あらすじ
嫌いな言葉は、「料理は愛情」。
食べるのは好きだが料理が嫌いな優花は、想いを寄せる真島さんに高級バレンタインチョコを渡すも、あっさり振られてしまう。彼が付き合いだしたのは、なんと料理教室の先生だった。一念発起した優花は、自炊に挑戦したり「料理男子」と合コンしたりして、料理を好きになろうと努力するが――。
「素敵な女性=料理上手な女性」という呪縛に思い悩む優花の1年間を描いた、瑞々しくキュートな長編小説。著者による文庫版あとがきも収録。
※この電子書籍は2021年1月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
「料理が嫌い、でも好きになりたい。」こんな帯に釣られてこの本を手に取った。そんな私は外食はほぼしない、お惣菜もほぼ買わない、一人暮らしの独身。
料理が好きと思ってないけど、どちらかといえば料理好きと思われていることが多い私からしたら、逆に料理が嫌いな人の物語ってちょっと新鮮で興味が湧いた。
でも、逆じゃなかった。全然逆じゃなかった。出来合いのものに食べないものがない、お金がもったいないから料理をする、でも家庭的は褒められることで、美味しそう美味しいって言ってもらえることが嬉しくて、何より正しくて発信してた。
料理は愛情と私は思ってなくて、何より人に作ることなんてないし。でも、もし、誰か、好きな人に作るとしたら、3ヶ月で人間の細胞は入れ替わるっていうし、この人がこうして生命活動続けてるのは私の料理が作り上げたんだなあってほくそ笑むだけだと思う。
主人公拗れてんなあって思う場面は多々あったけど、私も負けてないし、別に隠すのが上手いだけできっとみんな拗れてる。
西の魔女はシロクマはハワイじゃなくて北極で生きることを選んでも誰も責めないなんて言ってたなあなんて、取り留めないことを思ったり、でも気持ちはスッキリしてて。取り止めのないことつらつら書いたけど。何が言いたいのかっていうと、私はこの本がすごく好きだなって思った。
Posted by ブクログ
読みながら自分自身を振り返ってみたとき、
好きになりたい、
への執着ってあんまりなかったなぁって思った。
好きじゃなくなりたい、
はめちゃくちゃわかるなぁって思った。
これからどうしていこうかいろいろ考えているいま、
読んでよかったな、と思った。