あらすじ
【内容紹介】
戦略とは、捨てることなり。iPhone、スターバックス、COACH、キンドル、フェデックス、新聞、格安航空会社、ATM……大成功してのち大失敗した商品、大成功しそうでしなかった商品、すべて「トレードオフ」で説明できる。
[序文] ジム・コリンズ(『ビジョナリー カンパニー』)
[解説] 内田和成(『仮説思考』『論点思考』)
【著者紹介】
[著] ケビン・メイニー (Kevin Maney)
USA Todayのテクノロジーコラムニストを振り出しに、Fortune、The Atlanticなどに執筆。2007年、コンデナスト社が鳴り物入りで創刊したビジネス誌、Conde Nast Portfolioの専属記者として迎えられた(同誌は09年に休刊)。主な著書に『貫徹の志 トーマス・ワトソン・シニア』(ダイヤモンド社)、『メガメディアの衝撃』(徳間書店)などがある。
●著者ウェブサイト:www.kevinmaney.com
[訳] 有賀裕子 (あるが・ゆうこ)
東京大学法学部卒業。ロンドン・ビジネススクール経営学修士(MBA)。通信会社勤務を経て、翻訳に携わる。訳書に『持続可能な未来へ』(ピーター・センゲほか著、日本経済新聞出版社)、『ブルー・オーシャン戦略』(W・チャン・キム+レネ・モボルニュ著、ランダムハウス講談社)、『マネジメント』(ピーター・ドラッカー著、日経BP社)ほか多数。
【目次抜粋】
序文
はじめに
第I部 上質と手軽の天秤
プロローグ
第1章 上質か手軽か
第2章 取拾選択
第3章 不毛地帯と幻影
第4章 カメラ付き携帯の衝撃
第II部 勝者と敗者
第5章 上質の頂点
第6章 手軽の頂点
第7章 奈落
第8章 最悪の選択
第III部 二者択一の決断
第9章 イノベーション
第10章 破局
第11章 光明
第12章 戦略
第13章 あなた自身の強み
謝辞
解説
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
自社サービスに照らしながら考えると面白い。なぜこんな機能がないのか、上質さあるいは手軽さがないのか、これらがトレードオフにあり、両立を目指しても互いに打ち消しあう。対処としてはブランドを分けることが想定される。
Posted by ブクログ
世のサービスは、上質か、手軽かの2つに区分され、どちらに振れるかでビジネスの成功と失敗のカギを握っている。事例とともにそれぞれが語られており、納得度が高い内容。
・消費者は絶えず上質か、手軽のどちらか一方を選びとっている。
・テクノロジーの進歩はこのどちらも押し上げていく。
・上質さも手軽さも秀逸ではないサービスは不毛地帯に追いやられる。
・上質さと手軽さ両面で卓越するのは不可能だ。
・上質の頂点→iPhone、
手軽の頂点→ウォルマート。
・上質さと手軽さをめぐるほかの条件が同じ場合、社会的価値を加味することでサービスへの期待があがる
(iTunesは自分一人で聞くから高いと思うが、着メロは人に聞かれるのでたかいとは思わない)
Posted by ブクログ
ビジネスでは上質をとるか、手軽さをとるか、はっきりさせないと成功できない。上質か手軽さかどちらともいえない曖昧なものは不毛地帯から抜け出せなくなり、その両方を求めてしまうと中途半端におちいり、計画は頓挫してしまう。本書はそんな上質と手軽さのトレードオフのコンセプトを、著者の豊富なリサーチと分析をもとに上手く説明している。
Posted by ブクログ
卓越した人びとは、慎重に考え抜いた上で難しい選択をする勇気を持ち合わせた上、” 何もかも出来る ” などという錯覚に陥ることなく、自分が抜きん出ている可能性のある分野に力を注ぐ、上質を取るか、手軽さを取るか、非常に学びの多い1冊です。
Posted by ブクログ
読んでて知恵熱が出そう。
あくまでも相対論として上質・手軽が問われてる。
例えば、マクドは商品の価格を上げず商品の品質を上げることはさらなる手軽につながる。これは上質を目指しているようで相対的には値下げにつながっているからだ。その事で上質のオーラと手軽さの両方をまとったipodのような奇跡を見せるなどと自問自答してしまう。知恵熱でそうだけどおもちろい。
Posted by ブクログ
