佐々木愛のレビュー一覧

  • じゃないほうの歌いかた

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    まず目を引くこのタイトル!
    知らない作家さんだけど?
    当たり本の予感…
    キタ〜!!発掘:.゚٩(๑˘ω˘๑)۶:.。♡︎

    ☆8くらいあげたい♡
    連作短編は結構読んだことあるけど
    笑ってホッコリしてこれほど気持ちよく繋がった連作は初めてかもしれない!
    なんて短編の完成度でしょうか!!



    ちょっとレトロなチェーン店じゃないカラオケ店
    が話の舞台です。

    《登場人物》
    カラオケのイメージ映像に出ていそうな女・池田

    音が出せないトランペッター・加賀
    その恋敵・サナ

    反抗期の娘と暮らす元俳優・佐藤待男

    74歳にしてカラオケ店でアルバイトする謎の老人・石崎さんと石崎さんを心配する指導役アルバイ

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    2025年11月21日
  • 料理なんて愛なんて

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    「料理が嫌い、でも好きになりたい。」こんな帯に釣られてこの本を手に取った。そんな私は外食はほぼしない、お惣菜もほぼ買わない、一人暮らしの独身。
    料理が好きと思ってないけど、どちらかといえば料理好きと思われていることが多い私からしたら、逆に料理が嫌いな人の物語ってちょっと新鮮で興味が湧いた。
    でも、逆じゃなかった。全然逆じゃなかった。出来合いのものに食べないものがない、お金がもったいないから料理をする、でも家庭的は褒められることで、美味しそう美味しいって言ってもらえることが嬉しくて、何より正しくて発信してた。
    料理は愛情と私は思ってなくて、何より人に作ることなんてないし。でも、もし、誰か、好きな

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    2023年05月21日
  • プルースト効果の実験と結果

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    これはいい、久しぶりにいい本に巡り合った。チョコを食べたら思い出すはずだからとチョコを食べながら勉強する小川くんとの淡い恋をつづる表題作、イケてる男子グループにいるちょっととっぽいくるぱーの挙動に惹かれる「楽譜が読めない」など、思春期や若い女性を主人公とした短編で、ゆっくり読みたくなる出来で、素晴らしい。なんか賞をとった作品かなと思ったが、作家名でもあまり紹介が見つからないが、別の作品も読んでみたい。

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    2022年05月11日
  • プルースト効果の実験と結果

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    プルースト効果とは香りからそれに関する思い出が思い出される現象。とても魅力的な短編集。青春小説の苦さ、鮮やかさを四人の女性の視点で見せてくれる。四編どの作品も素敵な言葉、会話がありそれが高校生の一瞬を捉えていたりその瞬間にしかない感情を見せてくれている。青春小説であり恋愛小説でもある短編集でこんなに入り込んだ短編集は久しぶり。四編全て傑作でとても印象に残る作品。

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    2022年02月20日
  • じゃないほうの歌いかた

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    夢を掴みきれない、思い通りの人生を送れていない人たちの、ちょっと切ない日常を描いた物語だった。それぞれの人物はどこかでへんてこりんで、孤独感を抱えながら自分のままならない人生に何とか折り合いをつけながら生きている。そんな誰かの生きづらさが、別の誰かを支えていたりして、彼らが相手にかける言葉、自分自身を鼓舞する言葉は、なかなか滋味深くて印象に残る短編集だった。

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    2025年11月08日
  • じゃないほうの歌いかた

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    著者初読み。

    さわや書店ポッドキャストで、タイトルと「カラオケの再現映像に出ていそうな女」と言われて・・・の件に惹かれて。

    連作短編。
    至るところに、クスッと笑える楽しさを隠している。
    石崎さんと小野さん、いい味出してます。
    小説をドラマ化するのは好きではないけれど、なんだか自分脚本家になったように映像が生まれます。

    じゃないほう・・・そう普通の人はみんなそうして生きています。

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    2025年10月28日
  • じゃないほうの歌いかた

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    ネタバレ

    ここ数年一週おきにカラオケに通っているのでなにげなく手に取ってみた一冊。
    連作短編の2編目で
    「香奈、頭をよくしてあげよう」にこんな形で再会するとは。(筋肉少女帯のライブには何回も行きました)

