寄せられているにも関わらず、既婚者である主人公の父親と関係を持ち続けているのも、若さゆえの自己犠牲の表れ、それすらも楽しんでいると感じました。
    ジナイーダと関係を持つ男性が存在している手がかりが色んなところに散りばめられており、先の展開を想像しながら読むのが楽しかったです。中盤、父親の死んだ年齢だったり、愛する人にすでに恋人がいた時は相手を殺す、みたいな会

    0
    2023年11月25日
  • はつ恋

    Posted by ブクログ

    だが、情熱はある
    茜色に焼かれる
    最近見た二つの作品に出てたので気になって読んだ

    なんでもできる
    そう思わせる力が青春にはある
    逆にそう思えるうちは青春なのかもしれない

    また読みます
    ロシア文学は、というか海外文学は比喩か多い上に難しい言葉が多くてちょっと苦手です
    精進します

    0
    2023年06月13日
  • はつ恋

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    思ってたより読みやすかった。
    当時のロシアの歴史的背景は分からなかったけれど興味深く読めた。

    魔性の女ジナイーダ、いくら叡智で美人でもこんなモテるのはむしろ恐ろしい、
    ウラジミールと今同い年だけど、彼の序盤のジナイーダへの想いは未熟で幼いものに感じられた。
    彼にとってはジナイーダが恋した相手が実の父だということより、自分が崇拝してやまず、絶対に敵わない、神聖視していたジナイーダも恋をすると弱くて脆いただの女になってしまうことの方がショックが大きかったのではないかと思う。
    終盤は死について多く触れているように、ジナイーダがウラジミールの父に恋をした時に見せた弱さの延長線上に死があったからかなと

    0
    2023年05月17日
  • はつ恋

    Posted by ブクログ

    「わたしはまだほんの赤ん坊だった…」

    観念する16歳の初恋に閉塞な社会が背景にあるのではないか。生涯独身を貫いた作者の姿が垣間見れる。

    不安定な心情に粗暴な自然描写が
    抒情豊かな物語に昇華させた。

    初恋の余韻が人生の道程を
    予感させるようだ。

    0
    2022年06月08日
  • はつ恋

    Posted by ブクログ

    すっっっっっごく良かった。
    アンナカレーニナは楽しめなかったのにこれはめちゃくちゃ面白かった。
    ロシア貴族のフランスかぶれなかんじとか久しぶりに思い出したわ。
    読み終えてやっぱりロシア文学すごいな、いいな、偉大だなって思った翌日(今日)にロシアがウクライナ侵攻して憂鬱。ロシア頭おかしい。

    0
    2022年02月24日
  • はつ恋

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    こてこての海外古典を時々読みたくなる。ガーディアン1000作品である「初恋」を堪能。ツルゲーネフの自叙伝らしい。ウラジーミル(16歳)は隣に越してきた年上の公爵令嬢ジナイーダ(超美人の21歳)に恋をする。彼女は公爵家ではあるが貧しい。ウラジーミルは母の莫大な財産で裕福な家庭で育つ。ジナイーダはプライドが高く、ツンケンしてウラジーミルを手玉にとる。時々キスされたりして舞い上がる。彼の最大の恋敵は父親であることを知る。金・権力で女性を折檻する父親への尊敬、憤怒。さらにジナイーダの父への恋心、何とも切ない。⑤

    絶対にジナイーダは私には恋をしないだろうなぁ。強引で豪傑なこの父親のようにはなれないなぁ

    0
    2022年01月30日
  • キリストのヨルカに召された少年

    購入済み

    泣けます

    けっこう何回も読んでいるのですが、毎回泣いてしまいます。
    ドストエフスキーは「カラマーゾフの兄弟」がすごいけれど、短編もすごかった。
    こんなすごい文章が書けるって、ほんとすばらしいと思います。

    0
    2015年01月10日
  • はつ恋

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    初恋の時に味わったような感覚が美しく文章化されている。しかしヒロインはとんでもない曲者…。そんなヒロインでさえ恋に落ちると、あんなふうになるのも面白かった。何というか行間に色々なものが詰まっている本だったように思う。