企業の上質、手軽の戦略をたくさん紹介してくれる。ふむふむと思いつつどんな落とし所になるのかとゴールの見えないまま最後の数ページで、それを選ぶのは自分であることを意識できた。
個人的にはジェフホーキンスが紹介されてて、心躍った。ハンドスプリングのバイザーは楽しかったなー。
Posted by ブクログ
上質か手軽かのどちらかを極める事が最も効果的なブランディング手法だと言う事を、欧米の良書らしく多数の事例紹介とともに繰り返し発信していておもしろい。iPhoneもこれからの戦略次第ではあっという間に「不毛地帯」に陥ると予測していて興味深い。ただ、巻末解説(内田和成氏)の数ページが最も簡潔でまとまっている。
・リーダーはなにをすべきかだけではなく、何をすべきでないかにも細心の注意を払う
・上質の頂点か、手軽の頂点か、どちらかひとつの軸で一番になれば市場に君臨できる
・人とのつながりを代表する社会的な価値は何よりも大きな意味を持つ
・上質=経験+オーラ+個性(愛されるか)
・手軽=入手しやすさ+安さ(必要とされるか)
・新しいテクノロジーは既存の成功商品の10倍の上質ないし手軽さを実現しない限り世の中の注目をひくことはできない
・手軽さはオーラや個性を打ち消す役割を果す
⇒アウトレットでの値引きを繰り返すCOACH
⇒ラグジュアリー業界のマクドナルドはありえない
・目的のはっきりした撮影と、身の回りのふとした瞬間をカメラに収める行為は根本的に異なる市場を形成している
・モバイルで大切なのは上質さではなくつながりを生む力
・オーラ依存ビジネスは儚い結果に終わる可能性が高い
⇒クロックス
・「上質と手軽」の選択5箇条
?テクノロジーの進歩を見落とさない
?目新しいかどうか、時流に乗っているかどうかよりも、上質と手軽のさじ加減が大事
?上質と手軽のどちらをどれだけ重視するかは顧客層ごとに異なる
?商品やサービスを小さく生むと、小回りが利くためテクノロジーの進歩や競合他社の動きに対応しやすい
?新しいテクノロジーは必ずと言っていいほど不毛地帯で産声をあげる
・オープンソースモデルのオンライン教科書に可能性を感じる(共感)
・「グーグルが世界最高の教授陣100人を引きぬいてサイバー大学を開校し、広告を収入源にして学費をタダにすれば高等教育の世界をいとも簡単に揺るがせるだろう」
・本は物理的な媒体というよりも書き手の精神世界への扉だ
・キンドルのメインユーザーは40〜50代
Posted by ブクログ
元USA Todayのテクノロジー担当記者だったケビン・メイニー氏の著書です。
記者として数々の企業トップなどへのインタビューや取材を通して培った経験を基に話題となったビジネスモデルや商品を分析した見解を紹介する内容となっています。
この本の視点は、「上質か、手軽か」の一点に集約されています。
中途半端はダメで、「上質か、手軽か」のどちらか一点を目指し、他は捨てることこそ戦略であると論じています。
「上質とは愛されることであり、手軽とは必要とされることである。」という記述は、ビジネスの成功モデルの本質をうまく掴んでいる言葉だと思います。
上質か、手軽かという視点はありそうでなかった視点であり、改めて周囲の商品を見ると色々と考えさせられることが多いです。
この視点に新鮮さを感じましたし、読んでいてとても面白かったです。
この本では具体的な戦略をどうするかまでは落とし込まれていないという指摘もありますが、自分で考える楽しみと考えれば良いと考えます。
読みやすく、わかりやすい良書です。
最後に本の装丁についてですが、「ビジョナリー・カンパニー」のジム・コリンズ氏の著書かと思うような出来栄えです。せめて帯だけにすれば良いのに・・・著者が気の毒に感じました。(笑)
Posted by ブクログ
突き詰められた理論は案外、単純で、当たり前のように響く。上質か、手軽か。その二元論で過去の多くの事例が説明できる。ただし問題はそれをどうやって今後に活かすのかということ。常に自分の仕事を念頭に置いて読むべきなのだろう。
Posted by ブクログ
ジャーナリスト だったゆえに
非常にわかりやすく 切り口も鮮明だ。
ただ ちょっと まとまりすぎていて 浅さも感じられる。
上質をめざすのか?手軽さをめざすのか?
