三川基好のレビュー一覧

  • ゼロ時間へ

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    ネタバレ

    見事な構成で読みやすく面白かった。前半の人間関係の緊張感みたいなのも面白く読めた。
    すでに殺人事件が起きているのにどこがゼロ時間?と思っていたら最後にそういうことか、となった。
    何気にネヴィルみたいな人が一番怖い。
    バトル警視がポアロに言及していて、ちょっと嬉しくなった。

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    2025年04月01日
  • ゼロ時間へ

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    冒頭で、殺人事件を考えることについて、つまりこの小説の書き方について語られる。

    「殺人事件のニュースや小説を読む時、殺人事件の調査をする時、人々は殺人が起きたところから考え始める。しかし殺人は結果なのだ。因果関係はその以前から始まっている。あの目撃者がそこにいたのはなぜ?あの証人が嘘をついたのはどんな感情で?殺人事件に至るまでには、計画があり、多くの偶然により思いもかけない形が作られ、関係者となった人たち性質が影響して、殺人という”ゼロ時間”に集束するのだ。」

    物語の前半は、ある年の月に海辺の町ガルズポイントに集まることになった人々の事情、それまでにした経験が語られる。

     スコットランド

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    2025年03月27日
  • ゼロ時間へ

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    クリスティ自身が自作ベストテンに入れたことが肯ける作品。

    普通の推理小説は“事件”から始まるが、この小説は“事件”に向かって話が進んでいく。

    それを思いつくクリスティの発想の豊かさもさることながら、伏線の回収の仕方など、その見事さに唸るばかりで、読み終わったときは「お見事!」と思わず快哉を叫びそうになりました。

    ・・・ところで、メインキャラクターであるオードリー・ストレンジについて、目が離れていることが描かれているのだけど、これは何か意味があるのかしら?当時(1944年以前)の人相学などの影響か、単におっとりした印象を与える顔だと書きたかったのか? そこだけ不思議に思いました。

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    2025年03月23日
  • ゼロ時間へ

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    1944年の作品。
    バトル警視が活躍するサイコスリラーサスペンス。

    あらすじ
    有名なテニスプレーヤーのネビル・ストレンジは、再婚したばかりの美しい妻、ケイ・ストレンジと夏の休暇を養母のトレシリアン夫人の屋敷、ガルズポイントで過ごすことにした。だが、ネビルは別れた妻のオードリーストレンジも同じ時期に招待し、元妻と現妻に仲良くなってほしいと提案する。
    さらにケイ・ストレンジに想いを寄せるテッド・ラティマー、オードリーストレンジの幼なじみで、オードリーに結婚の申し込みをしようと決意しているトマス・ロイドも屋敷にはやってきて、ガルズポイントには居心地の悪い不穏な空気が流れていた。
    そんな中、トレシリ

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    2025年03月23日
  • ゼロ時間へ

    ネタバレ 購入済み

    ゼロ時間へ

    思わぬ結末でした。え、そうなの?とおもってからのどんでん返し。
    サスペンス好きですが不穏な空気はあるものの、なかなか殺人は起こらない。まだあ、という感じだったのはしばらくで、しだいに引き込まれていきました。
    実は久しぶりの読書でした。
    舞台を観に行くので予習として。
    でも、引き込まれてしまいました。
    アガサ クリスティの他の本も読みたくなりましたし。アガサ本人お気に入り?いいもの読みました、

    #じれったい #スカッとする #ドロドロ

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    2024年10月14日
  • ゼロ時間へ

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    文句無しに面白かったです。

    俗に、ノンシリーズと言われる本作。事件の解決は、ポアロのような名探偵ではなくバトル警視。解説によると、このバトル警視の登場自体は5作目。彼は、それまで地味な扱いだったのが、本作で華開いたとのこと。

    作中で、バトル警視がポアロの名前をあげて、意識的に違和感を嗅ぎ取って推理し、活路を見出すのがいいですね。ポアロの人柄や推理の仕方が出てくるので、一冊はポアロの登場する本を読んでおいた方がいいでしょう。自分は、一作目『スタイルズ荘の怪事件』を読んでいたのでイメージできました。