    なんとも言えない味があってだんだんこころを掴まれていき、これはデビュー作から読まなければ、と決心しました。



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    2025年09月08日
  • プルースト効果の実験と結果

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    カバーの写真とも相まってそう思っているだけかもしれないが、どの話も小さな劇場でやっている荒削りでしかし唯一無二な尖った映画みたいだった。

    話の中に翳りのある心理描写がそこそこの数あるのだけど、どれも夏に大きな雲が通過した時のようなさっぱりしたもので読んでいて親近感はあるのにウウウ……とはならなくて読みやすい。
    最後に収録された不倫の話なんかは特に「うわ、そういうの苦手なんだよな」と思いつつあまり不快にならなかったのは不思議だった。
    どの話も巨大な不穏さがだんだん大きくなっていくけど見事に腐ってどうにもならなくなった部分を「はい、ここでお終いにします」と主人公がすっぱり切っていくので読後感が良

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    2024年05月23日
  • プルースト効果の実験と結果

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    ネタバレ

    本屋さんでぺらぺらめくって
    たけのこの里と受験のプルースト効果を検証してる青春に惹かれて読みはじめた。
    描写の繊細さに心がぎゅっとなった。
    くるぱーの話も好きだった。
    忘れていた学生時代を心情を顕微鏡で覗き込んだくらいの鮮明さで思い出した。

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    2024年02月13日
  • ここにあるはずだったんだけど

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    大好きな佐々木愛さんの新刊がでていたことにようやく気づきました。
    あるはずだったのに、ない。そのことに彼女らはいつだって大真面目に悩んでいる。
    「たかが胸、されど胸」な珠玉の短編が4篇。

    『EあるいはF』
    推していた俳優が結婚したグラドルの胸のサイズがEなのか、あるいはFなのかに囚われる「Aカップ無職」の私。お洒落なFマークを掲げたファミーユ藤田に暮らし、近所の高校の吹奏楽部が奏でる音色を耳にしながら日々悶々と過ごしている。
    直視できないような彼らの眩しさを前に、自身の高校生活がよみがえってくるなかで気づくもの。自分が傷つかないように逃げ続ける彼女に足りなかったものは、本当に胸なのか?あるい

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    2024年01月13日
  • 料理なんて愛なんて

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    読みながら自分自身を振り返ってみたとき、
    好きになりたい、
    への執着ってあんまりなかったなぁって思った。
    好きじゃなくなりたい、
    はめちゃくちゃわかるなぁって思った。
    これからどうしていこうかいろいろ考えているいま、
    読んでよかったな、と思った。

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    2023年05月20日
  • ここにあるはずだったんだけど

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    好きな俳優が一般女性と結婚し、それを祝福していた主人公。しかし後に元グラビアアイドルだったことを知ってから少し祝福の気持ちに変化する。胸のサイズがEかFらしく、Fだけは嫌だという主人公にとっては大事な理由。全四編収録されている短編集で、他の三編もモヤモヤしている今の自分をなんとかしようとするそれぞれの人物たち。あまり理解してもらえないことだったりする悩みもいつしか大丈夫と思えるようなものがあって温かくいま特に注目している佐々木愛さんの絶品の作品集。

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    2023年03月26日
  • ここにあるはずだったんだけど

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    胸に纏わる四話収録の短編集。

    たかが胸、されど胸。
    よほどの胸フェチでない限り、そうそう他人の胸に関心はないと思うけれど、小胸に悩む本人にとっては人生にまで影響を及ぼす重大ポイント。

    小胸がコンプレックスとなり、生き辛さまで抱えた彼女達の思いは切実だ。

    "F”に拘る女性を描いた一話『EあるいはF』と最終話の『胸は育たない』は彼女達の必死さと切なさに愛おしさが込み上げる。

    二話『ブラ氏の告白』ブラに拘る小太り夫婦の異様で奇妙な世界観に何度も噴き出した。

    極限の生き辛さを描いた三話『授乳室荒らしの夢』の結末はグッと来る。

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    2023年03月07日
  • プルースト効果の実験と結果

