石垣りんのレビュー一覧

  • 永遠の詩02 茨木のり子
    もっと早く 茨木のり子 を知るべきでした。何歳でこれを読むべき、と押し付けがましいのは論外だけど、10代で読んでいれば、今読んだ時に自分を必要以上に責めずに済んだはず。若い時に茨木のり子をスルーした人は、若松英輔 さんの特別授業と共に読むことをおすすめします。
  • 朝のあかり 石垣りんエッセイ集
    昔も今も働く女性は変わらないと思っていたけれど、このところ急に世の中のシステムが変わった。しかし、心は変わらない。
  • 永遠の詩08 八木重吉
    フォロワーさんのレビューで知った詩集。

    うつくしいことばと、純粋さに、わたしの忘れかけていた何かが共鳴した、ような気がした。
    重吉の詩のことばを借りれば、「ほそいがらすがびいん」と鳴って、壊れるように。
    壊れた「がらす」は粉々になって、光にきらきらと反射してプリズムとなる。

    重吉の詩を読んで「び...続きを読む
  • 朝のあかり 石垣りんエッセイ集
    この時代の人はほとんど全員生き残りなんだった。健常でない人がたくさんいた。今よりずっと。そういうことも思い出した。
  • 永遠の詩02 茨木のり子
    人生で最初に好きだと思って、今も一番好きな詩人はこの人。本当にありがたい。2006年に急逝されたとのことで、同じときに生きていたことに驚きと感謝。

    これからも読み続けたい。読み続けなければならない気がする。

    自分の感受性くらい
    はもちろん、今回響いたものはこちら。

    「ギラリと光るダイヤのような...続きを読む
  • 永遠の詩05 石垣りん
    石垣りんさんの詩集ですね。
    永遠の詩シリーズ 05 の作品です。
    このシリーズの魅力は、時代に関わらず読み次がれていける作家と作品を見事に紹介されていることですね。
    石垣りんさんの詩集も、ものすごく受け入れやすく、働く私たち職場の隣に席する仲間だという事だと思います。また、『職場の詩人』であり...続きを読む
  • 永遠の詩01 金子みすゞ
    金子みすゞさんの詩集ですね。
    みすゞさんの詩はおりにふれて目にする事はありましたが、短いなかにも心惹かれるものの多いのに感心していました。
    今、こうして詩集として声に出して読んでみると、みすゞさんの宇宙が私の命のなかにも響きます。
    50篇の作品が紹介されています。

    蜂と神さま

    蜂はお花のなかに、...続きを読む
  • 永遠の詩08 八木重吉
    書店で表題作に胸を突かれて購入した詩集。
    なんて美しくて悲しい詩なんだろう。
    それでも、日差しを受けてキラキラ光る雨粒や、降り注ぐ光、雲間からの青空が浮かび、光に満ちて神々しい。