    物語は、老弁護士が推理小説を読むときの持論を語り出し、「殺人は結果なのだ。物語はそのはるか以

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    2025年03月23日
  • ゼロ時間へ

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    ネタバレ

    凄かった、凄かった。
    最後に一気に回収されていく複線。
    呆然としてしまう、あまりの凄さに。
    バトル刑事の娘さんの件までこう作用するとは…。
    ケイのヒステリックもネヴィルに影響されてたんだろうかとか考えてしまう。

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    2023年10月15日
  • ゼロ時間へ

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    謎が解ける直前まで、犯人の態度がいけ好かなくて、うっとおしいと感じていた。にもかかわらず、犯人は貴方ですの一言で状況がすっかり引っくり返ってしまって、明確な殺意があったからこそ、ああも様子がおかしかったのだと納得せずにいられなかった。疑心暗鬼になればなるほど余計にクリスティの掌の上でいいように転がされるとわかっているけれど、その見事な手腕に惚れ惚れしているのだから、これはこれで楽しい。

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    2022年10月30日
  • ゼロ時間へ

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    怒涛の伏線回収とどんでん返し

    途中で最初から読み直したのだけどこんな真相わからないよ!すごすぎる
    最初のほうで後のヒントになる話題が出てたのに自然すぎてスルーしてた

    いつもアガサ・クリスティーの作品って全部終わったあとのめでたしめでたしのオチが雑だな〜って思ってたけどゼロ時間へのオチはかなり好き 幸せになってほしい

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    2022年03月30日
  • ゼロ時間へ

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    ネタバレ

    最後の最後まで全然事件が起きなかったので、途中で読むのを諦めようかけました。
    でも最後まで読んで本当によかった。犯人が意外すぎて衝撃を受けました。この本は、事件にはそこに至るまでの過程がある、と言うのがテーマらしいのですが、その過程(事件が起こるまでのストーリー)を読んだからこそ、この人は絶対犯人じゃないって気になったので何だか変な感じです。

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    2021年01月12日
  • ゼロ時間へ

    A

    購入済み

    ナニか物足りない

    やたらと散りばめられた多数の伏線が
    見事に回収されて、すごいなと思う。
    ゼロ時間に向かって物語が進んでいくのも斬新だなと思う。
    その一方で、後だし感が強いなとも感じた。

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    2025年04月28日
  • ゼロ時間へ

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    ゼロ時間。殺人はその結果であって、それ以前から物語が始まっている。タイトルから秀逸。クリスティの新たな試み、これまでのミステリーの常識を覆す画期的な作品。

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    2024年07月21日
  • ゼロ時間へ

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    【ノンシリーズ】
    ポアロじゃない「ノンシリーズ長編」。

    全ての伏線が最後に一気に回収される。
    繋がりがないように思えたエピソードも全て
    関係している。

    偶然に起きる殺人なんてものはなく、たくさんの要素が絡まった時に殺人は起きてしまう。人間の心理を描いたクリスティーらしい作品。

    今回も犯人を当てられなかった。
    犯人がわかってからもう一度読み返すと、犯人の心理的な怖さをもっと感じられる。

    バトル警視は、ポアロのような灰色の脳細胞を持つ天才タイプとは違って、良いお父さんであり人間味がある。作中でポアロの話も出てきてニヤリとしてしまう。

    最初のエピソードが最後になって意味を持ってくる。そこに

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    2024年07月17日
  • ゼロ時間へ

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    ネタバレ

    ひとりごと

    アガサ•クリスティーさんの作品を初めて読みました。登場人物が多くて(最初名前も覚えるのが難しい)慣れるまで登場人物、役職を見返しました。

    本作は自殺しそこねた男から始まり、それぞれが1つの屋敷に集まって何やら起こりそうな雰囲気が漂う中、殺人事件が起こるー。

    ゼロ時間の種明かしをされた時、サイコパスの人は1つの事柄だけでここまで用意周到に準備をし実行するんだと思うと怖くなりました
    憎い人を簡単に殺めるのではなく徐々に追い詰めてそして思いつく1番の苦しい方法で消えてほしい
    その為に、犠牲者が何人いても構わない犠牲者はただの演出という考えが恐ろしいです