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    2022/03/05
    帯のタイトルを見て新刊コーナーで遭遇して気になったので購入。
    全4話からなる短編で構成されていて読みやすいです。
     ひとつ目の話は、高校生同士の恋に落ちていく過程が描かれていて、そこに至るまでの経過が「高校生っぽさが前面に出てるなー」と思えるものでした。
     ふたつ目の話は何だか世にも奇妙な物語とかで扱われそうな話だなーと思いました。赤坂さんと青山さんと言う人が出てきて、都会に憧れ、自分達の苗字にかけて色々と話が展開していくのですが…。
     みっつ目の話は桑田佳祐さんが楽譜を読めないということに端を発する学校での男女の話。同級生の観察日記をつけようとする女の子とそれに協力する

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    2022年03月05日
  • じゃないほうの歌いかた

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    「池田の走馬灯はださい」
    「加賀はとっても頭がいい」
    「君の知らないあの佐藤」
    「石崎IS NOT DEAD」
    「矢沢じゃなくても」

    落合南長崎の独立系カラオケ店『BIG NECO』を舞台にした5話収録の連作短編集。

    登場人物はどこにでもいそうな市井の人々。
    他人から見れば些末な事でも、本人にとっては切実な悩みを抱えていたりする。

    みんな生きるのが上手じゃなくて、それでもちゃんと頑張っている。
    読みながら彼らへの愛おしさが募っていった。

    何者かになんてならなくていい。

    じゃないほうの一員として、彼らの未来を応援するしかない。

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    2025年11月15日
  • じゃないほうの歌いかた

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    矢沢ステッカーを持っていると幸運になるとテキトーに言って彼女に渡しそれが一つの物語となって巡る。そして昭和の香りをふんだんに撒き散らしながら物語は進んでその繋がりにまた後戻りしながらこう繋がるのかと2度読みする。出てくる人みんな救われるわけでもない切り取られた何気ない日常だけどこの人たちは一生懸命に生活しているんだなぁ。そしてほとんどの人はこういう日常を送って自分だけが疎外感を持たなくていいと後ろ向きな励ましを感じられた。

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    2025年10月16日
  • じゃないほうの歌いかた

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    チェーン店ではないカラオケ店NECOで繋がる人間模様。短編あまり好きでないけど、これは繋がりを感じるそれぞれの物語だった。

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    2025年10月14日
  • じゃないほうの歌いかた

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    ネタバレ

    収録されている五篇はいずれもちょっとコミカル&キュートで、私がこの著者の小説を好きな理由がつまっているなぁと思わせてくれる短編集だった。
    やや寂れた印象のカラオケ店に集う、脇役的な人生を送る人たちの悲喜交々。

    連作の種明かし的な立ち位置となる最後の『矢沢じゃなくても』にある文章が胸に響いた、というかグサグサ刺さった。

    〈「自分でも、ほんとうはわかっているはずだよ。あなたはそれをしていないといけない、才能がなくても」〉

    〈おれが書かなくても誰も困らない。だけど、おれは困るのだ。大切な誰かを思ってやっと作ることのできた噓は、ずっと先の自分のことを励ましてくれることもあって、おれみたいなやつは

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    2025年10月08日
  • じゃないほうの歌いかた

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    カラオケ店「BIG NECO」

    訪れるお客さんにも、働く店員さんにもそれぞれのドラマがある。

    舞台がカラオケ店なだけに、思わず僕も行きたいなと思ってしまいました。

    曲を大声で歌って、元気が出たり、歌詞に励まされたりするって、本当にその通りだと思います。

    もし、次カラオケに行ったら、僕は
    中島みゆきさんの「旅人のうた」を
    歌いたい!
    それで、勇ましい気分になって自分を鼓舞したい!

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    2025年09月24日
  • ここにあるはずだったんだけど

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    胸にまつわる短編集。たかが胸って言っちゃいけないんだろうけど、推しと結婚した元グラドルの胸についてよくそこまで考えられるものだと思ってしまった。EあるいはF、なかなか面白くてちょっと怖かった。

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    2024年08月10日