それは 技術の進歩によって 常に変化していく。
上質は オーラがあり 個性があり 愛される。
手軽は 入手しやすく、安いもので 必要とされる。
どちらを 選ぶのか?
それを多くは間違えることによって、
成功を失うことになる。
1 テクノロジーの進歩を見落としてはいけない。
2 商品やサービスの成否は、目新しいか、時流に乗っているかどうかよりも、
上質と手軽のさじ加減で決まる。
3 上質と手軽さのどちらをどれだけ重視するかは、顧客層ごとに異なる。
4 商品やサービスを小さく生むと、小回りが利くため、テクノロジーの進歩や競合他社の動きに対応しやすい。
5 新しいテクノロジーは必ずと言ってよいほど 不毛地帯で産声を上げる。
この本は 鈴木敏文の本の中で知った。
プレミアム そして ゴールド という商品群は
まさに 手軽さの代表である コンビニから 始まったのである。
Posted by ブクログ
商品やサ-ビスがヒットするかのどうかの判断材料として、手軽さもしくは上質さのどちらかを追及しているかどうかの観点で見れば分かりやすいと主張している本です。
逆に手軽さと上質さのどちらも追求しようとした商品や会社は凋落の憂き目にアウトの意味を込めて本書のタイトルは「トレ-ドオフ(片方を手に入れるともうひとつは捨てざるえない)」としたのだと思いました。
企業戦略に関する本を読んでよく記載されているのは、戦略とは何を選び何を選ばないか選択することとの考えがよく出ます。本書で語られている「手軽さ」・「上質さ」どちらかの追及も、その考えに沿った内容に思いました。
2011年の本ですので、事例としてあげられる例が若干古い点は仕方ありませんが読んで面白い本だと思います。
Posted by ブクログ
【トレード・オフ】
●卓越した人々は、慎重に考え抜いた上で難しい選択をする勇気を持ち合わせているうえ、「何もかもできる」などという錯覚に陥ることなく、自分が抜きん出る可能性のある分野だけに力を注ぐ。
●「心を鬼にして上質さと手軽さのどちらかひとつに賭けようとする者は、煮え切らない者よりも大きな成果を手にする」
●ハリネズミの概念を持つとは、①情熱(自分の信条に沿っていて心から打ち込める分野)、②資質(資質に恵まれていて抜きん出た成果をあげられる分野)、③価値ある貢献(経済や社会に貢献しながら生活の糧を得られる分野)、以上三つの円が重なる分野で進むべき道を切り開くことを意味する
Posted by ブクログ
概要まとめ
個人がハリネズミの概念を持つ事
・情熱(やりたい事)、資質(できる事)、貢献(価値のある事)
の3つの円が重なる分野で進むべきである。
オズボーンのオズフェストをチェックする
◆上質=経験+オーラ+個性
→この足し算によって上質度は決まる
オリジナル作品は目に見えない価値を醸し出している
→オーラに包まれる経験とは格別なものである
◆手軽=入手しやすさ+安さ
目的地にたどり着くまでの経験を上質なものにする為に
手軽さに対してお金を払うという場合、本当のところは
上質さを買っている場合が多い
愛されるか、または必要とされるかで決まる
→手軽であるとは「必要とされる」事であり、
上質であるとは「愛される」事である。
IBMによるセカンドライフの利用感想
→電話会議よりもSL内の方が議論に集中でき、高い成果につながる
◆上質or手軽さに「社交性」を加えると
天秤の振れ幅を大きく左右する要因になりえる。
エレクトロニック・アーツを創業したトリップ・ホーキンス
コンテンツの再生や配信ではなく、人と人をつなぐ事こそに価値がある
利用者同士をつなぐ機能があれば上質に打ち勝つ事ができる
利用者には「コンテンツにお金を払っている」という意識は無く、
自分の価値を高める為に投資しているという意識がある
RAZRのなれの果て
前人未踏の領域を目指し続ける
どんな事業であってもライバルをしのぐ手軽さを実現すれば
勝者になれるのです。
上質さにはかなわなくても大差がない場合は充分に満足してもらえるが、価格ではそうはいかなく、消耗戦になりやすい。
価格200ドルの掃除ロボットを作るべきだ(アイロボット社)
◆◆◆上質と手軽の選択を見誤らない為の五ヶ条◆◆◆
1.テクノロジーの進歩を見落としてはいけない
→11年もかかってしまったエアバスA380
2.商品やサービスの成否は、目新しいかどうか時流に乗っているかどうかというよりも
上質と手軽のさじ加減できまる
3.上質と手軽をどれだけ重視するかは顧客層ごとに異なる
4.商品やサービスを小さく生むと小回りがきくため、
テクノロジーの進歩や競合他社の動きに対応しやすい
5.新しいテクノロジーは必ずと言っていいほど不毛地帯からうまれる。
ゴリンキンはレディクリニックに名を改め、1診療を15分以内に収めて成功した。
地味なギタリストのままでくすぶるか?
