ケビン・メイニーのレビュー一覧
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世のサービスは、上質か、手軽かの2つに区分され、どちらに振れるかでビジネスの成功と失敗のカギを握っている。事例とともにそれぞれが語られており、納得度が高い内容。
・消費者は絶えず上質か、手軽のどちらか一方を選びとっている。
・テクノロジーの進歩はこのどちらも押し上げていく。
・上質さも手軽さも秀逸ではないサービスは不毛地帯に追いやられる。
・上質さと手軽さ両面で卓越するのは不可能だ。
・上質の頂点→iPhone、
手軽の頂点→ウォルマート。
・上質さと手軽さをめぐるほかの条件が同じ場合、社会的価値を加味することでサービスへの期待があがる
(iTunesは自分一人で聞くから高いと思う -
Posted by ブクログ
上質か手軽かのどちらかを極める事が最も効果的なブランディング手法だと言う事を、欧米の良書らしく多数の事例紹介とともに繰り返し発信していておもしろい。iPhoneもこれからの戦略次第ではあっという間に「不毛地帯」に陥ると予測していて興味深い。ただ、巻末解説(内田和成氏)の数ページが最も簡潔でまとまっている。
・リーダーはなにをすべきかだけではなく、何をすべきでないかにも細心の注意を払う
・上質の頂点か、手軽の頂点か、どちらかひとつの軸で一番になれば市場に君臨できる
・人とのつながりを代表する社会的な価値は何よりも大きな意味を持つ
・上質=経験+オーラ+個性(愛されるか)
・手軽=入手しやすさ+ -
Posted by ブクログ
元USA Todayのテクノロジー担当記者だったケビン・メイニー氏の著書です。
記者として数々の企業トップなどへのインタビューや取材を通して培った経験を基に話題となったビジネスモデルや商品を分析した見解を紹介する内容となっています。
この本の視点は、「上質か、手軽か」の一点に集約されています。
中途半端はダメで、「上質か、手軽か」のどちらか一点を目指し、他は捨てることこそ戦略であると論じています。
「上質とは愛されることであり、手軽とは必要とされることである。」という記述は、ビジネスの成功モデルの本質をうまく掴んでいる言葉だと思います。
上質か、手軽かという視点はありそうでなかった視点 -
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ジャーナリスト だったゆえに
非常にわかりやすく 切り口も鮮明だ。
ただ ちょっと まとまりすぎていて 浅さも感じられる。
上質をめざすのか?手軽さをめざすのか?
それは 技術の進歩によって 常に変化していく。
上質は オーラがあり 個性があり 愛される。
手軽は 入手しやすく、安いもので 必要とされる。
どちらを 選ぶのか?
それを多くは間違えることによって、
成功を失うことになる。
1 テクノロジーの進歩を見落としてはいけない。
2 商品やサービスの成否は、目新しいか、時流に乗っているかどうかよりも、
上質と手軽のさじ加減で決まる。
3 上質と手軽さのどちらをどれだけ重視するか -
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商品やサ-ビスがヒットするかのどうかの判断材料として、手軽さもしくは上質さのどちらかを追及しているかどうかの観点で見れば分かりやすいと主張している本です。
逆に手軽さと上質さのどちらも追求しようとした商品や会社は凋落の憂き目にアウトの意味を込めて本書のタイトルは「トレ-ドオフ(片方を手に入れるともうひとつは捨てざるえない)」としたのだと思いました。
企業戦略に関する本を読んでよく記載されているのは、戦略とは何を選び何を選ばないか選択することとの考えがよく出ます。本書で語られている「手軽さ」・「上質さ」どちらかの追及も、その考えに沿った内容に思いました。
2011年の本ですので、事例として -
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ネタバレ【トレード・オフ】
●卓越した人々は、慎重に考え抜いた上で難しい選択をする勇気を持ち合わせているうえ、「何もかもできる」などという錯覚に陥ることなく、自分が抜きん出る可能性のある分野だけに力を注ぐ。
●「心を鬼にして上質さと手軽さのどちらかひとつに賭けようとする者は、煮え切らない者よりも大きな成果を手にする」
●ハリネズミの概念を持つとは、①情熱(自分の信条に沿っていて心から打ち込める分野)、②資質(資質に恵まれていて抜きん出た成果をあげられる分野)、③価値ある貢献(経済や社会に貢献しながら生活の糧を得られる分野)、以上三つの円が重なる分野で進むべき道を切り開くことを意味する -
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ネタバレ概要まとめ
個人がハリネズミの概念を持つ事
・情熱(やりたい事)、資質(できる事)、貢献(価値のある事)
の3つの円が重なる分野で進むべきである。
オズボーンのオズフェストをチェックする
◆上質=経験+オーラ+個性
→この足し算によって上質度は決まる
オリジナル作品は目に見えない価値を醸し出している
→オーラに包まれる経験とは格別なものである
◆手軽=入手しやすさ+安さ
目的地にたどり着くまでの経験を上質なものにする為に
手軽さに対してお金を払うという場合、本当のところは
上質さを買っている場合が多い
愛されるか、または必要とされるかで決まる
→手軽であるとは「必要とされる」事で -
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内田和成の解説が簡潔。
「本書の内容を一言で言い表せば、『中途半端はだめである』ということに尽きます。まさに『戦略とは捨てることなり』で、成功したければ、上質か、手軽か、その一方を選びなさいということです。
競争戦略の用語にstuck in the middleというものがあります。直訳すると『中途半端なところで立ち往生する』という意味ですが、差別化にも低コスト化にも不徹底である状態を指しています。
ケビン・メイニーはこれを『不毛地帯』と空間的イメージで説明しました。欲張って上質と手軽を同時に目指そうとすると、この不毛地帯に陥ってしまうというわけです。」
以下、本書より。
「ドイツ生まれ