    鞭で打たれるところはもはや恋ではなく、愛とも言えるのではなかろうか…。

    0
    2025年05月08日
  • はつ恋

    Posted by ブクログ

    登場人物の思惑とか、思考そのものがとてつもなく気持ち悪く感じますが、常人でも理解できるような描写も多々あり、作品に入り込みやすかったです。魔性の女、どの時代にも、どの土地にもいるものですね。

    0
    2025年01月24日
  • はつ恋

    Posted by ブクログ

    写実的、あるいは自然主義的文体による主人公の少年の初恋を扱った小説。著者固有のヴィジョンが色濃く反映されているように思う。恋とは何か、青春とは何かを考えさせてくれる一冊。

    0
    2024年08月09日
  • はつ恋

    Posted by ブクログ

    原題 Первая Любовь

    Все было кончено.
    終わるのは決められてたんじゃないか、
    それならほんのちょっとだけ救われる。

    Все цветы мои были вырваны разом и лежали вокруг меня, разбросанные и истоптанные.
    これって散った恋を完璧に表しますね。
    綺麗だけど、喪失だけの、心象の風景。

    少しでも、関心をひこうと無理をして、
    好きすぎて、怖くて、何もできなくて。

    ずいぶん子供だったと今ならわかる笑
    でもいつか、それを伝えられるときが、
    くるといいかな。いや、やっぱいいや。

    0
    2023年07月24日
  • はつ恋

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    19世紀ロシア文学。青春小説に分類されそう。
    爽やかな青春ものかと思っていたら、途中から雲行きが怪しくなり、最後は苦い思い出として描かれていた。
    ハッピーエンドにしない、男女のドロドロした描写は、ロシア文学や北欧系の作品に共通しているのだろうか。

    父親の最期やジナイーダのその後は明らかにはされていない。しかし、おそらくはジナイーダが父親との子を身籠り父親を強請る。父親が動揺したまま病死もしくは自殺したのだろう。

    読み終えてから知ったが、主人公の家庭環境は作者の幼少期をモデルにしている。なかなかに救いのない家庭だなと思える。

    0
    2023年06月26日
  • はつ恋

    Posted by ブクログ

     自分を自分自らのものにすること。
     恋心というモノは限りない自己救心であるのではないか。他者への好感の際限を突破し、何者にも代え難いモノであると思いなし、全てを犠牲にする。
     惚れた弱みとはよく言ったものだ。いつだって男性は女性に敗北を喫するものである。

    0
    2023年03月23日
  • 犬を連れた奥さん

    ネタバレ 購入済み

    犬の話かと思って読み始めたものの、人目を忍んだ恋の話だった。
    その情熱はいつまで、どこまで続くのだろう。

    #ドロドロ

    0
    2023年02月01日
  • はつ恋

    Posted by ブクログ

    他にも言っている方がいたけど、痴人の愛っぽいな〜と思ったりしながら読んでた

    恋情って本当にどうしようもないけど、だからこそ甘美なのよなあ、綺麗事だけじゃつまんない。この物語を読みながら重ねられる記憶があることはとても幸福だと思った

    誰が相手であっても恋はされるよりする方が幸福だなあと思った(その渦中はね)、それに陰鬱な雰囲気が掛け合わされているのも好みだった

    0
    2022年12月14日
  • はつ恋

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    読書会の題材として選定された一冊。
    語りの主体であるウラジーミルと同様、彼の父親も初恋だったのではないか、という意見が出たことが面白かった。たしかにまだ若いウラジーミルはともかく、子を持つ親としてあまりに年端も行かぬ少女に入れ込みすぎているという感覚は否めないため、なかなか説得力のある説ではなかろうか。
    個人的には医者で皮肉屋のルーシンのキャラクターが好きだ。世の中を冷めた目で見、ウラジーミルにもキツい言葉を投げかけるが、彼もほかの男同様にジナイーダにお熱であることを考えるとその矛盾と人間らしさが愛らしくさえ感じられる。
    ジナイーダの奔放さ、それに振り回されるウラジーミルたちの振る舞いはフィク

    0
    2022年10月02日
  • はつ恋

    Posted by ブクログ

    はつ恋ってこんな重い内容だとはつゆしらず、、、
    清々しい気持ちにはなれませんでしたが、はつ恋の痛みが後からひしひしと伝わる内容でした。
    意外な恋敵っ

    0
    2022年08月29日