世の中で活躍した著しい人は上質または手軽さのどちらかをきわめている物である。
Posted by ブクログ
上質か手軽か、それを選択・決断できなければ、不毛地帯に落ちる。この論理を多種多彩の事例を用い、わかりやすく説明してくれる本。確かに日常生活の中で考えると、いろいろあてはまる事がある。要は潜在的にニーズのあるであろうセグメントを選択し、上質と手軽のプレーヤーが揃っていない、もしくは付け込むスキがあるかどうか。ただ、決断するには相当マーケティングと勇気が必要だけどね。
Posted by ブクログ
けっこうトレーディングにおいても参考になる内容だった。
ビジネス向けの本であるが、いろいろな物事に対して基礎的な部分を知れる本だと思う。
おすすめ!
Posted by ブクログ
ジム・コリンズの本かと思って手に取ってしまいました。この装丁は限りなく詐欺に近いと思います。
内容はというと、「フラット化する世界」ほど難しく書いてないけど、ビジネス界でいま起きている現象を一通りおさらいするにはいい本です。こうした本は陳腐化しやすいので、早めに読みましょう。
Posted by ブクログ
内田和成の解説が簡潔。
「本書の内容を一言で言い表せば、『中途半端はだめである』ということに尽きます。まさに『戦略とは捨てることなり』で、成功したければ、上質か、手軽か、その一方を選びなさいということです。
競争戦略の用語にstuck in the middleというものがあります。直訳すると『中途半端なところで立ち往生する』という意味ですが、差別化にも低コスト化にも不徹底である状態を指しています。
ケビン・メイニーはこれを『不毛地帯』と空間的イメージで説明しました。欲張って上質と手軽を同時に目指そうとすると、この不毛地帯に陥ってしまうというわけです。」
以下、本書より。
「ドイツ生まれの評論家ヴァルター・ベンヤミンは、1930年代にとりわけ華々しく活躍し、36年に発表した評論『複製技術時代の芸術』でオーラについて説いている。…仮に絵画の価値がすべて鑑賞にまつわるものであるなら、いかにオリジナルといえども、見た目に違いのない複製と同一の価値しか持たないはずだろう。だが、オリジナル作品は目に見えない価値をも宿している。画家や作品の文化的意義などへの畏敬の念を呼び起こすのだ。このような力をベンヤミンは『オーラ』と名づけた。」
「経験、オーラ、個性。この三つの足し算によって上質度は決まる。」
「上質と手軽の天秤の振れ方を大きく左右する要因が、じつはもうひとつある。商品やサービスに『社交性』が備わっている場合、上質感がグッと重みを増す可能性があるのだ。」
「上質か手軽かの二者択一というコンセプトが示すように、『マス・ラグジュアリー』は砂上の楼閣にすぎない。マスとは手軽であり、ラグジュアリーとは上質である。この二つは共存できない。」
上質と手軽の選択を見誤らないための五カ条
?テクノロジーの進歩を見落としてはいけない。
?商品やサービスの成否は、目新しいかどうか、時流に乗っているかどうかよりも、上質と手軽のさじ加減で決まる。
?上質と手軽のどちらをどれだけ重視するかは顧客ごとに異なる。
?商品やサービスを小さく生むと、小回りが利くため、テクノロジーの進歩や競合他社の動きに対応しやすい。
?新しいテクノロジーは必ずといってよいほど不毛地帯で産声をあげる。
Posted by ブクログ
鈴木敏文さんが絶賛されていたので、ちょいと読んでみた。
上質を取るか手軽さを取るか…。
愛されるか必要とされるか…。
当たり前のことなんだけど、なかなかできないんだよね。
紹介されている企業の中で、テスラを絶賛していたが、今は苦境に立たされている。
なかなか難しいもんです。
Posted by ブクログ
高給路線で行くか、手軽な安価路線で行くか。上質を取るか、手軽で行くか。
中途半端は成功しない。
ビジネス業界の豊富な事例でわかりやすく説明してくれる。