    ただ普通の人達が理解できな

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    2024年06月15日
  • ゼロ時間へ

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    ネタバレ

    海の見える館ガルズポイントで行われた殺人。被害者の遺産はネヴィル・ストレンジとその妻に相続されることになっていたが、奇しくもその日館には、現在の妻ケイと前妻のオードリーが顔を揃えていた。時を同じくして、ガルズポイントに客として訪れていた高齢の弁護士が死亡する。心臓を患っていた彼は、何者かがエレベーターを故障中と偽装して階段を歩かせたことが原因で死亡したと見られる。
    バトル警視は、不自然なほど揃い過ぎた証拠を検証しながら、甥で同じく警察官のジェイムズとともに犯人を追い詰めて行く。
    登場人物の過去や心情を丁寧に描きながら、動機やアリバイを重視したクリスティらしい作品。
    クリスティの作品は高齢の人物

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    2024年06月10日
  • ゼロ時間へ

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    ネタバレ

    犯人が怖すぎる…。真相が分かってからはオードリーがただただ気の毒。やたらトマスとメアリーの会話が多いと思ったらそこがくっついたので、納得した。冒頭のシルヴィアの話関係あるのか?と思っていたらしっかり拾われて脱帽。

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    2024年02月03日
  • ゼロ時間へ

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    ネタバレ

    殺人事件は始まりではなくて、物語の結末、つまりゼロ時間。

    館の老婦人が殺された。証拠が出揃い、犯人は明らかかと思われたがバトル警視には引っかかることがあった。スポーツマンと離婚した元妻と現在の妻、友人、親戚、使用人たち。人間関係を追った後に明らかになった真相とは——。

    クリスティーはナイルでもそうなのだが、殺人事件が起こるまでのストーリーが読ませる。作中でバトル警視も述べているように、多くの殺人事件を描いた物語は、まず殺人事件が起きてそこに探偵がやってきて、と始まる。しかし本来、誰かが人を殺すには、そこまでに至る物語がある。

    クリスティー作品は登場人物が多くてもその一人ひとりの顔がしっか

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    2024年01月25日
  • ゼロ時間へ

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    犯罪が起きた時がスタートではなく、様々な要素が絡まり合って収束する、ゼロ時間こそが全て。
    中学の時に読んで感銘を受けたクリスティ作品。
    改めて読み返したが、やはり素晴らしい!時代を感じさせない!
    惜しむらくは、訳が堅苦しくてややぎこちないところ…。

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    2023年08月26日
  • ゼロ時間へ

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    いつもながら、素晴らしい筆力。
    誰もが怪しく見えるのに、ラストはいつも驚かされる。今回は自分でも推理に挑んでみたけれど、大外れだった。
    クリスティー女史はいつも事件が起こる心理的な要因に着目していて、そこが他のクライムサスペンスとは一線を画しているが、本作にはそのエッセンスが詰め込まれているように感じた。作者ご本人もベストテンに選び、江戸川乱歩はベスト8に挙げたとあとがきで読んだが、それも納得の珠玉のミステリ。シリーズものではないが、バトル警視が出てきたのも嬉しかった。

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    2023年08月24日
  • ゼロ時間へ

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    「殺人は結果であり、物語ははるか以前から始まっている」当然と言えば当然だが、殺人が起こるまでを切り取るのは面白い。僕はクリスティがほとんどのトリックや構成を彼女の時代に生み出したと思っているが、今回も秀逸だ。
     バルト刑事シリーズもクリスティの中では有名だが、改めて読むと彼の人間性(無骨だが力強く優しさがある)に惹きつけられる。彼の娘の事件は確かに頭の悪い女教師の暴走だが、それに対してのリアクションがバトル刑事の魅力を思い出させてくれた。
     章が変わり、登場人物達の紹介が行われ、彼らは物語の舞台ソルトクリークに終結する。どの人物達も一癖も二癖めありそうな連中ばかり。これからどのように経過が進み

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    2023年07月12日