    29歳でこの世を去った八木重吉。
    名前は重々しい響きだけれど、彼の紡ぎ出す言葉達は、コロコロと楽しげで、軽やかで、美し...続きを読む
  • 永遠の詩05 石垣りん
    ひとりの詩人の生きた証が、ぎゅっと詰まった一冊。家族を支える肩の重み、紙幣がさらさら消えていく給料袋のあつみ、そして労働とは何か。台所から人の生き死にまで綴られる、言葉の潔さ。
  • 永遠の詩08 八木重吉
    八木重吉の名前を知ったのは最近なのですが、どこで知ったか忘れましたが(アンソロジーかなにか?)とにかく、この人の詩集をもっと読んでみたいと思わされました。
    それで、探したらこの『永遠の詩』のシリーズが一番入手しやすいとわかり、このシリーズを集めだしました。はじめに八木重吉ありきでした。
    とても透明感...続きを読む
  • 永遠の詩07 萩原朔太郎
    萩原朔太郎は、高校の頃に憧れて、岩波文庫を他の何人かの詩人とともに買って読んでいた記憶があります。
    解説の高橋順子さんは巻頭の「言葉以上の言葉」という文章で、日本の近・現代詩は萩原朔太郎抜きにしては何も語れないといってよい。生涯にわたって、詩の言葉と闘い、言葉にいのちを吹き込んだ無二の詩人だったと歴...続きを読む
  • 永遠の詩06 宮沢賢治
    宮沢賢治はずっと好きだと思っていました。
    ただ、レビューするにあたって、この「永遠の詩」シリーズの第六巻、全部読み直しましたが、賢治は小学校の教科書にも載っている、なじみの深い作家ですが、非常に難しい作家だと思いました。
    しかし、好きなこと、イコール意味がよくわかることでは、必ずしもなくていいのだと...続きを読む
  • 永遠の詩05 石垣りん
    初期の詩は、少しこわいくらいの精神力の強さが感じられました。
    少女の頃から一家の生活を支えて、家族を次々に亡くしたという環境もあったことだと思われます。
    初期といっても、初めての詩集『私の前にあるお鍋とお釜と燃える火と』を出されたのは39歳という遅咲きの詩人だったそうです。
    晩年の詩は肩の力が少し抜...続きを読む
  • 永遠の詩04 中原中也
    この永遠の詩シリーズは8人の詩人が取り上げられていますが、最も早熟の天才は中原中也ではないでしょうか。
    高橋順子さんの解説によると、幼いころは神童といわれ、17歳で女優と同棲、のちに失恋、愛児文也の死、そして自身の早すぎる死まで短くて波乱に満ちた生涯だったようです。
    中也のファンとしても有名な川上未...続きを読む
  • 永遠の詩03 山之口貘
    「永遠の詩」シリーズは、まだレビューにはまとめていませんが、全巻、既読です。その中でおそらく誰もが親しみを覚える詩を書いているのがこの「獏さん」こと山之口獏さんです。
    社会のことを書いても、ユーモアと明るさがいつもあって、親しみやすい方です。
    むずかしい語法の詩はひとつもありませんが、「たった一篇ぐ...続きを読む
  • 永遠の詩02 茨木のり子
    茨木のり子さんの詩集は、以前にも何冊か読んでいますが、この詩集の高橋順子さんの解説によると、意味を取り違えて読んでいたものがありました。この「永遠の詩」シリーズは解説が1作ごとにあり、とてもわかりやすく、選詩も、選りすぐりのものばかりで、評価されるべきシリーズだと思います。

    「落ちこぼれ」
    落ちこ...続きを読む
  • 永遠の詩01 金子みすゞ
    「おはじき」
    空いっぱいのお星さま、
    きれいな、きれいな、おはじきよ。

    ぱらり、とおはじき、撒きました、
    どれから、取ってゆきましょか。

    あの星
    はじいて
    こう当てて、
    あれから
    あの星
    こう取って。

    取っても取っても、なくならぬ、
    空のおはじき、お星さま。


    <解説より>
    みすゞが瀬戸崎尋...続きを読む
  • 永遠の詩01 金子みすゞ
    普通に過ごしているうちは目に入ってこないものたちに向ける、優しい眼差し。
    金子みすゞの詩は、そんな慈しみに溢れています。

    日常の風景を美しく切り取る作家の言葉も好きだけど、こんな風に見えなかったもの達の素朴な美しさや佇まいをたった数行で示してくれる詩人の言葉にも、いつの間にか胸を突かれる歳になった...続きを読む
  • 永遠の詩02 茨木のり子
    心に、ぐっと迫ってくる詩ですね。

    詩は、あまり…ほとんど読みませんが…
    こういう詩があるんだな~と、

    ひとつひとつ、詩の背景の解説もあるので、
    より、わかりやすく、初心者に良いです。
    掲載している詩集名ものっているので、
    それぞれを借りたくなりました。
    著者の年齢的な、時代背景などでも、詩の内容...続きを読む
  • ユーモアの鎖国
    戦中、戦後の世相を庶民目線で語った作品も珍しい。「ユーモアの鎖国」という表現もいい。戦争で死んでいく人は、決して美談で語られる人ばかりでない。あるいは戦中であれば美談だったのが、敗戦とともに美談でなくなる。こんな世の中に疑問を持たない方がおかしい。著者が噂で聞いた「豪の中の男」。乙な恰好で、日本刀を...続きを読む