上質を極めた企業は手軽を、手軽を極めた企業は上質を求めてしまい、中途半端になって失敗してしまうところが面白い。ティファニーやCOACHなど。
iPhoneがどのような路線をとっていくか気になるところ。
Posted by ブクログ
上質と手軽の2軸のグラフ上のポジショニング
上質=経験+オーラ+個性
手軽=入手しやすさ、使いやすさ、安さ
・テクノロジーの進歩(開発期間中に上質さと手軽の基準が上がる)
・評価は時間とともに変わる。より上質な競争相手、より手軽な競争相手が発生する。
・同じ商品でもどちらを重視するかは顧客層ごとに変わる。(上質と手軽はセグメントごとに考えなくてはならない)(基準は消費者が判断する)
・新しいテクノロジーは不毛地点に産まれる。商品開発で明確な方向性を持つ必要がある。
・この概念は個人にも適用できる。スペシャリストになるか、身近で頼られる人になるか。
・「ドリルを買う人はドリルそのものを求めているのではなく、穴を開ける必要に迫られているのだ。」
効用を満たせれば、まったく違う商品でもいい
・品質に優位さがなく、差別化できる手段は価格だけ、という商品でも、消費者心理などにひらめきを得て、上質という称号を得ることも出来る。
Posted by ブクログ
スタバがそのへんにない頃、スタバは特別な場所(上質)だった。値段が高くても、あのマークを持って都会を歩くのがステイタスだった。けれど、今やスーパーにも入っている。オーラがないのに、高い。(上質でもないし、コンビニ珈琲の価格と比べて手軽でもない)ということで、売り上げが落ちているのは当然、という話。
手軽さと上質さ。
どちらかでトップをとれば、うまくいく。
手軽さ(上質さ)でライバルがいるときは、上質さ(手軽さ)を少しプラスする。
両方を追い求めると、一時のティファニーや、スタバのように(その他失敗して「不毛地帯」に入ってしまった多くのもの)のようになる。
この考えは、個人にも、国家にもあてはまる。
訳者は、日本は例えば車一つとっても、「手軽さ」ではなく、欧州ブランドに負けない「上質さ」をとらないと、世界では売れない、と。
強みを生かして、ねえ…。
Posted by ブクログ
なるほどねぇ…と頷くこと多し。とはいうものの、本書の言うような上質と手軽さを追求するだけでビジネスが成り立つのならば判断は楽なのだと思うが、そう簡単に行かないのが現実。上手い落としどころを、いかにして見つけることができるか、そこが一番知りたいと思った。ただ、こういった判断基準を次善に持っているのと持っていないのとでは対応は違ってくると思うので、そういう意味では非常に参考になった。
Posted by ブクログ
Trade-Off: Why Some Things Catch On, and Others Don't
Kevin Maney
「上質をとるか、手軽をとるか」 どちらか一つに賭ける。
スターバックス 上質⇒+手軽さ(価格維持・店舗数増加→店舗の質低下)=失墜
ティファニー 上質⇒+手軽さ(低価格)=失墜⇒価格を戻し、修復。
上質さで互角なら(上質な競争市場でわずか劣っていても)、人は最も手軽なものを求める。
差がわずかなら、最も安いものを求める。
テクノロジーの進化で、上質、手軽さの両方の水準が向上している。
何もかも上質を選択しても、わずかな差なら、手軽さが勝つ。
上質と手軽の天秤にかける。その基準は顧客により異なる。
IBMは上質が要求されるサーバー事業にて、
OSを最高性能のAIXから手軽なリナックスに変更し、トップに復帰。
お掃除ロボットルンバ
200ドルの自動掃除機の市場で他と同等の掃除性能で、全自動という上質さで成功。
具体例は参考になるが、当然の理論。
iphoneが好調なappleもスタバやティファニーの二の舞になるというが。
Posted by ブクログ
生き残りと差別化を求められる現在のビジネス。「上質と手軽さの両立という幻影を追わず、いずれかの頂点を目指せ。」が骨子。トレードオフの曲線自体をシフトするような力を生み出すには?