佐々木愛のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
まず目を引くこのタイトル!
知らない作家さんだけど?
当たり本の予感…
キタ〜!!発掘:.゚٩(๑˘ω˘๑)۶:.。♡︎
☆8くらいあげたい♡
連作短編は結構読んだことあるけど
笑ってホッコリしてこれほど気持ちよく繋がった連作は初めてかもしれない!
なんて短編の完成度でしょうか!!
ちょっとレトロなチェーン店じゃないカラオケ店
が話の舞台です。
《登場人物》
カラオケのイメージ映像に出ていそうな女・池田
音が出せないトランペッター・加賀
その恋敵・サナ
反抗期の娘と暮らす元俳優・佐藤待男
74歳にしてカラオケ店でアルバイトする謎の老人・石崎さんと石崎さんを心配する指導役アルバイ -
Posted by ブクログ
「料理が嫌い、でも好きになりたい。」こんな帯に釣られてこの本を手に取った。そんな私は外食はほぼしない、お惣菜もほぼ買わない、一人暮らしの独身。
料理が好きと思ってないけど、どちらかといえば料理好きと思われていることが多い私からしたら、逆に料理が嫌いな人の物語ってちょっと新鮮で興味が湧いた。
でも、逆じゃなかった。全然逆じゃなかった。出来合いのものに食べないものがない、お金がもったいないから料理をする、でも家庭的は褒められることで、美味しそう美味しいって言ってもらえることが嬉しくて、何より正しくて発信してた。
料理は愛情と私は思ってなくて、何より人に作ることなんてないし。でも、もし、誰か、好きな -
Posted by ブクログ
カバーの写真とも相まってそう思っているだけかもしれないが、どの話も小さな劇場でやっている荒削りでしかし唯一無二な尖った映画みたいだった。
話の中に翳りのある心理描写がそこそこの数あるのだけど、どれも夏に大きな雲が通過した時のようなさっぱりしたもので読んでいて親近感はあるのにウウウ……とはならなくて読みやすい。
最後に収録された不倫の話なんかは特に「うわ、そういうの苦手なんだよな」と思いつつあまり不快にならなかったのは不思議だった。
どの話も巨大な不穏さがだんだん大きくなっていくけど見事に腐ってどうにもならなくなった部分を「はい、ここでお終いにします」と主人公がすっぱり切っていくので読後感が良 -
Posted by ブクログ
大好きな佐々木愛さんの新刊がでていたことにようやく気づきました。
あるはずだったのに、ない。そのことに彼女らはいつだって大真面目に悩んでいる。
「たかが胸、されど胸」な珠玉の短編が4篇。
『EあるいはF』
推していた俳優が結婚したグラドルの胸のサイズがEなのか、あるいはFなのかに囚われる「Aカップ無職」の私。お洒落なFマークを掲げたファミーユ藤田に暮らし、近所の高校の吹奏楽部が奏でる音色を耳にしながら日々悶々と過ごしている。
直視できないような彼らの眩しさを前に、自身の高校生活がよみがえってくるなかで気づくもの。自分が傷つかないように逃げ続ける彼女に足りなかったものは、本当に胸なのか?あるい -
Posted by ブクログ
2022/03/05
帯のタイトルを見て新刊コーナーで遭遇して気になったので購入。
全4話からなる短編で構成されていて読みやすいです。
ひとつ目の話は、高校生同士の恋に落ちていく過程が描かれていて、そこに至るまでの経過が「高校生っぽさが前面に出てるなー」と思えるものでした。
ふたつ目の話は何だか世にも奇妙な物語とかで扱われそうな話だなーと思いました。赤坂さんと青山さんと言う人が出てきて、都会に憧れ、自分達の苗字にかけて色々と話が展開していくのですが…。
みっつ目の話は桑田佳祐さんが楽譜を読めないということに端を発する学校での男女の話。同級生の観察日記をつけようとする女の子とそれに協力する -
Posted by ブクログ
ネタバレ収録されている五篇はいずれもちょっとコミカル&キュートで、私がこの著者の小説を好きな理由がつまっているなぁと思わせてくれる短編集だった。
やや寂れた印象のカラオケ店に集う、脇役的な人生を送る人たちの悲喜交々。
連作の種明かし的な立ち位置となる最後の『矢沢じゃなくても』にある文章が胸に響いた、というかグサグサ刺さった。
〈「自分でも、ほんとうはわかっているはずだよ。あなたはそれをしていないといけない、才能がなくても」〉
〈おれが書かなくても誰も困らない。だけど、おれは困るのだ。大切な誰かを思ってやっと作ることのできた噓は、ずっと先の自分のことを励ましてくれることもあって、おれみたいなやつは